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サブスクリプション

一定期間ごとに一定の料金を支払い、サービスや製品を利用する権利を取得するビジネスモデル。音楽や動画、ゲームなどのデジタルコンテンツサービスを中心に広がった。略して「サブスク」と呼ばれる。

音楽や動画などのサービスから自動車、洋服まで広がるサブスク

毎月数百円から数千円の利用料金を支払うと、自分のPCやスマホで音楽や動画を楽しめる配信サービス。代表的な音楽配信サービスは世界中に2億人以上のユーザーがいるなど、今や音楽や映像作品の楽しみ方として定着しているようです。

「サブスクリプション」(以下「サブスク」)というビジネスモデルは、これら音楽や動画、ゲームなどのデジタルコンテンツを中心に広がってきました。近年では、自動車やブランドバッグなどの高級品もリーズナブルな価格で気軽に使えるほか、洋服、花、食品など月額制で利用できるサービスが次々と登場。カフェやワークスペースなどの利用についてもサブスクを導入しているケースが増えています。

モノの定額契約ということでは、自動車やオフィス機器などのリース契約とも似ていて、毎月の利用料を払うという意味ではどちらも同じです。ただし、契約期間が決まっているリースに対して、いつでも手軽にサービスの利用を始めたり停止したりできるのがサブスクの良いところです。

このようなサブスクが普及する背景には、「モノからコトへ」という価値観の変化があります。かつてはモノを購入したり所有したりすることがステータスとなる時代がありましたが、若い世代を中心に、モノを買うこと、所有することへの意欲の低下が顕著になってきました。そんな中、登場したのがサブスクです。製品(モノ)を買ってもらうのではなく、「音楽を楽しむ」「ドライブという行動」「流行のファッション」などの“コト”や“体験”を提供しようというのです。

しかも、音楽や動画などのデジタルコンテンツならば、CDやDVDのようにレンタルしたり返却したりする手間がなく、すぐその場で楽しむことができます。自動車やファッションアイテムなどでは、維持管理に関する手間とコストを負担しなくて済むところがサブスクの魅力です。また、購入する前にお試し感覚で利用できる良さがあり、使ってみて本当に気に入ったものだけを買えばいい、エコな取組みとしての見方もできます。

顧客マーケティングなど、提供側にとってのメリットも

ここまで紹介したことは主にユーザーにとってのメリットですが、サービスを提供する側にもメリットがあります。その一つが、サービスの提供を通してユーザーのマーケティングができること。従来の販売形式では、販売後の製品が誰にどのように使われているかを知ることは困難でした。対してサブスクでは、ユーザー層や利用シーン、人気の傾向などを把握しやすく、その傾向に合わせてサービス内容をアップデートできます。

また、ユーザーが継続して利用し続ける限り、次年度に入ってくる利益が見込めるという点も企業にとっては無視できないものでしょう。一社のために時間とお金をかけて作る基幹システムのようなものでは難しいのですが、汎用性の高いITソリューションであれば多くのユーザーに長期間利用してもらうこともできます。世界的に使われているオフィスソフトやクラウドサービスプラットフォームのようにインフラとして定着しているサービスであれば、一度使い始めたら利用をやめることやほかのツールへの変更が難しいため、ユーザー数は増える一方というわけです。

企業間でのサービスでは、「定額制」ではなく利用分に対して対価を支払う「従量制」を採用していることもあります。ドイツのコンプレッサメーカーでは、コンプレッサというマシンに料金を課すのではなく、ユーザー企業が使用した「圧縮した空気」に対して課金するという新しいビジネスモデルで世界的に話題になりました。

モノからコトへ価値観が変化、ものづくりの考え方も変わる

もちろん、サブスクにもデメリットがないわけではありません。サブスクで提供される製品やサービスは、あくまでも提供する側のものであり、ユーザーはそれらを利用する権利を持っているだけですから、提供側の都合で利用できなくなる可能性もあるのです。例えば音楽配信サービスでは、昨日まで普通に聴くことができていたのに、突然あるアーティストの曲だけがすべて聴けなくなる、といったことが実際に起きています。多くのサブスクはネットワークを介してサービスを管理しているという特性を持つため、ネットワークのトラブルによってサービスが停止してしまうというリスクもあります。

そんなリスクがあるとしても、今や業種の枠を超え、工業システムにまで及んでいるサブスクの流れは、今後ますます広がっていくことでしょう。モノを作って売って終わりではなく、継続して利用してもらえるような価値をどうやって提供するか。今までとは違った視点でサービスやものづくりを考えていく必要があるようです。


この記事は2020年12月に掲載されたものです。