進む熟練エンジニアの現役引退。 経験値への依存から脱却したい…

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経験値やノウハウを診断データで裏付け!

製造業でのDXを活用したバルブ保全業務の最適化とは?

本事例の企業様

業種 石油化学素材メーカーF社
部署 保全部

本事例のキーワード

#製造業のDX  #保全業務  #異常予知  #安定操業

背景

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化学系素材の分野で高いシェアを誇っているF社。
世界中からオーダーが寄せられるなか、何度も増産計画を見直しつつ要望に応えてきた。

ところが熟練エンジニアの現役引退が進むなかで、若手エンジニアへの保全技能継承に関して、ある懸念事項が浮き彫りとなった。

課題

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経験値は数値化・言語化することが難しく属人化。若手への技能継承が大きな課題。

保全部が懸念していたのは、バルブの保全業務や異常判断について、熟練エンジニアの経験値に依存しすぎていたことでした。現在も数年ごとの整備周期に従って、バルブの開放点検を実施していますが、それも遠い過去にエンジニア達の経験値をもとに決めた周期です。現時点ではその根拠も不明瞭でした。

保全部のH氏はこう振り返ります。

「開放点検の際には、バルブの中の状態を目視で確認・把握し、写真撮影によって劣化や損傷傾向を蓄積するなどの方法をとっていました。しかし、写真という“点”だけの情報では、人によって判断基準も異なります。また、そのような情報だけで若手が保全業務、例えば整備周期を変更するような判断も難しいものでした」

装置運転中にバルブに異常が発生した場合は、その異常はプロセスに影響を及ぼして初めて顕在化します。それから原因を探し始め、最終的にバルブが原因であると判断されることが多くありました。このようなトラブルシューティングを多数経験することで経験値やノウハウが蓄積されるのですが、経験できる機会は非常に少ないものです。

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「経験値やノウハウは数値化、言語化することが難しく、属人化しています。若手への技能継承が大きな課題となっている一方で、ここ数年、石油・化学業界と言った製造業においてもDX化は避けては通れない課題でした」(H氏)

F社内でもDX化促進が叫ばれており、保全部としてもDXを活用したバルブ保全業務の最適化、そして新しい価値を創造していきたい思いがありました。

しかし、具体的でわかりやすく、使い勝手の良い製造業向けDXツールや、それらの提案はなかなかありません。探しても適切なものは見つからないまま、熟練エンジニアたちの引退日はどんどん迫っていました。

課題のポイント

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  • バルブの保全業務や異常判断について、熟練エンジニアの経験値に依存しすぎていた
  • 開放点検の際、写真という“点”だけの情報では人によって判断基準が異なってしまう
  • 石油・化学業界と言った製造業において、若手への技能継承、DX化が大きな課題だった

解決のポイント

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  • 誰もが診断データと言う共通の判断基準でバルブの保全方法を判断できるようになった
  • 経験値+データで、大事な技能を後世に引き継ぐことが可能になった
  • アズビルの手厚いサポートにより他工場への展開およびDX化促進が可能になった

解決

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“点”の情報に“線”の情報を付加! 経験値+データで、大事な技能を後世に引き継ぐ

課題解決に向けて情報収集を進めるなか、H氏はWeb検索でアズビルのバルブ解析診断サービス(Dx Valve Cloud Service)の情報を見つけました。アズビルのDx Valve Cloud Serviceはクラウド型バルブ解析診断サービスで、クラウド上のWebコンテンツでバルブの健全性を確認・管理できるツールです。以前にこのサービスの活用事例が参考資料として社内で回覧があったことを思い出したH氏は、早速営業担当へ問い合わせました。

詳細を確認したところ、アズビルのDx Valve Cloud Serviceは毎週解析されたバルブの診断結果をクラウド上で常に確認ができて、最新のバルブ解析診断結果を根拠とした保全計画の立案が可能になることがわかりました。また、ツールの提供だけでなく、診断データの活用についてもサポートしてくれるそうです。

社内でも検討を重ね、上層部の了解も得られたため、F社はアズビルのDx Valve Cloud Service導入を決定しました。早速アズビルにサポートを依頼してみたところ、サポート体制が手厚く、診断データから異常を示したバルブへの対策まで助言してもらうことができました。

「これまでの“点”の情報に、連続的な診断データという“線”の情報が付加されました。この結果、経験値やノウハウだけに頼るのではなく、誰もが共通の基準でバルブの保全方法を判断できるようになりました」(H氏)

H氏は続けます。

「蓄積した経験値やノウハウを診断データで裏付けることが可能になったことは、保全技能伝承にも有効なサービスであると言えます。経験値+データで、大事な技能を後世に引き継ぐことができるようになり一安心です」

安定的かつ確実な保全業務が可能になったF社はアズビルに協力を仰ぎ、他工場への展開およびDX化をさらに促進していきます。

この課題を解決したサービス

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クラウド型バルブ解析診断サービス
Dx Valve Cloud Service

Dx Valve Cloud Serviceは、調節弁メンテナンスサポートシステム PLUG-IN Valstaff(以下Valstaff)で収集したバルブの稼働データをクラウド上に自動送信・解析を実施し、バルブ解析診断結果をクラウド上のWEBコンテンツで提供するサービスです。

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