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独立行政法人 科学技術振興機構  中村活性炭素クラスタープロジェクト

最先端研究を行う実験環境の快適と安全と省エネルギー実現

ドラフトチャンバーを利用しての実験

ドラフトチャンバーを利用しての実験

プロジェクトプレート

プロジェクトプレート

ERATO(Exploratory Research for Advanced Technology=戦略的創造研究推進事業)は、日本が自らの未来を拓き、国際社会に貢献するために、世界に通用する新しい科学の流れを作る最先端の基礎研究を行うプロジェクトです。ERATOは、独立行政法人科学技術振興機構がこれをつかさどり、1981年(昭和56年)に発足して、今年で25周年を迎えます。科学技術の将来の発展に向けた戦略に基づいて、これまでに数多くの世界的研究成果を誕生させています。

その認定推進事業のひとつである「中村活性炭素クラスタープロジェクト」は、化学の力によって炭素に内在する性質を引き出し、新しい性質を付与することを研究の目的としています。フラーレン、カーボンナノチューブと呼ばれる特殊な炭素結晶構造体をベースとした精密合成化学の基礎研究で、この研究から、ナノ構造解析、液晶や太陽電池といったエレクトロニクス関連の新素材、生命科学や医学の新たな課題など、幅広い分野における成果が期待されています。研究総括の中村栄一教授は、この分野で最先端の研究に取り組む世界的にも数少ない科学者の一人です。

このプロジェクトは東京大学構内に研究室を設けて基礎研究を続けていますが、その研究室実験設備に、山武のクリティカル環境™システムが採用されています。

「優秀な人材を確保し、先端的な研究を行っていくには、十分な研究設備に加えて、安全で快適な実験環境が欠かせません。その意味で、今回の導入は、世界的なスタンダードともいえる設備を整えることができたと考えています」(中村教授)

中村教授は、欧米における国際レベルの実験設備や安全装置に精通しており、前任大学でもその導入を進めてきました。そして、プロジェクトの研究室開設以前にも東大大学院内で自らの研究室にドラフトチャンバーなどを導入しています。

「今回導入のクリティカル環境システム(現:研究施設向け風量制御システム)は、研究者の安全、快適において世界スタンダードからすれば、当然といえるレベルを実現してくれています。さらに省エネルギーでランニングコストにも高い配慮が払われていると感じています。こうした導入の実例が、今後、実験の安全環境実現のよき例になり、定着していくことを望んでいます。よき研究者は、よき環境にしか集まりませんから」(中村教授)

こうした観点で、同プロジェクトは数多くの見学者を受け入れています。

ドラフトチャンバーは、外側から内側へ向かう気流によって、実験者を有毒ガスに対する曝露から防ぐことが役割です。しかし、単純に排気を行うだけでは、多数のドラフトチャンバーを同時に利用した場合に排気機能を低下させてしまう場合があります。

「これまでの経験では、いくつも並んだドラフトチャンバーを同時に使うと、排気能力が落ちてしまうことがあり、周囲に気兼ねして実験を行わなければならないことがありました。しかし今回のクリティカル環境システム(現:研究施設向け風量制御システム)では、その心配がなく、いつでも実験に取り組めることをありがたいと思っています」(松尾グループリーダー)

また、ドラフトチャンバーが稼動し続けると、大量の室内空気が排気され、これまでこうした設備では、冷暖房に負荷がかかることが常でした。

「このクリティカル環境システム(現:研究施設向け風量制御システム)では、人の有無を検知してドラフトチャンバーの排気風量最適制御を行う人検知センサが設けられています。無駄な排気をしない省エネルギー設計だといえます。また、各研究室の使用状況を記録できるシステムを備えていることで、各研究者がそのデータに気を配っており、省エネルギーに対するモチベーションアップにもつながっています。従来の同様な装置に比べるとランニングコストは半分近くまで低減できていると実感しています」(兼子技術参事)

※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。
この記事は「Savemation(セーブメーション)」(現:azbilグループPR誌「azbil」)の2006年08月号に掲載されたものです。