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経営基盤を支え、持続可能な企業の成長を目指す、社会と社員のWell-beingにつながるazbilグループの内部監査

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人を大切にする思想を土台に、経営目標の達成を見据えて取り組む、
国際基準に沿った内部監査

azbilグループは、2030年をゴールとする長期目標の達成に向けて、中期経営計画を策定し持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。その実現には、事業戦略や技術開発だけでなく、ガバナンスやリスク管理が実効性を持って機能していることが欠かせません。企業が円滑に事業を展開し、多様なステークホルダーからの信頼を得るためには、適切な内部監査が重要な役割を果たします。azbilグループでは、独立した部門の立場から経営と現場をつなぎ、経営目標の達成を支える基盤として、内部監査を位置付けてきました。内部監査の国際基準に沿った体制整備と、管理部門との連携によって内部監査で発見された課題・問題を確実に改善するPDCA型の運用を通じた取組みは、社外からも一定の評価を受けています。

グローバル時代に求められる内部監査の在り方

azbilグループは1906年の創業以来、計測と制御の技術を基に事業を展開してきました。現在は、「人を中心としたオートメーション」を掲げ、人々の安心、快適、達成感と地球環境への貢献を目指しています。アズビルでも事業活動や会社運営は、グローバル化の進展やデジタル技術の進化、法規制ならびに社会的要請の高度化などを背景に、複雑な技術・システムによって支えられています。しかしそれらも使いこなす人の判断や行動があってこそ価値を発揮します。意思決定や業務プロセスが健全に機能しているか、内在するリスクが適切に管理され低減されているかを、客観的かつ継続的に確認し、改善につなげる役目を担っているのが内部監査部門です。

内部監査の目的は、単に不正を発見することではありません。経営目標の達成を支えるため、経営トップに代わって全社を俯瞰(ふかん)し、内部統制に関する専門的な知見を基に、ガバナンスやリスクマネジメントが実効的に機能しているかを点検することにあります。

近年、企業が直面するリスクは年々複雑さを増しています。ガバナンスやリスクマネジメント、情報セキュリティ、人権、サステナビリティなど、経営が目を配るべきテーマは多岐にわたります。こうした背景から、内部監査には国際的な基準に基づく独立性と客観性、公平性と透明性、そして高度な専門性が求められるようになりました。

かつて、azbilグループでも内部監査は、ベテラン社員個人の業務経験や知見に依拠した側面もありましたが、現在は、企業価値向上への貢献を掲げ、国際基準に沿った内部監査の高度化を推進しています。

経営トップや取締役会の期待に応じ、社会情勢の変化を踏まえ、かつ、現場で業務執行する部門の組織運営状況や特有の事情を理解した上で、ガバナンス体系や業務プロセスに顕在化しそうなリスクがないかを、データ分析や担当者へのヒアリングを通じて丁寧に見ていきます。もし課題や問題があれば、その根本原因を監査対象部門および管理部門とともに探り出します。内部統制の脆弱(ぜいじゃく)性、各国の法令や文化背景の違い、時に、組織文化に由来することもあり、単に問題だと指摘して改善を要求するのでなく、いかにそれぞれの現場に見合った、現実的で効果的な改善策を提案できるかが、内部監査の要なのです。

内部監査部門には、内部監査人の国際資格であるCIA(Certified Internal Auditor/公認内部監査人)として認定された5人を含む24人(2026年3月現在)が所属しています。ダイバーシティを重視し、エンジニアや経理、システムなど様々な部門出身者で構成され、国内・海外を含むグループ全体の内部監査に携わるとともに、外部研修や意見交換会への参加を通じて最新の事例や法制度を学ぶなど、専門性の向上に努めながら日々研さんに励んでいます。

海外の拠点においても、監査人が実際に現場へ出向いて監査を行っています。※写真はサウジアラビアでの内部監査の様子

海外の拠点においても、監査人が実際に現場へ出向いて監査を行っています。
※写真はサウジアラビアでの内部監査の様子

PDCAを基盤とした、実効性のある仕組みの構築と実践

azbilグループは、2022年に監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行しました。これは欧米で多く採用されているガバナンス体制であり、取締役会の過半数を独立社外取締役が占める透明性の高い経営体制です。指名委員会・報酬委員会・監査委員会の三委員会が設置され、経営の執行と監督を分離する仕組みが整えられています。

こうしたガバナンス体制を実効性のあるものにするため、内部監査部門についても国際的な基準に則り、独立性と客観性を重視した体制が構築されています。社長直轄の組織として運営されると同時に、監査委員会から監査機能上の直接指示を受け、直接報告を行い、監査委員会と内部監査部門が連携した「組織的監査」を推進しています。

コーポレート・ガバナンス体制

一番の特徴は、監査委員会との密な情報共有にあります。月次での報告はもちろん、意見交換を行ったり、追加調査の指示を受けたりします。

内部監査の年間計画を、監査委員会の監査計画と整合を図りながら策定することも特徴の一つです。

内部監査部門では、まず、内部監査の目標や年間計画についてリスク評価を行います。社内で起きている様々な事象を洗い出し、重要リスクは何か、過去にどのような内部指摘があったのか、将来に向けて内在しているリスクはどのようなものが想定されるかなどを掛け合わせた上で、年間の監査目標と計画を策定します。

策定した計画案は、社長や監査委員会の意見も取り入れながらブラッシュアップを重ね、監査委員会で承認と社長の同意を得た上で、最終的に経営会議で決定されます。こうして決定された年間計画に基づき、国内では事業所単位、海外では現地法人単位で内部監査が実施されます。

監査対象領域は、様々な業務プロセスの適切性に加え、情報セキュリティやBCP(事業継続計画)、法令遵守といったリスクに関する内容など、多岐にわたっています。

もっとも、内部監査の計画は固定的なものではありません。年度の途中で新たなリスクが顕在化した場合には、計画の一部を見直し優先度の高い領域について監査を実施します。また、社長や監査委員会から、経営を取り巻く環境の変化が激しい中で新たなリスクに対する監査・調査の指示があった場合には、その都度リスク評価を行い、必要に応じて緊急の監査も行っています。

監査の過程で高リスク要因となり得る課題が確認された場合、現場で改善できるものについては速やかな是正を依頼します。一方、全社的な対応が必要な課題については、総務や人事、法務といった管理部門と連携し、改善に向けた指導および全社的な周知徹底を依頼します。改善に向けた対応を依頼した後も、是正対応状況を確認しフォローアップを行うことも内部監査部門の重要な役割です。

こうした監査結果や対応状況などは、すべて社長および監査委員会に報告書として提出され、経営に共有された上で今後の改善や対応に生かされます。

このように計画・実施・見直し・是正・報告といったPDCAが機能し、経営目標の達成とリスク管理の高度化が実現しています。こうした取組みは、第一ライン(現場で業務執行する部門)・第二ライン(管理部門)・第三ライン(内部監査部門)といった三ラインモデルで実践されています。内部監査部門が第三ラインとして全体を俯瞰し、現場で業務執行する部門や管理部門と連携しながら改善を進めることで、実効性の高いリスク管理体制を構築しています。

内部監査の仕組み 内部監査の仕組み

内部監査の取組みを支える手段として、監査の現場においてもDX化は欠かせず、生成AIの活用も始まっています。これにより、かつては膨大な資料を目視で確認しながら、分析や課題を抽出していた作業が効率化され、情報をより網羅的かつ多角的に把握できるようになりました。その結果、単なる時間短縮だけにとどまらず、分析内容を深掘りしてリスクの根源を探るなど、監査の精度を高めることが可能になっています。さらに、生成AIの視点を加えた議論や検討、報告書のブラッシュアップなど、様々な場面で効果が現れています。

また、不正の発見やリスクを未然に防止する取組みの一つとして、内部監査部門内に全グループ社員およびすべてのステークホルダーの皆さまが通報・相談できる「なんでも相談窓口」を設けています。独立した部門である内部監査部門内に窓口が設置されていることで、社員は通報により不利益を被るなどの心配をすることなく窓口を利用できます。法令違反や人権問題に限らず、個人的な悩みまで幅広く受け付けるこの窓口は、社員が安心して働ける環境づくりに寄与しています。同時に、通報・相談内容から判明した新たなリスクは内部監査部門と適切な形で情報共有され、フォロー監査・確認につなげています。内部監査部門による内部監査を軸に、会社が一体となって内部統制の強化に向き合っている点も、azbilグループの特徴です。

監査にかかわる一人ひとりの想い

現場で業務執行する部門・管理部門・内部監査部門が連携し、監査の結果を改善につなげながらPDCAサイクルを継続的に回し、その取組みはステークホルダーに適切に開示されています。こうしたazbilグループの内部監査部門は外部からも一定の評価を受けています。一般社団法人日本内部監査協会が発表した「内部監査の状況の開示に関する調査結果(2025年)」(第58回内部監査推進全国大会)では、アズビル株式会社の有価証券報告書における情報開示が好事例として取り上げられました。また、2025年1月に改訂版が適用されたグローバル内部監査基準への的確な対応についても、放送大学の授業で紹介されています(放送大学「現代の内部監査~「グローバル内部監査基準」とその概要~」)。

こうした外部からの評価の背景には、監査を通じて課題やリスクに向き合い、社員とともに改善につなげていこうとする姿勢があります。

内部監査は、過去の資料や証跡の確認にとどまらず、組織がより良い状態へ向かうための課題発見と改善支援を行う活動です。企業と社員がこれから先、より良い未来を築いていくために、課題やリスクに対してともに向き合い、改善や未然防止につなげることにあります。azbilグループが目指しているのは、単なるチェック機能にとどまらない、「監査は怖い」といったイメージを払拭した、会社と社員の成長を支え、経営基盤を強化する“未来志向の内部監査”です。

この考えの下、内部監査の高度化に向けた改革を継続的に進めています。独立性や客観性、倫理観、公平性といった内部監査の土台を揺るぎないものにするとともに、データ監査や生成AIなど新たな手法やスキルを積極的に取り入れ、監査の質の向上を図っています。

そして、これらを現場で確実に機能させていくため、監査の運用においても一貫した姿勢を重視しています。組織内の論理や価値観に過度に固執することでリスクを見誤ることがないよう、多様で広い視野と柔軟な発想を持って監査に取り組んでいます。監査対象となる部門の社員の声に耳を傾け、課題が認められた場合には一方的に指摘するのではなく、ともに原因を探索し、寄り添いながら改善につなげていく誠実な姿勢を大切にしています。

人を中心とした事業展開をしてきたazbilグループ。その考え方は、内部監査においても息づいています。国際基準に基づく厳格さと、一人ひとりに寄り添う姿勢を融合した内部監査を通じて、社会と社員のWell-being、そして顧客やステークホルダーからの信頼を支えに、さらなる企業価値の向上を目指していきます。