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神戸市立 須磨海浜水族園

“CO2ダイエット作戦”にESCOで取り組む

近年、全国各地で水族館ブームが起きています。大水槽を設置して大型魚をはじめとする多種多様な魚類を観賞できるようにしたスタイルの流行は、須磨海浜水族園における1200トンの水槽から始まったといいます。同園はいわば、大水槽水族館ブームの火付け役であったのです。

神戸市の海浜レクリエーションエリアにあって緑豊かな環境にある須磨海浜水族園は、あえて水族館とは呼ばず、「人と水族と植物という生きもの同士の出会いを大切にする公園」として位置付けられています。

「園全体を貫くテーマは、水族はどのように生きているかという生態観察や学習を行うために、それらの“生きざま”を示すところにあります。展示を『波の大水槽』として波立つ水槽にしているところもユニークな点のひとつだといえます」(海浜水族園 柿本参事)

日本の近代水族館発祥の地ともいわれる須磨海浜水族園では、全国の水族館に先駆け、2004年(平成16年)4月より、大幅な省エネルギー管理をスタートさせました。その背景には、神戸市の「神戸市役所地球温暖化防止実行計画=CO2ダイエット作戦」がありました。同市では省エネルギーに関するフィジビリティスタディ(Feasibility Study=実行可能性調査)を行い、エネルギー削減を実行する上で、優先度の高い施設として、須磨海浜水族園をターゲットに選んだのです。

事業の実現に当たっては独立行政法人NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization=新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助金を活用し、また投資対効果も明確になるESCO(Energy Service Company=省エネルギー効果保証事業)を導入することとし、工事完了後、削減保証付のエネルギーサービス契約の締結を条件とした設計条件付指名競争入札を行いました。神戸市直営施設としては、初めてESCO事業に着手したわけです。ESCO事業者として山武に決定したことについて同園では、1987年(昭和62年)から17年にわたり同園の制御システムを山武が担ってきたため、安心感があったといいます。施工面については、新システム導入の際の切り替えがスムーズに行われたことなどを評価しています。

「1200トンの水量がある大水槽をはじめ、イルカプールやラッコ水槽など、飼育水槽における生活環境を維持するために24時間ノンストップの水循環が行われており、これまで一定負荷で運転をし続けてきました。この系統にインバータ制御、水質自動監視制御を導入し、使用エネルギーの約半分を削減する性能要求に対し、山武がその技術で設計・施工し、省エネルギー効果を保証することになったのです。このことにより水族園では、年間700万円近くの光熱費削減が図られます」(神戸市設備課 高木主査)

「省エネルギーは水槽の循環ポンプ制御だけではなく、全館の空調制御にも及び、ここでは『不快指数制御』という方法を用いて、温湿度の相互関係をパラメータとしたアルゴリズムにより快適さを失わずに省エネルギーの実現が図られています」(神戸市設備課 藤谷氏)

こうした省エネルギー手法により、同園では省エネ対象設備に対して48.9%の省エネルギーが図られることになり、CO2換算では年間およそ400トンの削減、また原油換算では年間およそ260キロリットル以上の削減につながることになります。

なお、須磨海浜水族園のESCOは、ギャランティード・セービングス型にて導入されています。これは顧客が自己資金を用意して省エネ機器の設置工事費用を支払い、ESCO事業者から省エネルギー効果の保証を受けるものです。顧客が初期投資をせずに省エネルギー効果分でESCO事業者に施工経費を返済していくシェアード・セービングス型に比べて、金利分だけ経費負担が軽くなるのが特長です。

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。
この記事は「Savemation(セーブメーション)」(現:azbilグループPR誌「azbil」)の2004年08月号に掲載されたものです。