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松菱金属工業株式会社

蒸気やオーバーフロー水を回収、廃熱の有効利用で省エネルギーを図る

更新に合わせて工場内に分散して設置されていたコンプレッサを1カ所に集中設置した。老朽化を待たずに積極的に更新したことで、ランニングコストの早期削減も可能となった。

更新に合わせて工場内に分散して設置されていたコンプレッサを1カ所に集中設置した。老朽化を待たずに積極的に更新したことで、ランニングコストの早期削減も可能となった。

そこで松菱金属工業は、新たな省エネ施策の可能性を探るべく、それまで一貫して同社の省エネ活動を支援してきたアズビル株式会社に相談しました。これに対しアズビルから提案されたのが、第二工場にある被膜設備の廃熱を利用してエネルギーの削減を図ることでした。

「これまでの省エネ施策は、機器更新による対策が主でしたが、アズビルの提案は生産工程に踏み込んだものでした。その説明には十分な説得力があり、確実な省エネ効果を期待できるものと確信しました」(高橋氏)

「各加工工程で用いる圧縮空気をつくり出すコンプレッサについても、高効率化を同時に提案してくれました。コンプレッサは耐久年数から考えると、まだ更新の時期ではありませんでしたが、最新機種に更新することで省エネルギーを実現し、CO2排出量を削減できることが分かりました。また、一連の施策と併せて実施することでエネルギー使用合理化事業者支援事業※4に採択される可能性が高まるとアズビルからアドバイスもありました」(森本氏)

アズビルの提案を採用した同社は、2012年9月にエネルギー使用合理化事業者支援事業の採択を受けました。更新作業は夜中の3時からの4時間という工場が稼働していない時間帯や土日を使って行い、同年12月に工事が完了。2013年1月から新システムの稼働を開始しました。

被膜設備とは、製品を出荷直前に洗浄し、出荷先で同社の顧客企業がプレス加工しやすいように、表面に潤滑被膜をコーティングする設備です。希硫酸、水、被膜液で満たされた大型の洗浄槽の中を、製品が通過することで処理が行われます。このとき、槽内の各液体は60~90℃に保たれていなければなりません。そこで、槽内には配管をめぐらせて、その中にボイラでつくった蒸気を常に流し槽内の液体と熱交換することで、温度を維持するようにしています。

「以前は、配管を通過した蒸気のドレンはすべて下水として処理していました。それを、アズビルの提案により、ドレンを回収し、再び蒸気送出のプロセスに回すという仕組みに変えました。ドレンが持つ余熱を再利用することで、ボイラの稼働負荷を低減できるわけです」(高橋氏)

同様にこれまで下水として処理されていた、洗浄槽からオーバーフローした温水についても、再度くみ上げて浄化処理を行ったあと、槽内に戻す仕組みを実現。温水の熱を効果的に再利用するようにしました。

さらに同社では、高効率タイプに更新したコンプレッサの稼働状況や、被膜設備での熱回収の状況をモニタリングするため、簡易監視システムSmartScreen™も併せて導入しました。

オーバーフロー水の浄化設備。洗浄槽からオーバーフローした温水は凝縮沈殿槽、pH調整、砂ろ過などの設備を経由して再び洗浄槽に戻される。

オーバーフロー水の浄化設備。洗浄槽からオーバーフローした温水は凝縮沈殿槽、pH調整、砂ろ過などの設備を経由して再び洗浄槽に戻される。

洗浄槽からオーバーフローした温水をくみ上げるためのパワートラップ。被膜工程で利用されている蒸気の一部によって駆動するため、防爆処理や電気式のような配線が不要であるなどのメリットをもたらしている。

洗浄槽からオーバーフローした温水をくみ上げるためのパワートラップ。被膜工程で利用されている蒸気の一部によって駆動するため、防爆処理や電気式のような配線が不要であるなどのメリットをもたらしている。

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2014 Vol.3(2014年06月発行)に掲載されたものです。