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2012年度の取組み

“見える化”による省エネルギーへの取組み

エネルギーの“見える化”

エネルギーの“見える化”

リアルタイムに省エネ効果を実感、検証
2012年度は、azbilグループでのエネルギーの“見える化”システム導入の推進の一環として、アズビル金門和歌山株式会社においてアズビル株式会社のエネルギー管理システムEneSCOPE™と電力需給最適化支援パッケージENEOPT™persの稼働を開始しました。本格的な省エネルギーに向け、可視化された情報を基にアズビルの技術者と協力して数々の省エネ施策を立案・実施。リアルタイムに効果を確認できることから、施策の検証や軌道修正に役立ち、作業現場に必要とされる温湿度環境や作業者の快適性を損なうことなく省エネルギーを実現することができました。具体的には、出社時の空調機立ち上げ時間のルール化や、検定検査室の空調機稼働スケジュールの見直しなどを行いました。こうした省エネ対策を着実に進めた結果、電力・LPガスの大幅な削減を実現し、CO2排出量は2010年度比で18%削減となりました。今後は熱量需要予測や冷温水温度最適化などアズビルの新たな省エネ技術の導入により、さらなるCO2削減に取り組んでいく計画です。

詳しくは、azbilグループPR誌「azbil」2013年Vol.3をご覧ください。

夏の節電への取組み

azbilグループでは、2012年度の夏の節電への取組みを実績値だけでなく、施策と目標達成に向けたプロセスも含めて事業所ごとに評価し、表彰しました。そのうち特に優秀と認められた2つの事業所の取組みについて、ご紹介します。

地下水をリフロー炉の冷却水として有効活用

地下水をリフロー炉の冷却水として有効活用

生産拠点での取組み
アズビル太信株式会社は、美しい緑と豊かな水に恵まれた北信濃の地にあり、azbilグループの制御機器を中心に電子制御機器の開発・設計・生産を行っています。ここでは敷地から豊富な地下水が湧き出ており、地下水は一年を通して温度が一定で、夏は冷たく冬は温かいのが特徴です。そこで、2012年度は夏は屋根に散水したり、エアコンの代わりに地下水を利用した冷風機を設置したり、はんだを溶かす高温の電気炉(リフロー炉)の冷却に利用するなど、節電に取り組みました。
また、電力ピーク時間帯は窒素発生装置を停止させて液化窒素に切り替える対策や、リフロー炉やはんだ槽の放熱対策、窓に遮光シートを設置する日差し対策などを実施しました。これらの取組みにより、ピーク時の使用電力は2010年度の同時期と比較して20%削減、夏季の電力使用量は同比22%削減となりました。

営業拠点での取組み
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 長野支店諏訪営業所では、所員が電力メーターの値を毎日記録・掲示して、電力使用量を全員で共有する仕組みを構築。所員の節電意識が高まり、不要な照明の間引きやこまめな消灯、エアコン未使用時にブレーカーを落とす、ノー残業デーの推進といった各施策に取り組みました。また諏訪地方は夏でも湿度が低いことから、外気を取り入れて扇風機を使用することを優先し、室温が28℃を超えたらエアコンを使用する運用としました。熱中症計も設置してアラーム時には速やかにエアコンを使用し、健康に留意しながら節電に取り組みました。これらの取組みにより、夏季の電力使用量は、2010年度の同時期と比較して31%削減することができました。

節電と知的生産性の両立に向けた取組み

神奈川県に所在する藤沢テクノセンターは、アズビルの主要事業所です。ここでは節電と知的生産性の両立を目指した省エネ活動に取り組んでいます。

居住者向け節電サイトで情報を共有

居住者向け節電サイトで情報を共有

居住者の満足度を収集し、施策に反映
共用部分の節電対策や「電力デマンド制御」を実施する一方、居住者が室内環境に対する満足度や要望を書き込めるWebサイトを2011年度(2012年3月期)から運用し、リアルタイムに意見を収集・対応しています。得られた意見を反映して、居住者の満足度を向上させるために、2012年度は「卓上小物の使用許可(USB扇風機・タスクライト)」、「遮熱カーテンの設置」、「予冷の緩和」を実施しました。遮熱カーテンは7階建て建物の3階から最上階まで設置し、西日対策として効果がありました。電力ピークシフトのために就業時間前に建物全体をあらかじめ冷房(予冷)する対策は、「涼しくて快適」という意見が半数以上を占めたものの、「寒い」、「時間がたつと寒い」との意見も30%あったため、2012年度は予冷を緩和し、室内環境を改善、電力ピークシフトとのバランスを取りました。

自動化デマンドレスポンス実施(13~16時の3時間)による電力削減効果

自動化デマンドレスポンス実施
(13~16時の3時間)による電力削減効果

自動化デマンドレスポンスの実証実験
新しい取組みとしてBEMS(Building Energy Management System)が導入されて“見える化”が十分進んでいる建物において、自動化デマンドレスポンス※1を一部フロアで一般財団法人 電力中央研究所との共同研究として試験的に実施。将来の一般オフィスビルへの普及を見据え、居住者の知的生産性維持を加味した、実用性のある技術開発を進めています。

※1 デマンドレスポンスは、系統側の電力需給状況(不足・余剰)に応じて、需要家側が電力需要を調整する仕組み。震災以降、全国規模での電力不足が明らかになる中、ピークカットに貢献する仕組みとして注目を浴びています。

設備更新における“見える化”の活用

設備更新時における見える化システムを活用した投資判断事例

設備更新時における見える化システムを活用した投資判断事例

変圧器は24時間365日稼動するため、省エネルギーを検討するにあたり重要なポイントとなります。アモルファスタイプの変圧器は無負荷損失がきわめて低いという特徴があるために、工場などにおいて負荷が低い時間帯における省エネ効果が高いのですが、一般的に初期投資がかかるという難点があります。
2012年夏、省エネルギーの目的でアズビル(株) 湘南工場にある容量の異なる8台の変圧器の更新を検討しました。当初は、8台全てを高効率のアモルファスタイプに更新する予定でした。更新するにあたり、すでに導入されていた見える化システムEneSCOPE™で変圧器のエネルギー使用量及び運転状況を確認したところ、最大負荷が発生している場合であっても、大容量の変圧器4台のみで十分対応できるということが分かりました。そこで、8台全てを更新するのではなく、まずは大容量の4台のみを最高効率のアモルファスタイプ に更新することにしました(STEP1)。削減効果そのものは8台全てを更新した場合に比べると小さくはなりますが、省エネルギーの効果は十分期待できます。投資金額も約半分となり、その結果、初期投資回収年数を短縮することができました。次の取組みとして、残り4台の変圧器の配線を整理して1台に集約し、不要となった3台については順次処分することにしました(STEP2)。それにより、さらなるエネルギー削減につながりました。
設備更新にあたり事前に見える化による検討を行ったことで、無駄な投資を防ぎ、初期投資回収年数の短い効率の良い投資につながり、省エネルギーにも貢献することができました。

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