デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタル活用による社内変革を、お客様と社会の変革へ「直列」に。
現場で動くDXで、azbilグループならではの価値を創る
執行役員
azbilグループDX推進担当
安田 一彦
デジタル技術の進歩は継続して加速、さらなるオートメーションの進化によりお客様へまだ見ぬ価値を
azbilグループは、事業活動の生産性向上や新たな働き方を創造する「社内DX」と、お客様の生産現場や建物運用、ライフラインに新たな価値を生み出す「商品DX」の両輪でDXを推進しています。デジタル技術の進歩に確実に追随するため、現中期経営計画(2025〜2027年度)では、前中期経営計画比約50億円のDX投資増額を行っています。2025年4月に新設した社長直轄組織「デジタル推進本部」がazbilグループ全体の社内DXを加速させるとともに、そこから得たノウハウとアズビルの強みである計測・制御の知見を商品DXに活かしています。特に、社内では生成AIの全社的な活用が進み、日常業務の高度化と事業継続を確実なものとする熟練技術者の技術継承を実現。商品DXではAI・クラウドを活用した異常予兆検知や最適制御により、お客様設備の安定稼働と省エネルギーに貢献するなど、効率化にとどまらず社内外で新たな付加価値の創造を進めています。
こうした取組みが認められ、アズビルは経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が共同で実施する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2026」の「DX注目企業2026」に選定されました。
社内DXでは、知識継承と自走型組織への変革を推進。
商品DXではAI・クラウド技術でお客様の保全業務や設備運用を変革
社内DXは、業務プロセスを業界標準に合わせて見直す「Fit to Standard」アプローチを拡充し、グローバル横断のガバナンス強化と意思決定の迅速化を進めています。また、生成AIやローコードツールの活用も全社的に浸透し、業務効率化や高度化を実現しています。さらに、生成AIを活用して熟練技術者の暗黙知を形式知化し、知識継承の仕組みづくりを進めています。これらに加え、情報セキュリティリスクへの対策も強化し、企業価値向上と事業の安定運営に取り組んでいます。
一方で体制面では、2026年度に全社のデジタルキーパーソンが集う横断組織「共創グループ」をデジタル推進本部内に新設し、IT部門による支援型から各部門の自走型へと進化させることで、より迅速にDX施策を実行できる組織体制へと変更しました。さらに、社員がデジタル技術を活用し、新たな取組みに挑戦する文化醸成に向けDX人材育成にも注力しています。具体的には、DX人材を「リーダー/専門家/リテラシー」の3層に分類し、役割に応じた教育プログラムを展開しています。
商品DXでは各事業において、顧客価値向上に寄与するサービス開発を進めています。アドバンスオートメーション(AA)分野では、AI・クラウド技術を用いた現場提供型サービスにおいて、導入段階からお客様の保全業務のあり方そのものを変革する段階へと進化しています。AIオンライン異常予兆検知システムBiG EYESTMは、設備保全の効率化・安定操業支援から設備定期修繕後の変化や多品種少量生産への対応等、その利用範囲を拡大しています。バルブ解析診断サービスDx Valve Cloud Serviceは、クラウド上で分析・可視化したバルブ稼働データを提供することで、品質向上・効率化はもとより、時間基準保全から状態基準保全への移行を支援するなど、お客様の保全業務の運用フロー見直しにも貢献しています。
ビルディングオートメーション(BA)分野では、一例としてお客様向けアプリケーションとして遠隔での一元的管理を可能にするビル向けクラウドサービスを提供しています。これにより、各居室内の空調制御状況が遠隔からリアルタイムに確認、操作できるようになり、ビル管理業務の省力化、効率化を実現します。
ライフオートメーション分野では、SMaaSTM(Smart Metering as a Service)によりスマート メーターとクラウドを連携させ、遠隔検針、スマート保安、漏水検知等を実現します。ガス・水道・電力の共同検針により、データ一元化、ビッグデータ活用、災害対応力の強化につながります。安全・安心でスマートな社会インフラ実現に寄与します。
azbilグループのDX事例
フィールドサービスのデジタル変革
~サービス事業の業務フローを丸ごとデジタル化。技術者と顧客を一つの基盤でつなぐ~
アドバンスオートメーションカンパニー
DX推進部
DX推進1グループ
喜多井 剛志
お客様の設備を長期にわたり支えるフィールドサービスは、azbilグループの最も重要な事業の一つとして位置付けられています。計測・制御に関する当社固有の専門知識が求められる一方、熟練技術者の高齢化・退職が進み、技術の継承と後継者育成が喫緊の課題となっています。加えて、人員不足や夜間・休日待機といった労働環境の改善も急務となっています。
こうした課題に対し、技術者の作業効率化と技術継承を進めるべく、AA事業のサービス部門を皮切りに、フィールドサービス業務フローの標準化・デジタル化を進めるDXプロジェクトをスタートしました。その基盤として、グローバルで豊富な導入実績を持つフィールドサービス管理のクラウドシステムを採用しました。まず、社内および協力会社を含めた約300人のサービス技術者が同じ情報基盤にアクセスし、稼働機器情報・作業履歴・保守情報を一元的に扱える環境を構築しました。作業を効率化するとともに、熟練者の技術をシステム上で継承していきます。2026年度には全社データ活用基盤と連携し、お客様ごとの保有機器情報をリアルタイムに把握できるようになる予定です。さらに、コールセンターやお客様向け専用ポータルを順次公開し、将来的には、お客様自身が保有機器情報や対応状況を確認し、日常的な保全の一部を自ら手がけられる新サービスへと進化させる計画です。これにより、迅速な対応と設備の安定稼働を実現し、お客様の資 産価値向上につなげていきます
商品DXで実現する建物運用
~リモートメンテナンスを起点に、データ活用による省エネ化と設備運用の最適化を支援~
クラウドシステム本部
クラウドサービス部
データサービスグループ
田中 洸一
アズビルはBA事業で培った計測・制御技術にクラウドやデータ活用基盤等のデジタル技術を融合し、建物運用に新たな付加価値創出を目指しています。当社は空調制御ベンダーとして、制御アプリケーション製品と各建物での実装を担うエンジニアを提供し、運用開始後の安定稼働とエネルギー消費最適化を追求してきました。アフターサービスを高度化するリモートメンテナンスでは、全国4,300カ所のオフィスビル・工場・商業施設をネットワーク化しています。
現在は、専門エンジニアが個別に行ってきた省エネ余地診断の知見と計装・設備・省エネ技術を融合し、改善余地・効果量の算出、制御チューニングと品質チェック、効果検証までを一気通貫で自動化。快適性と設備安定稼働を両立しつつ、より多くのビルでエネルギー最適化を実現するDXを推進しています。営業・エンジニア・専門支援部隊の連携も20余年で強化し、同水準のサービスを全国で支える人材育成、体制構築、プロセス改革、デジタル化推進を一体で行っていることがアズビルの強みです。これは保守を「守るサービス」から「提案型・伴走型サービス」へ進化させる商品DXの一例です。診断から改善・効果確認までを速く確実に回し、価値実感までのリードタイムを短縮します。
リモートメンテナンスを起点に省エネ化・運用効率化・持続可能性向上に貢献するサービスへ 進化させ、新たな顧客価値を創出します。
