with azbil

azbil MIND

  • NEW

幅広い顧客基盤を持つ「基盤事業」と技術革新や社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪により、持続的な事業拡大を図る

アイキャッチ画像

azbilグループらしい事業モデルの推進と「進化」「共創」による成長で
持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献と、社会全体のWell-beingの実現へ

azbilグループでは、2030年度をゴールとする「長期目標」の達成に向けて、2025~2027年度の3カ年を対象とする「新中期経営計画」を策定しました。azbilグループらしい事業モデルの推進を原動力に、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献を果たしながら、事業環境変化に適応する「進化」と外部パートナーと共に新しい価値を生み出す「共創」によって、さらなる事業成長と企業価値の向上を目指します。

売上拡大と収益性向上を両立し、さらなる成長を目指して「長期目標」を見直し、上方修正

2025年5月、azbilグループでは、2025~2027年度を対象とした新たな中期経営計画を発表しました。本計画では、長年にわたって築いてきた、工場・プラント、商業ビル、ライフラインといった幅広い顧客基盤との強固な関係に支えられた「基盤事業での成長」と、半導体などの技術革新やカーボンニュートラルといった社会課題を新たな事業機会と捉えた「成長事業の確立・拡大」という二つの柱で事業拡大を図り、こうした取組みを「azbilグループらしい事業モデル」と定義しています。

前回の2021~2024年度を対象とした中期経営計画では、コロナ禍という環境の下、事業の継続と働き方改革を両立し、グループ全体で柔軟に対応したことで、利益面では当初の計画を大きく上回る業績を達成しました。最終年度である2024年度は、受注高、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて前年度を上回り、過去最高業績を更新しています。併せて価格転嫁を含む収益力の強化、人的資本投資拡大や商品力の強化、DX*1(デジタルトランスフォーメーション)の推進、さらには調達・生産体制の強化などの多面的な取組みに加えて、スペインのアズビルテルスター有限会社を売却譲渡するなど、事業ポートフォリオ見直しも実行しました。

一方で今後も、顧客ニーズやライフスタイルの変化、生成AIをはじめとする技術革新、地政学的リスクの顕在化に伴うインフレやグローバルサプライチェーンの混乱といった事業環境変化が続くことが予測されます。

取締役 代表執行役社長 山本 清博
取締役
代表執行役社長山本 清博

こうした状況を踏まえて今回の中期経営計画では、さらなる成長に向けて、成長シナリオの再構築や海外事業の成長促進、人的資本強化、商品力の強化、DXの推進、そしてサプライチェーンリスクに強い調達や生産体制の再構築を重点施策として挙げています。

前中期経営計画で掲げた「変革」の取組みを軸に、環境変化に適応すべく自らを創り変える「進化」と、それぞれが持つ強みを活かしつつ、対等な精神で協力し、価値を生み出していく「共創」を通じて、売上拡大と収益性向上の両立を目指し、さらなる事業の成長と企業価値の向上を図ります。これを受けて、2030年度をゴールとする従来の「長期目標」についても見直しました。

新中期経営計画(まとめ) 新中期経営計画(まとめ)

「成長事業⇒基盤事業⇒成長事業」で持続的な成長を図る

azbilグループでは、azbilグループらしい事業モデルとして「成長事業⇒基盤事業⇒成長事業」というサイクルを回すことで、持続的な事業拡大を実現することを基本方針としています。

まず「成長事業」では、半導体やデータセンタなど顧客の技術革新、カーボンニュートラルや労働力不足といった社会課題への対応が求められる市場に対し、最先端の新商品・サービスを投入することで顧客基盤の拡大を図ります。併せて海外市場を含む事業対象地域の拡大や、商品力強化による競争優位性の向上にも取り組むことでグローバルな事業成長を目指します。

例えば、ビルディングオートメーション(BA)事業では、東南アジア等の各国において、経済成長に伴う需要の拡大に加えて、ビルのライフサイクルでの省エネルギー・CO2削減を実現する当社グループならではのビジネスモデルが、海外現地資本ビルオーナーやデータセンタを含むグローバルアカウント顧客からの高い評価を受けて事業が拡大しています。

また、アドバンスオートメーション(AA)事業では、アズビル独自の技術を活かした新製品・サービスを「シン・オートメーション」と名付け、これを軸にグローバルに事業拡大を進めていきます。具体的には、最先端半導体製造装置向けに、MEMS技術を活用し、高精度・高耐久性・高安定性を実現する「サファイア隔膜真空計」や、長年培ってきた自動調節弁(CV:Control Valve)の製造、メンテナンス技術とクラウドを活用した診断サービスなどを統合し、お客さまのプラントの安全で効率的な操業に貢献する「CVトータルソリューション」などを提供します。

一方、基盤事業では、長年にわたり蓄積してきた既存顧客との信頼関係を基に、DXの活用なども取り入れながら、事業の持続性と収益性のさらなる向上を追求していきます。

これらの成長を強化するために、azbilグループでは人的資本、商品力強化、DX推進の三つの重点領域に対して、戦略的な投資を進めています。

まず、人的資本においては、成長事業と基盤事業の拡大に向けて、事業戦略と整合するソリューション人材やグローバル人材の確保・育成を強化しています。具体的には、社員に対する経営戦略に連動したキャリア自律型の育成プログラムの導入や、財務施策・福利厚生施策と連動したインセンティブプランの拡充を図るなど、働きがいと成長実感のある職場づくりを推進しています。

商品力強化に関しては、競争優位性のある商品開発に向け、アズビル独自の計測・制御コア技術やアプリケーション技術の強化に注力しています。例えばクラウドやAIアプリ開発、MEMS*2センシングやアクチュエータ技術にかかわる商品力の強化に取り組んでいます。

そして、DX推進も、事業モデル強化に向けた重要な投資領域であると捉えています。顧客向けのDX関連製品やサービスの開発を進める傍ら、自社業務のDX推進によって業務の効率化を進めることで収益性の向上を目指していきます。特に生成AIや、既存の知見やデータの活用により、生産・開発・サービス・エンジニアリングなどの現場での技術継承や技術革新にも取り組んでいます。

事業モデル強化のための投資 事業モデル強化のための投資

新中期経営計画を着実に推進し、長期目標の達成を目指す

持続的な事業成長の実現に向けては、新たな組織・体制の構築に加えて、資本コストを意識した経営の仕組みづくりや、サステナビリティ経営の実践が不可欠です。コーポレート・ガバナンスの強化も重要課題と位置付け、2022年には、監督機能と執行機能の明確な分離、さらに意思決定の迅速さと透明性を高める目的で、指名委員会等設置会社へ移行しました。今年度からは社外取締役が取締役会議長を務めることになり、より一層のガバナンス強化に取り組んでいます。併せて、当社役員の報酬ポリシーの改善に加え、グループ経営戦略部を新設することにより成長戦略の明確化、事業ポートフォリオの最適化などの取組みを継続的に進めていきます。

また、バランスシートの戦略的な活用による成長投資の推進や、マテリアリティとアズビル独自のSDGs目標に基づく取組み、サプライチェーンリスクに強い調達・生産体制の再構築などに取り組むことで、サステナビリティ経営の実現を目指します。

azbilグループでは、新中期経営計画のテーマである「進化」と「共創」の下、自社単独では解決が難しい課題に対応し、新たな価値の創出によって社会課題の解決につなげていきます。

そして、2030年度を見据えた長期目標に掲げる、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献の実現に向け、事業拡大を継続的に推進し、お客さまを含む社会全体と社員のWell-beingの向上を真摯に追求してまいります。

  • *1:DX(デジタルトランスフォーメーション)
    進化したデジタル技術を浸透させることにより、人々の生活やビジネスモデルをより良いものへと変革すること。
  • *2:MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
    微小な電気要素と機械要素を一つのチップに組み込んだ、センサをはじめとする各種デバイス/システム。