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キャリブレーション(校正)

いろいろな業界で異なった意味で使われる「キャリブレーション」。計測器の校正の分野で使われるキャリブレーションとは、計測器において正確性の証明と維持をするため、より安定的な基準となる計測器(標準器)と比較し、その差を明らかにすること。調整(アジャストメント)を含めてキャリブレーションということもある。日本語では「校正」と表現する(訳される)場合が多い。

計測器の「校正」が製品の品質を左右する

ある物の重さを量るとき、計測器が「100g」を表示したらその物が100gだと認識するでしょう。しかし、その計測器が正しい数字を表示できていなかったとしたらどうなるでしょう?日常的な話題の一つとして、一生懸命ダイエットをしているのに、正しく重さを量ることができない体重計だったら、ダイエットの効果をきちんと把握することができないことは誰にでも理解できると思います。

このように計測器の正確さは、ものづくりの現場において特に重要です。製造や加工、保守、メンテナンス、出荷検査など、生産現場では様々なシーンで計測が行われていますが、計測器が正しく測れなければ、製品の品質や安全性を保つことができなくなるからです。

そこで、計測値が正しいことを確かめるために行うのがキャリブレーションで、「校正」と呼ぶのが一般的です。このほか、キャリブレーションという言葉は、ITや金融など多くの業界で異なる意味で使われています。

計測器の正しさを確かめるときには、基準となる上位の「標準器」を用いて比較する必要があります。当然ながら、校正に用いるのは信頼できる高精度な標準器でなければならず、その標準器はさらに高精度な上位標準器で校正されます。そうして、最終的に国家計量標準または国際計量標準へとつながっていくことが「計測のトレーサビリティ」(図)です。このように校正を重ねていくことで、計測器の検査結果の正しさが明らかになります。

高精度化する標準に合わせて校正の精度も向上していく

絶対に狂うことのない計測器があれば校正は不要です。しかし、使い続ければ部品の劣化や摩耗などで、正しい計測を維持することが難しくなります。さらに、それを維持・管理したとしても、正しい使われ方をしなければ、正確に測ることはできません。

だからこそ定期的な校正が不可欠で、計測器ごとに校正周期を定め、定期的に正しく測れることを確認する必要があります。

産業の発展に伴い、計測器も高精度化し、より精度よく測れるようになっています。例えば、長さを測る道具が、竹の物差しから金属製のスケールへとグレードアップしたようなものです。昔は、温度や湿度によって膨張してしまう竹を材料に、墨で太い目盛りが刻まれていましたから、数ミクロン単位の正確さで長さを測ることはできませんでした。現在は、環境の影響を受けにくい素材を使い、より細かく目盛りを刻むことや、デジタル化することにより、数ミクロン単位で測れるようになっています。

校正作業においては、計測器の高精度化や管理だけでは正しく測ることができない場合もあるので、専門の技術者の存在は欠かすことができません。

例えば、測定環境や測定方法によって結果(数値)にズレが出ることもあります。地球上では場所によって重力加速度が異なることから、同じ人が北海道と沖縄で体重を量ったとしても、全く同じ計測値にはなりません(北海道の方が約0.1%重く測定されます)。

このように測定原理を熟知して環境の変化などを考慮しなければ、正しい校正作業を実施することができません。

物理学や数学、統計学の知識を保有し、正確かつ誠実に校正をし続けられる専門の技術者たちがいるからこそ、計測器の正確さは守られているのです。

この記事は2017年10月に掲載されたものです。