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豆知識

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ジャイロ・加速度センサ

ジャイロ・加速度センサ

私たちの身の回りには、人や物の動きを検知する技術が数多く使われています。例えば、スマートフォンを傾けたときの画面表示の縦・横の切り替え、歩数計によるウォーキングの記録、VRでの頭や体の動きに合わせた映像の変化などです。さらに、ドローンの姿勢制御やゲーム機のコントローラの操作などにも、この技術が活用されています。

こうした機能を支えているのが「ジャイロセンサ」と「加速度センサ」です。回転や向きの変化を捉えるのがジャイロセンサ、直線的な動きを捉えるのが加速度センサです。どちらも「動き」を検出するためのセンサですが、測定している内容は異なります。

ジャイロセンサは角速度を測定するセンサです。角速度とは、物体がどれくらいの速さで回転しているかを示します。ジャイロセンサには、機械式、流体式、光学式など様々な種類があります。スマートフォンに内蔵されているMEMS*1型ジャイロセンサの多くは振動型ジャイロセンサで、コリオリ力*2を利用して角速度を測定しています。

コリオリ力の測定は下記の図のような仕組みで行われます。内部で微小な構造体を一定方向に振動(青矢印)させています。そこにセンサ自体の回転(黄色矢印)が加わると、振動している動きに対し横方向にコリオリ力(緑矢印)が発生し、この力の変化を検出することで角速度を測定しています。実際のスマートフォンでは、三軸構成のジャイロセンサを用いることで、端末の前後・左右・回転方向(向きの変化)の動きを詳細に把握することができます。

コリオリ力を利用した振動型ジャイロセンサの検出の仕組み コリオリ力を利用した振動型ジャイロセンサの検出の仕組み

一方、加速度センサは、物体に加わる加速度を測定するセンサです。加速度とは、物体の速度がどれくらいの速さで変化するのかを表すもので、静止している状態でも重力加速度を検出できます。

現在主流となっているMEMS型加速度センサは、スマートフォンなどに広く搭載されており、非常に微小な構造物の変位を電気信号として読み取ることで加速度を算出しています(変位の大きさから加速度を算出しています)。X軸・Y軸・Z軸の三方向の加速度を測定することで、物体がどの方向にどの程度直線的に動いたかを把握できます。

MEMS型加速度センサによる三軸加速度の検出の仕組み MEMS型加速度センサによる三軸加速度の検出の仕組み

この二つのセンサは単独でも使われますが、多くの場合は組み合わせて利用されます。ジャイロセンサは回転を高精度に測定できますが直線的な動きは検出できず、加速度センサはその逆に、直線的な動きは測定できますが回転を検出することはできないなど、それぞれに得意・不得意があります。

そのため、現代の電子機器では両者のデータを統合することで、より安定かつ正確に物体の姿勢や動きを把握しています。この仕組みはセンサフュージョン*3と呼ばれ、私たちの日常生活を支える重要な技術となっています。

  • *1:MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
    微小な電気要素と機械要素を一つのチップに組み込んだ、センサをはじめとする各種デバイス/システム。
  • *2:コリオリ力
    回転している物体の中を動くものに対して、進行方向と直角方向に生じる見かけの力。例えば、回転するメリーゴーランドの上でボールをまっすぐ投げても、横に曲がったように見える現象もその一例。
  • *3:センサフュージョン
    複数の異なるセンサが出力するデータを組み合わせ、単一センサだけでは得られない情報を抽出する技術。
(監修:東京理科大学 創域理工学部 嘱託教授 野口 昭治 氏)

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