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豆知識
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テニスボールの大きさが決まった理由とは

テニスボールの大きさは、国際テニス連盟(ITF)によって直径6.54~6.86cm、重量56.0~59.4gと規定されています。しかし、テニスの歴史をたどると、もともとはボールの大きさに統一規格がなく、時代や地域ごとに異なる大きさのボールが使われていたことが分かっています。
では、なぜ現在のように厳密に決められるようになったのでしょうか?

テニスの起源は諸説ありますが、12世紀ごろのフランスで貴族たちが手のひらを使ってボールを打ち合う 「ジュ・ド・ポーム」 という遊びにあるといわれています。
当時のボールは、動物の革の袋に毛や布を詰めたものなど、素材や大きさが統一されておらず、ボールによって弾み方が違い、プレーのしやすさにも大きな影響を与えていました。
19世紀に入ると、産業革命の中でゴム製のボールが登場し、テニスは現在の形に近い 「ローンテニス」 として発展しました。この時代でもボールの大きさには統一規格がなく、メーカーごとに異なる大きさのボールが製造されていました。大会ごとに使用するボールが異なっていたため、公平性という面で課題がありました。
こうした問題を解決するため、1920年代にITFがボールの規格を統一し、すべての公式大会で同じ規格に基づいたボールを使用するルールを設けました。
これにより、どの大会に出場してもプレー環境が一定になり、選手たちは不公平を感じることなく競技に集中できるようになりました。
つまり、現在のテニスボールの大きさが統一された背景には、競技の公平性と一貫性を確保するための歴史があったのです。