ビルの機能をコントロールする
自動制御システムの提案を通し、
お客様との信頼関係を積み重ねていく。
技術営業として、オフィスビルや大規模商業施設、工場などに欠かせない自動制御システムをゼネコン様へ提案しています。自動制御システムとは、建物内の空調・電気・セキュリティなど、複数の設備を統合的に管理・制御するシステムです。具体的には、室内の温度や湿度を測るセンサ、空調を調節するバルブ、空調を制御するコントローラ、さらにはこれらの自動制御機器や設備機器からの情報を集約・管理する中央監視装置などで構成されており、これらすべてを総称して自動制御システムと呼んでいます。
私たちの活動は、オフィスビル・工場の新規建設や再開発計画における構想・設計段階から始まります。ゼネコン様の中で建設の構想が始まった段階から、自動制御システムの専門家として共に課題に向き合い、解決策を提案していきます。構想段階における課題はさまざまです。空調の自動制御、セキュリティの厳格化などの実現したい機能をふまえ、省エネルギー、管理の効率化や省力化といった複数の観点から最適な自動制御システムを提案し、最終的に設計図に落とし込みます。こうした活動を通してお客様との信頼関係を積み重ね、大規模な案件や難易度の高い案件こそアズビルに任せたいと思っていただける関係性を構築することが、私たちの重要な役割です。

お客様の頭の中にある理想だけを頼りに、
ひとつずつ機能を定義して設計図に落とし込む。
仕事の始まりは、建築プロジェクトの上流工程です。その段階では、まだ設計図は何もありません。お客様の「こうしたい」、「こんなことを実現したい」という思いを、ゼネコン様の設計担当者と一緒に自動制御図面に落とし込んでいくため、イメージの具現化にはいつも苦労します。新しい建物でどんな機能を実現したいのか。そもそも、思い描いている機能は実現可能なのか。また、工期やコストといった問題もあります。これら複数の事柄を一つひとつ検討し、実現可能な機能を整理して設計図に落とし込んでいくことが私たちの役割です。構想段階から始まり、関わる全員が納得する設計図ができあがるまでに、一年以上という時間をかけることも珍しくありません。
また、この仕事では専門領域である自動制御に関する知識だけではなく、建築に関わる広範囲な知識も求められます。例えば、各部屋の空調のリモコン一つをとってみても、設置可能な場所を把握するには建築設計の知識が必要です。それ以外にも、一つのビルを機能させるためには、空調設備や電気設備、セキュリティ設備など多様な設備が必要となり、これらの知識を網羅しておくことも欠かせません。日々の勉強が必須のために大変さを感じることも多いです。しかし、最終的に満足できる設計図ができあがったときの嬉しさや、数年後にビルとなって街に出現した姿を見たときの充足感など、この仕事でしか得られない喜びがあります。

社内のノウハウを結集してやり遂げた、
ワクチン工場の新建設プロジェクト。
これまでに担当した案件の中でも、思い出に残っている仕事があります。私は、オフィスビルの案件を担当すると同時に、医薬品会社様の工場空調に関わる案件を多く担当(※)しているのですが、その中で、コロナワクチンの生産体制強化のための大規模工場新築プロジェクトに携わったことがありました。社会的にも緊急度の高い案件でありながら、自動制御の設計に使える時間はおよそ2ヵ月間という短納期でした。通常、この規模の工場における自動制御の設計には、約6ヵ月の時間が必要ですから、難易度の高さを感じていました。しかし「社会に必要とされている仕事をやり遂げたい」という使命感が、私の背中を押してくれました。
時間という問題のほかに、技術的な難問もありました。医薬品の製造工場では安全性と安定稼働性が何より重要なため、製造現場の室圧管理に厳格なルールがあります。詳しく説明すると、給気と排気の量を空調や換気設備で管理し、異物混入を防ぐ「陽圧」と有害物質の拡散を防ぐ「陰圧」を要望に合わせて制御する必要があるのです。この制御を実現するためには他社製の制御システムとの連携が不可欠なのですが、私自身、初めて扱うシステムで不安がありました。また、他社製のシステムとアズビルの制御システムをうまく連携させられるのかなど、解決すべき課題が数多く存在していました。
この時に、力になってくれたのが社内の技術者です。該当システムの施工経験者を社内で探したところ、経験豊富な技術者から的確かつ心強いアドバイスをもらうことができ、なんとか設計を終えることができました。私一人の力では何も成し遂げられなかったはずで、アズビルのチームワークを実感できた瞬間でした。
工場の生産設備の計測制御機器・システムに関してはアドバンスオートメーション事業の領域ですが、空調に関しては、工場も建物の一種と捉え、ビルディングオートメーション事業が担当しています。

社内でも数少ない、
工場空調のスペシャリストを目指したい。
将来的には、社内で「この分野は彼に聞けば間違いない」と言われるような、専門知識を豊富に持つスペシャリストとなることを目指しています。具体的には「工場空調」の分野です。ものづくりの現場では、オフィスビルや商業施設といった空間の空調システムとは別の制御が必要になります。私は幸運にも、この分野の経験を積める機会に恵まれています。これまでの経験を踏まえ、社内でも数少ない「工場空調」のスペシャリストを目指したいと思っています。
ただし、技術営業という仕事は、自分の専門分野のほかにも多種多様な知識が必要です。これから先も多くのお客様の課題解決に挑んでいくために、建築に関わるあらゆる情報を網羅し、お客様に納得していただけるソリューションが常に提案できる人材へ成長したいです。
記事及び写真は取材時のものです。