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前中期経営計画で築いた基盤をベースに
収益力の強化に向けた取組みをさらに加速

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事業基盤の強化とシン・オートメーションの創造を軸に次の成長ステージへ

2025年5月、azbilグループでは2025~2027年度の3カ年を対象とした、新たな中期経営計画を発表しました。それに先立つ2025年4月付で、五十嵐貴志がアドバンスオートメーションカンパニーの社長に就任。新カンパニー社長の指揮の下、前中期経営計画で築いた基盤をベースに、新たなビジネス価値の創造に向けた取組みを推進しています。

変化する事業環境下で、基盤強化に向けた変革を推進

アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーでは、工場やプラントといった製造現場に欠かせないオートメーション技術にかかわる計測・制御の領域で、高機能センサ、調節弁などの機器や、DCS*1をはじめとする開発・製造・販売を行っています。さらに、エンジニアリングやソリューションサービス、コンサルティング、保守に至るまでを幅広く提供し、現場経験が豊富なプロフェッショナルの技術と知見を活かした包括的なソリューションにより、お客さまの生産活動に新たな価値を創出しています。

前中期経営計画の対象となる2021~2024年度を振り返ると、地政学リスクの高まりに起因するグローバルサプライチェーンの混乱に加え、最終年度の2024年度には原材料費や物流費をはじめとする物価の上昇にも直面しました。そうした環境下においてもアドバンスオートメーションカンパニーは、収益力の向上を念頭に、事業成長に向けた各種施策を推進しました。海外事業にも力を入れ、特に中国や東アジア市場を中心に新規顧客の開拓などが進んだことに加えて、リピートオーダーが増加したことで大きな伸長を遂げました。

中でも大きな成果となったのが、既存事業を含めた「事業の足腰を強くする基盤」と、新たに掲げた「シン・オートメーション」を強化する取組みです。「事業の足腰を強くする基盤」については、DX*2推進の中で整備した営業支援システム(SFA)を活用した承認プロセスを導入し、様々な記録を残すことで業務の属人化や暗黙知に依存しない仕組みを構築しました。こうした取組みの一環で、今の時代に合っていない契約の見直しや、古い商習慣の整理を継続的に進めており、事業リスクの低減とともに、業務の効率化やコストの削減にもつなげています。

アドバンスオートメーションカンパニー社長 執行役員常務 五十嵐 貴志
アドバンスオートメーション
カンパニー社長
執行役員常務 五十嵐 貴志

シン・オートメーションの技術基盤が整い、新たなビジネスの拡大が見込まれる

前中期経営計画で掲げられた「シン・オートメーション」は、アズビル独自の技術を活かした新製品・サービスを指し、新たな社会課題をオートメーション技術で解決する高収益事業の創造を行っていきます。これについては、三つの領域で創造の取組みが進められ、さらに活動を強化しています。まず一つ目が、アズビルが過去25年にわたり研究を続けてきた、半導体製造プロセスの中で用いられるサファイア隔膜真空計です。真空計内部の高真空状態の基準室と測定室を遮蔽するダイアフラム(隔膜)に人工サファイアを採用し、さらにアズビル独自の高度なMEMS*3技術を組み合わせることで、ダイアフラムのたわみによって超微小な気圧変化を測定できる技術を実現しました。これにより高い測定精度と安定性を実現し、耐久性の面でも優れた効果を発揮しており、米国・日本の大手半導体装置メーカーにも高い評価を得ることができました。既に日本の大手半導体装置メーカーにも採用され、今後は大規模なビジネスへの発展に向けて活動を加速していきます。

サファイア隔膜真空計

二つ目は、石油化学などのプロセスオートメーションの分野で多く利用されているCV(調節弁)トータルソリューションです。これは、プラントの中で重要な機器となる調節弁の詳細な稼働データを高速で収集し、調節弁の状態の監視と診断をクラウドで行う仕組みです。従来の一律サイクルによる定期的な調節弁の開放点検を改め、診断で異常の認められた調節弁のみを適切に選んで、コンディションベースメンテナンス(CBM*4)を実施できます。その結果、正常な調節弁を無駄に開放点検する必要がなくなり、メンテナンスコストの低減につながります。アズビルでは現在1万数千台の調節弁を診断し、診断結果の内容と、実際に開放点検した際の調節弁の状態が合っているかの整合確認を行ってきました。既に両者の整合性が80%以上に達し、十分に実用に堪えるレベルにまで高まっており、これは調節弁メーカーとしてメンテナンスを実施しているアズビルだからこそ行える検証と実績だと自負しています。CVトータルソリューションは、アズビル製だけではなく、あらゆるメーカーの調節弁に対応しているため、今後のさらなるビジネス拡大が見込まれます。

CVトータルソリューション

そして三つ目は、工場運用の自律化を担うオンライン異常予兆検知システム BiG EYES™です。従来、プラントの制御では、温度や圧力、流量などを計測するセンサがあり、その数値がしきい値に基づいて異常と判断された時点でDCSがアラームを発報する仕組みが一般的でした。BiG EYESは、直接制御にかかわるセンサの計測だけではなく、設備、製品品質、環境変数から、設備故障などいつもと異なる動きを予兆の段階で検知するAIを応用したシステムです。今までのプラントは、センサの情報を制御に利用することや故障や危険を検知するために監視することが主流でした。これからはセンサの情報をプラントの設備をいかに長く健康な状態で維持するかに活用することが重要なポイントとなります。プラントの保全の視点から計測ポイントを設定・収集し、AI技術と掛け合わせることで、安全で安心、安定したプラントの稼働と労働力不足に対応していきます。長年にわたってプラントの制御に携わってきたアズビルが、AIを活用することにより、製造現場で確実に機能する自律化システムを提供します。蓄積された経験と知見でお客さまの現場をサポートしていきます。

SXを実現する自律化システム

前中期経営計画で築いた「事業の足腰を強くする基盤」と「シン・オートメーション」をベースに、今後の新中期経営計画では商品力強化による競争優位性の拡大と収益力強化の継続・拡大により、売上と収益率の向上をさらに加速させていきます。

「堅守」「自律」「変化」で新たな組織風土を醸成する

今後のアドバンスオートメーションカンパニーの取組みについては「堅守」「自律」「変化」という三つのキーワードを掲げ変革を進めていく考えです。まず「堅守」は、アズビルがこれまで培ってきた競争力や収益力などの事業性、コンプライアンスやCSR遵守などの基盤維持などを確実に維持していくことです。しっかりとしたルールが定められていても、業務を実践していく上での「緩み」が必ず出てきます。この「緩み」を起こさないようアグレッシブに守る体制を構築していきます。

また、「自律」はアドバンスオートメーションカンパニーの全員が、会社の方向性および関連部門との関係性を理解・共有した上で、各自が主体的に業務改善や変革に取り組み、部門同士が連携して組織全体として一体感を持って機能することです。結果として、個人力、組織力双方が高まります。その基盤となるのが、現場から部課長、経営層に連なる縦のコミュニケーションと、現場同士をつなぐ横のコミュニケーションです。こうした環境づくりのために、新中期経営計画を社内に説明することをはじめ、様々なコミュニケーション醸成施策を実施し、現場が自律的に変革を進めていく土壌をつくっていきます。

そして「変化」は、市場や社会情勢、お客さまの動きを捉え、波に乗り遅れないことが重要だと考えています。例えば、生成AIのような技術も、人より早く取り組めばモチベーションや面白さといったプラスのエネルギーが生まれます。一方で乗り遅れてしまうと、追いつくために大きな労力を要します。だからこそ、社内だけではなく「外に目を向ける」ことを大切にし、市場や競合の動向を常に注視することに加え、変化をいち早く察知して準備体制を整えることが欠かせません。中期経営計画にも掲げられている「進化」と「共創」にもあるように、他社がどんな工夫をしているのか、どういったところでお互いに共有できるのか、糧にすることができるのかを意識しながら進めていきます。

今後もアドバンスオートメーションカンパニーは、中期経営計画に基づく施策を着実に展開し、持続可能な社会に「直列」に繋がる貢献によって、事業のさらなる拡大と、社員・お客さまのWell-beingの実現を目指してまいります。

※BiG EYESは、アズビル株式会社の商標です。

  • *1:DCS(Distributed Control System)
    プラント・工場の製造プロセスや生産設備などを監視・制御するための専用システム。構成する各機器がネットワーク上で機能を分散して持つことで、負荷の分散化が図れ、安全でメンテナンス性に優れている。
  • *2:DX(Digital Transformation)
    進化したデジタル技術を浸透させることにより、人々の生活をより良いものへと変革すること。
  • *3:MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
    微小な電気要素と機械要素を一つのチップに組み込んだ、センサをはじめとする各種デバイス/システム。
  • *4:CBM(Condition Based Maintenance)
    状態基準保全。機器の状態を監視し、劣化兆候を把握することで、状態に応じて保守を実施する保全方法。