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三井化学株式会社 大牟田工場

現状分析に基づく予防保全と人材育成で安定操業を支える

年2回開催されている定期報告会では関係者が全員集まり、システムに蓄積された保全履歴データの解析結果について討議しつつ、今後の保全計画への反映などを進めている。

年2回開催されている定期報告会では関係者が全員集まり、システムに蓄積された保全履歴データの解析結果について討議しつつ、今後の保全計画への反映などを進めている。

2005年10月、大牟田工場とアズビルの間の日常保全業務一括請負(エリアメンテ)の契約がスタートしました。以来、10年以上にわたりアズビルの現場監督者以下数人の担当者が同工場に常駐。現場で実作業を担当する地元企業とタッグを組み、日々の保全業務に当たっています。

大牟田工場が最大の成果と捉えているのが、プラントの操業の安定性が大きく高まったことです。

「原因の特定が非常に難しい古い空気式機器の故障に対しても、経験を活かしながら、製造現場に迷惑のかからない形で保守対応をしてくれています。また、突発的なトラブル発生時にもスピーディな対応が可能になりました。加えて、故障対応だけでなく、大事に至る前に異常にいち早く気づいて対処するという常に予防保全の観点に立った保全業務の提案により、止めることの許されないプラントの安定操業を支えてくれています」(林氏)

アズビルは、大牟田工場が運用する保全情報システムに蓄積されたデータを自社で解析。年2回開催される定期報告会を通して、故障頻度が高まっている機器の特定とトラブルの未然防止に向けた適正な点検サイクルの立案、あるいは定修*2の際に力点を置くべき箇所の提案なども常に実施しています。保全を実施した際の作業内容の明文化を含む、現場の業務プロセス全体の見直しなどの改善活動も定常的に推進しており、そうしたことが大牟田工場の日々の安定操業に貢献し、ひいては計装機器の運用にかかわるコスト削減にもつながっています。

また、当初の期待であった大牟田工場で保全業務に当たる地元企業の人材育成や、保全現場における技術・ノウハウの伝承という点でも、アズビルは多大な貢献を果たしています。

「プラント操業における最重要テーマである安全についてもしっかりとした教育を実施してくれています。例えば、アズビルが社内で育成・認定している安全マイスター*3を招いてのKY(危険予知)トレーニングや、実際の製造工程を模して作業上の危険を疑似体験できる機器を使った安全体感訓練なども随時実施しています」(林氏)

怖さを知っていると現場に出たときに慎重になるという観点から、地元企業はもちろんのこと、三井化学の希望者に向けても安全帯につるされたときの体にかかる負担、静電気のショックを用いた感電したときの疑似体験、ヘルメットへ物が落下したときの衝撃など、実際に体感して怖さを体で覚えるという安全教育を実施しています。

こうした取組みにより、保全業務の品質や効率、安全性が大きく向上。三井化学の保全部門の人的負荷の大幅な削減が進み、担当者が運転改善など上流の管理業務に注力できる体制が整いました。

「大牟田工場において、機器保全の現場だけではなく、製造の現場からもアズビルは信頼される存在となっています。今後は、デジタル通信と診断機能を備えた機器によるリモート監視など、アズビルが提供する最新の製品・ソリューションなども活用しながら、さらなる保全業務の効率化とコスト削減を目指していきたいと考えています。もちろんアズビルには、それに向け、さらに積極的な提案を期待しています」(林氏)

用語解説

※1 DCS(Distributed Control System)
分散制御システム。プラント・工場の製造プロセスや生産設備などを監視・制御するための専用システム。構成する各機器がネットワーク上で機能を分散して持つことで、負荷の分散化が図れ、安全でメンテナンス性に優れている。
※2 定修
各種生産施設やプラントで定期的に実施される大規模な点検・修理作業。定期修理。
※3 安全マイスター
知識、経験、指導力を活かし、現場や職場に根差した安全力の底上げを図るとともに、労働災害の未然防止、リスク低減の指導・援助、教育・訓練などを行う安全衛生のプロフェッショナル。アズビルの社内資格制度で審査・選考され、資格が与えられる。

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2017 Vol.1(2017年02月発行)に掲載されたものです。