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輻射熱(ふくしゃねつ)

温度の高い物体から放出される電磁波を受けて生じる熱のこと。放射熱ともいう。

1億5000万km先から届く、太陽の恵み

日差しが強い夏の日は、太陽の存在をより大きく感じることも多いのではないでしょうか。地球は太陽からたくさんのエネルギーをもらっています。そのエネルギーで地球はいつも暖められており、私たちは活動することができます。しかし、太陽から地球までは約1億5000万kmもの距離があります。いったいどんな仕組みになっているのでしょうか。

物体は温度が高くなると、電磁波を出して周囲に熱を伝えます。この現象を輻射といい、このとき伝わる熱を輻射熱と呼びます。

太陽は表面温度が6000℃もある高温の物体です。そこから可視光線、赤外線、紫外線などの電磁波が含まれる太陽光が放出されています。電磁波は、空間や気体の中を通り抜ける性質があります。そして、その電磁波がほかの物体にぶつかると、その物体が熱を吸収するのです。

温度の高い物体から放出された電磁波は、空気や物体を透過し、ほかの物体に熱を伝えます。つまり、太陽光が地球まで達し、地面や人、建物といった物体にぶつかると、物体そのものを暖める熱に変化するのです。

輻射熱の発生を抑えることで、家の中を快適に

日本には四季に応じた気候の変化があり、輻射熱に影響を与えます。季節や時間によって太陽高度や方位が変わり、暑さ/寒さといった温度の変化が起こります。夏の昼間には、太陽高度が70度程度になり、太陽光が上方からやってきます。

同じ面積で比べると、横からやってくる光よりも、上からやってくる光の方がよく当たります。その分、太陽光を多く受け、生じる輻射熱も大きくなります。それは人にとっても同じことで、夏の日差しは強いと感じるのです。

また、夏には、夜になっても部屋の中の温度が下がらずに、暑さがそのまま残っている場合がよくあります。これにも輻射熱がかかわっています。

建物は、昼間に太陽からの光を受けると、そのときに発生した熱を建物の中にため込み、建物自体の温度が高くなっていきます。すると、今度はその建物自体が電磁波を出すようになります。このため、人が部屋の中にいると壁や家具、床から出る電磁波を直接受けて、より暑く感じてしまうのです。

しかも、電磁波は、空気やガラスなどを透過する性質があるので、太陽光が直接、部屋の床などを暖めてしまいます。これも、部屋が暑くなってしまう原因となるのです。

夏に部屋の中を過ごしやすくするには、太陽光をうまく遮り、輻射熱を発生させないことが大切です。例えば、窓の外にすだれをかけたり、ゴーヤーなどの植物でグリーンカーテンをつくったりすることは、有効な避暑の手段です。

輻射熱を活用した省エネルギーな空調

電磁波は空気を透過し、壁、床、人体などに吸収され暖めます。そのため、空気を暖めたり、冷やしたりするエアコンの空調だけでは、輻射熱の影響を取り除くことができません。この対策として、暖まった物体や空間から電磁波を吸収することで輻射熱を減らすという仕組みなどもあります。これが天井放射パネルです。

冷房のときは、放射パネルを冷やすことで、天井全体が冷えていき、壁、床、人体などの輻射熱を吸収して冷やします。暖房のときは、放射パネルを暖めることで、逆にパネルから電磁波を放出し、輻射熱で部屋の中のものを暖めます。

天井放射パネルを使うことで、室内の冷暖房効果を大きく高めることができます。冷房のときは体感温度が空気の温度よりも低くなる一方、暖房のときは体感温度が高くなります。またオフィスビルでは、空調熱源の排熱や自然エネルギー(雨水、地熱、河川)を天井放射パネルに活用することで、省エネルギーにつながります。最近、オフィスビルを中心に、建物の運用時でエネルギー消費量を限りなくゼロに近くしようとするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)という考え方が注目されています。排熱や自然エネルギーを活用できる天井放射パネルはZEBを実現するアイテムの一つとしても期待されています。


この記事は2016年08月に掲載されたものです。