
ゆるくつながる、未来の職場へ
パンデミック以降、職場での雑談や偶発的な出会いが減り、孤独を感じる社員が増えています。そんな中、部門や立場を超えて“ゆるくつながる”ための偶発的な出会いを生み出すアプリを開発しました。社内での実証実験を経て、今回の万博でその成果と可能性を発信いたします。
「コミュニケーション活性化アプリ」とは
「コミュニケーション活性化アプリ」は、共通の趣味や関心をもつ社員同士をマッチングし、一緒にゆるい雑談相手を探すことができるアプリです。
使い方はとても簡単。

アプリを開くと、あなたと共通点のある社員がニックネームで表示されるので、相手と誘いたい時間帯を選んで 気軽にメッセージを送信。(ニックネームで表示されるので、アプリで選択した時点では相手が誰だかわかりません)

実際に会って話すことで、部門を超えた“ゆるいつながり”を育てます。

社内での試用期間中(2024年11月~2025年1月)には約300名が利用し、270組以上のマッチングが成立しました。
アプリ開発の背景
「せっかくiPhoneが社内で導入されたのだから、社内の多くの人が楽しめるアプリを作りたい」。
2023年12月に、私たちの会社で社内スマートフォン(iPhone)が導入されたことをきっかけに、部門を超えて共創活動をしていたメンバー同士で何かできないか、という話が持ち上がりました。もともといろんな人とつながりたいという意識を持っていたメンバーは、部署を越えた強制力のない、ゆるやかな関係性を広げていくことで、交流や相互理解を促し、より働きやすい職場環境が生まれるのでは、と構想を広げていきました。そして、アプリを通してゆるい関係性の者同士がつながることができれば、そこからコミュニケーションの活性化につなげられるかもしれない、という思いでアプリの開発が進められ、2024年11月にマッチングアプリ「コミュニケーション活性化アプリ」の試用が開始されました。
「つよいつながり」だけでなく、
「ゆるいつながり」を

私たちの活動は、部署を越えて「雑談ができる関係性の仲間」を増やすこと。それは、つよいつながりだけでなく、弱いつながりを増やすことを大切にした関係づくりです。ただし、私たちは「弱いつながり」ではなく、あえて「ゆるいつながり」という言葉を使っています。「弱いつながり(weak ties)」は社会学で有益な関係性として知られる言葉ですが、「弱い」という表現には、どこか脆さや機能的な印象がつきまといます。そこで私たちが選んだ「ゆるい」という言葉には、気軽にかかわれる雰囲気や、心理的にやさしい関係性、という意味を込めています。柔らかく、親しみやすく、共感を呼ぶ言葉として、人と人が自然につながるきっかけになると考えています。こうしたゆるいつながりが、社内に安心感や帰属感を育み、幸福感(Well-being)につながると私たちは信じています。
ゆるいつながりを、
社会に広げたい
社内での反響は上々でしたが、「社外の人たちがどう感じるのか」「このようなゆるくつながる活動に共感してもらえるのか」「社外の人たちは何を目指し、どういう活動をしているのか」を知りたいという想いが強まりました。もともとは万博で発表を行うプロジェクトメンバではなかったコミュニケーション活性化アプリチームのメンバですが、共創チャレンジに手を挙げれば出られるかもしれないという話を聞き、「自分たちの取組みが、ほかの企業や社会にとってもヒントになるかもしれない」そんな期待と好奇心から、大阪・関西万博への参加を決意しました。
組織に所属するということは、会社の組織だけではなく、学校のクラスや部活なども同様です。必ずしも、自分が所属する組織の中で友だちを作らなければならないわけではありません。むしろ、組織の外にもつながりを広げていくという考え方を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。自分たちの活動が、皆さんの刺激となって「自分たちにもできるかも」と思ってもらえたらうれしいです。
わたしたちの発表が、誰かの一歩を踏み出すきっかけとなり、世界のどこかで「ゆるい」つながりが生まれることを願っています。
会場案内
≪発表・展示情報≫
日時:2025年7月1日(火)
<発表>13:00 ~ 13:30
<展示>10:00 ~ 21:00
入場方法:事前予約は必要ありません
会場:大阪・関西万博会場 TEAM EXPO パビリオン