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脱炭素化への取組み

地球規模での地球温暖化問題は世界共通の重要課題です。お客様や社会のCO2削減に大きく貢献する企業であることを常に意識し、自らの脱炭素化についても、グループ全体で連携しながら積極的に取組んでいます。

また、azbilグループは、パリ協定をはじめとした地球温暖化防止策に関する各種合意に基づく政策を支持しています。

日本政府が脱炭素化の実現に舵を切ったことを支持しており、国の気候変動に関する法規制である省エネ法や温対法を遵守し、 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」「地球温暖化対策の推進に関する法律」を支持し、年1回行政へ、エネルギー使用量、省エネルギー目標の達成状況、エネルギー削減計画、温室効果ガス排出量を報告しています。

企業としての脱炭素化への取組みについては、脱炭素化に向けた移行計画を策定し、取り組んでいます。azbilグループ環境負荷改革担当役員の指揮のもと、各々の大規模事業所に担当役員を配置し、経営と一体となって取組んでいます。事業部門を横断とする環境マネジメントシステムや、地域を超えた海外の主要生産拠点も含めたazbilグループ環境委員会を基軸とした環境管理体制の中で、共通のGHG削減目標(SBT1.5℃目標認定済)達成に向けて、エネルギー削減、再エネ利活用の具体的な目標値を共有し、適宜定期的な会議の場において進捗確認するとともに、統括部門である環境推進部門と各社の環境担当者との間で定期的な進捗ミーティングを個別に実施し、進捗状況をフォローしています。さらに、アズビル株式会社においては、エネルギー管理組織として、同担当役員を長とし各事業所の責任者からなる「環境統括者会議」を年6回実施しています。そこではCO2削減目標と達成計画を作成し、その進捗状況の確認を行い、現場にフィードバックすることで積極的な取組みを促進しています。

主要拠点では自社のエネルギーマネジメントソリューションである「EneSCOPE™」や「ビル向けクラウドシステムEM」などを導入し、電力をはじめとしたエネルギー使用量を「見える化」することによって、生産環境ならびに執務環境のエネルギーの最適化を図り、事業ラインと連携した省エネルギーの取組みを実施しています。

これらの取組みを通じて得られた知見を活かし、お客様や社会における脱炭素化への貢献につなげていきます。

脱炭素化へ向けた長期ビジョン

azbilグループでは、自らの企業活動およびサプライチェーンにおける環境負荷低減を進めるとともに、それらの取組みを通じて得られる技術・ノウハウを活かし、計測と制御の技術を駆使してお客様の環境に関わる課題解決を支援することで、事業を通じた地球環境への貢献を推進しています。

「持続可能な開発目標」(SDGs: Sustainable Development Goals)の採択や「パリ協定」の発効など、世界の潮流を意識して、私たちの環境課題を抽出し、取組みを推進しています。特に、地球温暖化危機への対応は最重要課題と捉え、脱炭素社会を目指します。

2020年より、自らの事業活動に伴うGHGの排出量(スコープ*11+2)を2050年に実質ゼロにする「2050年 温室効果ガス排出削減長期ビジョン」を掲げ、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んできました。2024年、新たな長期ビジョンとして、バリューチェーン全体(スコープ1+2+3)で90%以上削減(2017年度基準)し、残余排出量*2を中和することでネットゼロ達成を目指す目標を設定しました。それに伴い、2030年度のスコープ1+2以外のバリューチェーン全体の間接的なGHG排出量(スコープ3)の削減目標を従来の20%削減から、33%削減(2017年度基準)に引き上げました。この新たな長期ビジョンが、SBTi*3,*4の基準を満たし「SBTネットゼロ認定」を取得しました。

2050年SBTネットゼロ目標達成に向けて、脱炭素移行計画を策定し、すべての新製品でazbilグループ独自のサステナブルな設計の推進やお取引先さまとの協働、事業で培った省エネ技術の自社への適用や再生可能エネルギーの利活用など、具体的な削減の取組みを進めていきます。


当社グループの脱炭素に関する目標

【ネットゼロ目標:2050年まで】(ネットゼロ認定)*5,*6
 ・バリューチェーン全体(スコープ1+2+3)のGHG排出量のネットゼロを達成
※バリューチェーン全体で2017年度比90%以上削減し、残余排出量は中和する

【中期目標:2030年度まで】
 ・事業活動に伴うGHG排出量(スコープ1+2)を55%削減(2017年度基準)*5
 ・スコープ1+2以外のバリューチェーン全体の間接的なGHG排出量(スコープ3)を33%削減(2017年度基準)*6

*1 スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
 スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
 スコープ3:事業者の活動に関連する他社の排出(スコープ1、スコープ2以外の間接排出)
*2残余排出量:自社グループのバリューチェーン内では削減しきれない温室効果ガスの排出量
*3 SBT :産業革命前と比較して気温上昇を2℃より十分に下回る水準に抑え、また1.5℃未満に抑えることを目指す水準と整合した、科学的根拠に基づいて設定した温室効果ガスの排出削減目標
*4 SBTイニシアチブ(SBTi):上記の温室ガス効果ガスの排出削減目標(SBT)を達成するために、2015年にCDP(気候変動対策に関する情報開示を推進する機関投資家の連合体)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)、UNGC((国連グローバル・コンパクト)が共同で設立した団体。日本でのSBT認定取得企業は約1,300社で(2024年10月時点)日本企業の取組みの拡大は世界全体と比較して、より一層加速しています。
*5 スコープ1+2目標設定範囲:アズビル、国内連結子会社および海外主要生産拠点(グループ全体のGHG排出量95%以上に該当)
*6スコープ3目標設定範囲:アズビルおよび連結子会社

脱炭素移行計画

社会全体の脱炭素化への動きを受け、お客様や社会におけるエネルギー課題の解決に貢献するとともに、脱炭素化に向けた移行計画を策定して取り組んでいます。

なお、すべてのCO2排出量(スコープ1+2+3)を対象とした右記の2050年ネットゼロ目標設定について、SBTiにおいて「ネットゼロ目標」として認定されました(2024年10月)。

スコープ1+2については、2030年度の55%削減という目標を2024年度に前倒しで達成したため、2030年度目標を上方修正した新目標をSBTiに申請中です。

azbilグループが目指す独自のカーボンニュートラル実現に向けた取組み・目標設定

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具体施策(スコープ1,2,3)

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スコープ1+2については、長年培ってきた省エネルギーの知見を活かした継続的な活動のなかで、グループ全体で「エネルギーの見える化システム」を積極的に導入し、運用改善と設備改善の2つの側面から省エネルギーに取り組んでいます。事業ラインとも連携した省エネルギーを強化するとともに、積極的に追加性も考慮した再生可能エネルギーを導入し、2050年はすべての使用電力の再生可能エネルギーへの切替えも視野に、さらなる取組みを加速させていきます。

スコープ3については、購入した製品・サービスや販売した製品の使用に伴うCO2排出量削減に向けて、省資源設計、省エネルギー設計も含むサステナブルな設計の取組みを継続・拡大します。将来的に社会全体のカーボンニュートラルを実現するため、脱炭素取組み状況の調査、および具体的な対話を通じたお取引先様の脱炭素化への取組み支援も重要な施策として進めています。2050年に向けて、現行政策をベースとしたシナリオを考慮し、社会全体の脱炭素化の予測も加味しています。

外部評価結果

気候変動への対応に関するazbilグループの取組み状況のCDPへの回答は下記となっています。CDP 2024※1において「B」※2評価を獲得しています。

※1 国際的な非営利団体CDPによる、企業の気候変動リスクに関する情報公開プログラム。対象企業の気候変動に関する取組み状況などを毎年調査し、集計結果を公表するほか、各企業の取組み状況を個別に評価する(Aを最高とする8段階評価)
※2 当社は3年連続でAリストに選定されており、CDP Climate Change 2024のスコア「B」についてはCDPへ異議申し立て(Score Appeal)を行いました。

2024年度の実績

2024年度の自らの事業活動に伴うCO2排出量(スコープ1+2)は1.1万トン(2017年度比56%削減)となり、2030年目標を早期達成しました。

また、サプライチェーン全体でのCO2排出量(スコープ3)は83.0万トン(2017年度比25%削減)と目標達成に向けて順調に推移しています。

自らの事業活動に伴うCO2排出量削減に向け、藤沢テクノセンターの使用電力をオフサイトコーポレート太陽光PPA(Power PurchaseAgreement)サービスを含む100%再生可能エネルギーに切り替えました。グループ全体の電力使用量に占める再生可能エネルギーの比率は、2024年度実績で63%となりました。今後は海外の生産拠点を中心に、太陽光発電設備の導入を積極的に進めていきます。

サプライチェーン全体のCO2排出量削減に向けては、全体の排出量の9割を占める「販売した製品の使用」および「購入した製品・サービス」のCO2排出量削減に向けて、省資源・省エネルギー設計といったサステナブルな設計を推進し、お取引先様との連携も進めます。

温室効果ガス排出量検証報告書

温室効果ガス排出量検証報告書
PDFでご覧いただけます

azbilグループの拠点におけるCO2排出データ

(単位:トンCO2

2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
スコープ1 + 2 19,066 16,552 15,734 11,471
スコープ1 3,880 4,102 4,246 3,954
スコープ2 15,186 12,449 11,488 7,516
スコープ3 847,591 1,020,188 885,902 830,164