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さんちか

エネルギー消費状況をスマートフォンで見える化
電力削減要請に応え、複数施設をリアルタイムに監視

2015年に開業50周年を迎える神戸・三宮の老舗地下街「さんちか」では、15年以上にわたって運用してきた中央監視システムの更新を契機に、電力消費状況の“見える化”を実現。パソコンやスマートフォンを使って、いつでも、どこからでも情報にアクセスできるようになったことで、デマンド監視も効率的に行えるようになりました。

建物分野 ショッピングセンター 省エネルギー エネルギーマネジメント クラウド・IoT・AI 中央監視システム ビル向けクラウドサービス

導入製品・サービス

建物管理システム savic-net FX

SaaS/ASP型 見える化/省エネ/省CO2アプリケーション Web-Infilex

節電要請への対応を契機に“見える化”の仕組みを導入

神戸中心部の振興を目的として1965年10月にオープンした地下ショッピングモール「さんちか」。JRをはじめ神戸市営地下鉄、阪急、阪神、ポートライナーの各鉄道路線が乗り入れる神戸・三宮の玄関口に位置し、13,600m²の敷地に125店舗がテナントとして入っています。「さんちか」および他エリアにある地下街「デュオこうべ」などの管理運営をしている、神戸市の第三セクター企業である神戸地下街株式会社は、常に時代をリードする場としてあり続けるために、新しい公共空間の形成や魅力的な店舗づくり、そして省エネルギーに先進的に取り組んでいます。

「さんちか」は阪神地区で最も歴史の古い大型地下街であり、オープン当初から稼働していた中央監視システムは1995年に更新されましたが、2010年には再び最新の中央監視システムへの更新が検討されるようになりました。

システム更新を検討中の2011年3月に、東日本大震災が発生。震災をきっかけに全国的に進んだ原子力発電所停止への動きは、関西電力管内に大きなインパクトをもたらし、企業に対しても節電要請が発せられました。もともと、特別高圧で受電する大口需要家であった「さんちか」は、1995年の設備更新時にも、それまで熱源として稼働させてきた大型冷凍機を廃止して機器の細分化や容量制御、インバータの導入を行うなど、中長期的なビジョンに立った省エネ計画を進めていました。震災を機に、節電に対してさらに高い目標を掲げることになったのです。

「震災後の節電要請に対しては、2年間で600kW削減するという目標値を立て、デマンド契約値を下げることで積極的に対応しました。そして、中央監視システム更新の際に、デマンド監視をリアルタイムに行える“見える化”の仕組みを新たに導入することを検討したのです」(本田氏)

いつから、どこからでも、電力消費動向を把握

中央監視室に置かれたsavic-net FX。中央上部に設置された大型LCDを通じて、室内にいるすべてのオペレータが瞬時に情報を把握し、共有できる環境が整えられている。

中央監視室に置かれたsavic-net FX。中央上部に設置された大型LCDを通じて、室内にいるすべてのオペレータが瞬時に情報を把握し、共有できる環境が整えられている。

神戸地下街は中央監視システムのメーカー選定について、数社の中から総合的に判断した結果、アズビル株式会社に決定しました。

「『さんちか』がオープンした1965年以来、設備の監視・制御を行う機器やシステムに、アズビルの製品を数多く使ってきた実績がありました。常に迅速で行き届いた対応が期待できることに加え、部品の在庫保有数や供給力などの点でも優れており、アズビルの継続採用を決めました」(岩元氏)

 アズビルと契約後、2012年12月から2013年3月まで約4カ月をかけて工事を実施。改修作業が行えるのは、地下街が閉鎖される夜12時から朝6時までと時間に制限があり苦労しましたが、詳細な切替え工程や切替え手順を準備することにより、買い物客やテナント、共用通路の通行人に影響が一切及ばない改修が実現しました。

 今回の更新では、中央監視システムを建物管理システム savic-net™FXにリプレース。既存の受変電グラフィックパネルを撤去し、デスクトップタイプの監視用モニタに置き換えるとともに、大型LCDを導入しました。

「中央監視室のどこからでも大型LCDが目に入るので、受変電の状況を常に把握できるようになり、監視用モニタの前にいなくても、室内にいる全オペレータが瞬時に情報を把握し、共有できる環境が整いました」(笠原氏)

 また、地下街の各所に取り付けられたITV(監視カメラ)のデジタル化も併せて実施。その監視映像も中央監視室の大型LCD上に分割表示できるようにしています。

一方、電力消費状況を可視化するための仕組みとして、SaaS/ASP型 見える化/省エネ/省CO2アプリケーションWeb-Infilex™を導入。「さんちか」をはじめ、「デュオこうべ」も含めて複数の商業施設の電力消費状況を一緒に可視化できる設備が整備されました。

「導入初年度となった2013年の夏は非常に暑い日が続きました。節電の状況下でも、各テナントや店舗の環境を変えないことを第一優先に据えながらデマンド値を維持するために、日中の電力消費動向から目が離せない状況でした。その点、Web-Infilexは自席のパソコンでも、手持ちのスマートフォンでも閲覧が可能で、社内外、夜間や休日を問わず、随時電力使用状況を把握でき、大いに役立ちました」(本田氏)

「Web-Infilexはグラフも駆使して電力消費動向が分かりやすく示されるので、曜日や時間帯ごとの傾向も容易に把握できます。表示されるデータやグラフを使って社内報告用の資料も作成できます」(藤井氏)

事務所のデスクに置かれたパソコンから中央監視システムの監視画面やWeb-Infilexの電力消費動向画面を確認。現地の中央監視室に行かなくても状況を把握することができる。

事務所のデスクに置かれたパソコンから中央監視システムの監視画面やWeb-Infilexの電力消費動向画面を確認。現地の中央監視室に行かなくても状況を把握することができる。

Web-Infilexはスマートフォンからのアクセスも可能。自席を離れている際や外出時のほか、自宅からも消費電力の状況を閲覧することができる。

Web-Infilexはスマートフォンからのアクセスも可能。自席を離れている際や外出時のほか、自宅からも消費電力の状況を閲覧することができる。

“見える化”の全社展開で省電力意識の向上を

今後も「さんちか」では、省電力、省エネルギーを実現するための取組みを、さらに強力に進めていく予定です。例えば、共用部分照明のLED化もそうした施策の一つです。単にLEDを導入するだけでなく、季節や時間帯によって発光色を変化させるなど、商業施設らしい演出を可能にしながら、省電力化を図っていく計画です。併せて、各テナントに対しても、テナント内照明のLED化によるコスト削減効果の説明を行うなどの働きかけを積極的に行っていく方針です。

「そうした取組みと並行して、現在は社内の施設管理部など一部関係者で行っているWeb-Infilexの活用を全社員に展開し、会社を挙げて省電力、省エネルギーに関する意識の向上を図っていければと考えています」(岩元氏)

「オープンから50年近く、常に省エネルギーを考えながらその時々に最適で最新の取組みを実施し、施設管理を行ってきました。アズビルは、それぞれの特質に応じた最適なソリューションの積極的な提案をしていただき、今後も我々の省エネルギーに向けた取組みを支援してくれることを期待しています」(本田氏)

お客さま紹介

神戸地下街株式会社 施設管理部 理事部長 本田 一氏
神戸地下街株式会社
施設管理部
理事部長
本田 一氏
神戸地下街株式会社 施設管理部 施設課 課長 岩元 敏明氏
神戸地下街株式会社
施設管理部
施設課
課長
岩元 敏明氏
神戸地下街株式会社 施設管理部 施設課 係長 笠原 伸造氏
神戸地下街株式会社
施設管理部
施設課
係長
笠原 伸造氏
神戸地下街株式会社 施設管理部 施設課 藤井 義雄氏
神戸地下街株式会社
施設管理部
施設課
藤井 義雄氏

さんちか

神戸地下街株式会社

  • 所在地/神戸市中央区三宮町1-10-1 神戸交通センタービル8F
  • 設立/1963年2月4日
  • 事業内容/さんちか、デュオこうべ、神戸交通センタービルの賃貸管理運営

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2014 Vol.1(2014年02月発行)に掲載されたものです。

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