トップインタビュー
“商いの創造(事業構造の変革)”で国内・海外ともに
事業を拡大してまいります。」
株主の皆さまには、平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当上半期におけるわが国の経済は、東日本大震災により大きな影響を受けましたが、輸出や生産活動が回復傾向で推移するなど、持ち直しの動きが見られました。しかし、急激な円高や海外経済の減速による輸出型産業への影響などで先行きは不透明な状況が続いております。海外経済におきましても、中国を中心としたアジア地域で回復傾向が続いたものの、欧州の金融不安や米国経済の減速などを受けて景気回復のテンポは緩やかなものとなっております。
こうした経済環境の中、当azbil(アズビル)グループを取り巻く事業環境は、地域や産業によって減速感がみられるようになっているものの、総じて堅調に推移いたしました。ビルディングオートメーション(BA)事業は計画通りの着実な進捗となりました。一方で、アドバンスオートメーション(AA)事業は計画を大きく上回る成長を達成することができました。また、期初に懸念された東日本大震災および福島第一原子力発電所事故のライフオートメーション(LA)事業への影響は、対応策を着実に実践した結果、想定よりも軽微にとどめることができました。
こうした結果、当上半期の売上高は、1,032億5千3百万円と前年同期に比べて、4.0%の増収となりました。また、損益面におきましては、引き続き事業体質の強化および経費の効率的な使用や抑制に努めた結果、営業利益は47億6百万円(前年同期比24.1%増)、経常利益は46億7千万円(前年同期比27.5%増)、四半期純利益は24億4千7百万円(前年同期比90.5%増)を達成することができました。
azbilグループの中期計画「発展期(2010年度~2013年度)」の2年目に入り、事業環境は不透明感を増していますが、「発展期」の重点取組み施策である「商いの創造」は、基本方針にしたがって着実に進んでいます。今後も「商いの創造」、すなわち事業構造の変革を実行・実践し、市場環境の変化に柔軟に対応できる企業グループへと進化していきます。
これらの取組みの成果として、BA事業では、公共サービスの市場化テスト※1において大規模物件を受注いたしました。このように、公共サービスの民間委託への動きを的確に捉えた事業拡大を行う一方、世界最高水準の次世代環境都市実現に向けてリーディング企業が参集する「スマートシティプロジェクト」へ参加し、将来に向けた布石も打っています。このプロジェクトへの参加により、地域全体のエネルギー最適制御、環境共生の実現に向けた先端技術やノウハウの取得を目指します。
AA事業では、例えば、日本が誇る高機能素材・部品などの分野で、高度な制御が求められており、今後市場の拡大が国内においても見込まれます。このようなニーズへの対応として、制御高度化ソリューションSORTiA(ソーティア)シリーズや汎用アンプ内蔵形光電センサHP7(セブン)シリーズなど、生産現場の様々な変化・ニーズに対応した高付加価値製品の開発および市場投入を進めています。
LA事業では、ソフトバンクモバイル株式会社の携帯端末を利用し、共同開発した新たな自治体向け緊急通報サービス「ナースホン-あんしんペンダント」の提供を開始しました。必要に応じて他社との提携も行いながら、より顧客ニーズにマッチした付加価値の高いサービスの提供※2を目指していきます。また、住宅用全館空調システム市場においても、本年8月に国内最大規模の住宅展示場内にショールーム「プラッツきくばり」をオープンするなど、積極的な営業施策を展開しています。
海外展開に関しましても、単なる製品単体の流通を通しての販売ではなく、各エリアの特性、事業環境の変化にあわせたソリューション型の商品、サービスの提供を進めています。台湾では、株式会社金門製作所の家庭用マイコン機能付ガスメータ※3の現地生産・販売を開始しますが、これは同地でのガス供給インフラの安全性向上を目的とした法改正に対応した取組みです。この他顧客ニーズに応える機能強化の例としては、米国現地法人のデザインセンター機能の強化や流量校正設備の設置による中国での生産機能の強化、タイやシンガポールにおけるバルブメンテナンスセンターの体制強化などが挙げられます。また、国内で蓄積した実績、ノウハウを基とするソリューション力でシンガポールにおける地域冷房プラント※4で大きなシェアを獲得するまでに至っています。
azbilグループは、当上半期におきまして、期初予想および7月29日に発表した修正予想も上回る業績をあげることができました。円高、欧州債務危機や海外経済活動減速の懸念などにより下期の事業環境は極めて不透明ではありますが、現時点で入手可能な各種の情報を基に、2012年3月期連結業績予想を、売上高で本年5月10日公表の期初予想比20億円(0.9%)増の2,220億円、営業利益は10億円(7.7%)増の140億円、経常利益は8億円(6.2%)増の138億円、当期純利益は5億円(6.8%)増の78億円といたしました。
また、配当につきましては、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けた利益配分に関する基本方針に基づき、1株当たり31.5円の中間配当を実施いたしました。期末配当につきましても、期初の公表予想通り1株当たり31.5円、年間では1株当たり63円の配当予想とさせていただきます。
2012年4月1日、株式会社 山武をはじめとするグループ会社は、社名を「アズビル」を冠した名称に変更いたしました。azbil(アズビル)グループならではの価値を特徴とする「商いの創造」を推し進め、azbilといえば、「人を中心としたオートメーション」で人々の「安心、快適、達成感」を実現するとともに、地球環境に貢献する企業グループと思っていただけるよう、努力を続けてまいります。今後のazbilグループの活躍に、どうぞご期待ください。
| ※1 | 従来「官」が担ってきた公共サービスを民間にも開放した官民競争入札制度。 |
| ※2 | azbilグループで緊急通報事業を展開する安全センター株式会社と、介護支援事業を展開する山武ケアネット株式会社は、それぞれの持つ緊急通報・看護と介護の技術やノウハウを融合、最大限に活用したazbilグループならではのサービスを提供するため2012年4月1日をもって経営統合し、「アズビルあんしんケアサポート株式会社」となります。 |
| ※3 | マイコン、遮断弁、圧力センサ、流量センサを内蔵し、ガスの使用状態の異常や外部機器からの信号により警報表示またガスを遮断する安全機能付ガスメータ。 |
| ※4 | 一定地域内の建物群に集中管理された熱供給設備(プラント)から冷水を地下の地域導管を通して供給し、建物内の冷房を行う仕組み。供給先のビル側で熱源設備を持つ必要が無く、省エネルギーや環境負荷低減に効果が期待できる。日本のように冷房の他、暖房などを行う場合は地域冷暖房(DHC: District Heating and Cooling)と呼ばれる。 |
※『2012年3月期 上半期事業報告書』のインタビュー記事を掲載しています。
アズビル株式会社
![]()