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太田油脂株式会社

セキュリティソリューションを導入した、「食の安全・安心を見せる工場」

健康分野で注目されているえごま油を日本で初めて食用化し、多種多様な食用油の提供で知られる太田油脂では、フードディフェンスの一環として、入退室管理システムとライブカメラなどを組み合わせたセキュリティソリューションを導入しました。各従業員の製造現場立入りの管理と、作業状況の確認・管理を実施し、近年、急速に高まる「食の安全・安心」への要請に応えています。

建物分野 その他(市場・産業) 安全・安心 セキュリティ対策 入退室管理システム

導入製品・サービス

食を通した社会貢献を目指し、「食の安全・安心」を守る

太田油脂が販売する健康志向で話題の商品。左から「毎日えごまオイル」「えごま油(しそ油)」「国産タマネギ毎日えごま油ドレッシング」

太田油脂が販売する健康志向で話題の商品。左から「毎日えごまオイル」「えごま油(しそ油)」「国産タマネギ毎日えごま油ドレッシング」。

コーン油やえごま油などの様々な食用油を製造・販売する太田油脂株式会社。加工食品会社などの顧客に食品素材として製品を提供しているほか、小売業各社が展開するプライベートブランド製品を受託製造しています。

また、えごま油など一般消費者向け製品の製造・販売にも注力し、ビジネスの幅を広げています。

「当社ではチャレンジ精神を理念に、最も強みを発揮できる製品分野でニッチトップを目指し、お客さまのニーズに合わせた多品種の油製品を提供しています」(太田健介氏)

一方では、昨今の食品業界で相次ぐ異物混入事件などによって重要視される「食の安全・安心」にも積極的に取り組んでいます。

「食品関連製品を扱う企業の社会的責任として、設備投資と同等に『安全投資』を継続的に行っています」(太田健介氏)

業態の特性を理解した、最適な提案を高く評価

製造現場への入退室には、標準の非接触ICカードのほか、ICチップを埋め込んだリストバンドタイプも用意。ポケットからいちいちカードを取り出す必要がないことに加え、洗浄後の手でカードに触れずに済むことから衛生面にも優れる。

製造現場への入退室には、標準の非接触ICカードのほか、ICチップを埋め込んだリストバンドタイプも用意。ポケットからいちいちカードを取り出す必要がないことに加え、洗浄後の手でカードに触れずに済むことから衛生面にも優れる。

太田油脂では、製品の包装工程を担う工場の新設を契機に、フードディフェンス※1強化の一環として、入退室管理システムとライブカメラの導入を検討。設備会社や警備会社など、関連ソリューションを取り扱う企業に提案を依頼しました。提案内容を精査した結果、アズビル株式会社の中小規模入退室管理システム savic-ssEZ™にライブカメラを組み合わせたセキュリティソリューションの提案を採用しました。

「当社の製品を使用した食品には、消費者に届くまでに製造から1年以上のものもあります。したがって、最低でもそれだけの期間の記録を保持できる仕組みが不可欠なのです。アズビルは当社の業務内容やニーズを理解し、スピーディに提案してくれました」(中井氏)

「採用決定後にも、初期提案時に提示されたFeliCa※2ベースの標準タイプのICカードに加え、ICチップを埋め込んだシリコンリストバンドを提案してくれました。いちいちポケットから取り出す必要がなく、工場などの運用には最適でした」(杉山氏)

太田油脂がアズビルの提案を採用したのが2013年8月。同年10月からは、工場が操業を停止する休日を利用し、4棟ある工場の工事を順次実施しました。2015年2月には、新設の包装工場、油性調味料工場、同社の本社に隣接するグループ企業であるシーウィード・ジャパンの海産物製造加工工場、三つの工場内外の13の扉にセキュリティゲートを導入。入退室用非接触ICカードリーダ26台、ゲートおよび製造工程の管理用カメラ19台を設置しました。このうち、特に規模が大きく、より厳密なセキュリティ対策が求められる包装工場には、1人のカード操作で一緒に複数人が室内へ入ってしまう「共連れ」を防止するアンチパスバック制御※3を採用しています。

入退室管理システムでは、各現場に誰がいつ入場し、退出したかといった情報が事務所に設置されたシステムの画面でリアルタイムに把握できるようになっています。各カメラの映像も事務所側のモニタで一元管理できます。

「現場の従業員は、監視カメラの導入に抵抗を感じたと思います。当社では、決して監視のためではなく、従業員一人ひとりが『食の安全・安心』についての明確な意識を持ち、適正に業務を行っていることを証明するためのものだと説明し、現場のスムーズな受入れを図りました」(杉山氏)

「モニタで一元的に現場の様子を把握することができるため、現場の作業状況が予定どおりに進んでいるかなどが一目瞭然です。事務所で画像を見ながら現場側に適切な指示を出すことができるようになりました。例えば、清掃作業などについては各ゾーン並行して指示を出しつつ作業を進めることができ効率がアップしました」(赤木氏)

事務所では、各現場に設置されたカメラの映像を一元的に管理できるモニタ画面が設置されており、管理者が現場の状況をリアルタイムに捉え、仮に問題があれば即座に駆けつけて指示を出すといった対応も可能。

事務所では、各現場に設置されたカメラの映像を一元的に管理できるモニタ画面が設置されており、管理者が現場の状況をリアルタイムに捉え、仮に問題があれば即座に駆けつけて指示を出すといった対応も可能。

見学コースの休憩室でもある食堂にも、ライブカメラのモニタが設置されている。

見学コースの休憩室でもある食堂にも、ライブカメラのモニタが設置されている。

取引先の企業からも高い評価。食の安全への取組みPRにも

「包装工場の新設時には、発注元の企業をはじめ、多くの取引先企業の監査を受け、いずれも高い評価を得ることができました。中には『自社の模範としたい』と言っていただいたところもありました」(赤木氏)

太田油脂では、取引先だけでなく地元の小学校など一般消費者の工場見学も受け入れています。食堂にライブカメラの映像が見られる大型モニタを設置したことで、見学者の立入りが困難な製造現場の様子を見てもらえるようになり、「食の安全・安心」への取組みのPRにもつながっています。

今後、同社では今回導入した仕組みをベースに様々なビジョンを描いています。

「例えば、入退室管理システムを人事システムと連動させて労務管理に活用したり、従業員の現場への入退室状況から厳密な作業工数を割り出したりして、原価の算出や生産性の評価に利用するなど、生産管理面に役立てることもできるでしょう。また、現在誰がどの現場にいるかが正確に分かるので、万一の災害時の安否確認にも活かせるなど、アイデア次第で大きな可能性があると考えています」(太田謙次氏)

「食品業界だけでなく多様な業種において、セキュリティ対策を支援しているアズビルには、実績に基づく知見やグローバルな視点を踏まえた積極的な提案を今後も期待しています」(太田健介氏)

※savic、ssEZは、アズビル株式会社の商標です。
※FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
※FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。

用語解説

※1 フードディフェンス

食品への意図的な異物の混入を防止する取組み。

※2 FeliCa(フェリカ)

非接触型ICカードの技術方式の一つ。鉄道をはじめとする交通機関のプリペイド型電子マネーカードやセキュリティ用認証カードなど、幅広い領域で活用されている。

※3 アンチパスバック制御

入場口で正しくICカードによる認証が行われなかった場合に、出口でカードリーダによる解錠をできなくする制御。カード1枚の認証で複数人が入退場する「共連れ」防止に役立つ。

 

お客さま紹介

太田油脂株式会社 代表取締役社長 太田 健介 氏
太田油脂株式会社
代表取締役社長
太田 健介 氏
太田油脂株式会社 常務取締役 技術本部長 中井 淳 氏
太田油脂株式会社
常務取締役
技術本部長
中井 淳 氏
太田油脂株式会社
生産技術部
部長
杉山 雅彦 氏
太田油脂株式会社 総務部 課長 太田 謙次 氏
太田油脂株式会社
総務部
課長
太田 謙次 氏
太田油脂株式会社 岡崎工場 製造第1グループ 包装担当 統括課長 赤木 義高 氏
太田油脂株式会社
岡崎工場
製造第1グループ
包装担当
統括課長
赤木 義高 氏

太田油脂株式会社

太田油脂株式会社

  • 所在地/愛知県岡崎市福岡町字下荒追28
  • 設立/1947年4月
  • 事業内容/コーン油、えごま油、風味油など食用油の製造・販売

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2015 Vol.5(2015年10月発行)に掲載されたものです。

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