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コージェネ/トリジェネ

天然ガスや石油などのエネルギー資源から電気と熱、さらには二酸化炭素という、二つないしは三つのエネルギーを同時に取り出す技術。エネルギーの有効利用に貢献する。

1種類のエネルギーから電気と熱を取り出して利用

限りあるエネルギー資源をいかに有効活用するか――。そうした地球規模の重要課題の解決策の一つとして、広く普及しているのが、コージェネレーション(Cogeneration、コージェネ)という技術です。

私たちの生活を支える電気エネルギーは、火力発電所では天然ガスや石油などの資源を使ってつくられていますが、一次エネルギーと呼ばれる資源がもともと持っているエネルギーに対し、電気として利用できるのは一部となっています。また、電気は長い送電線を通って送られるため、私たちの元に届けられるまでにエネルギーが失われており、発電のために用いられる一次エネルギーのうち、私たちが実際に使えているのは約40%にとどまっています。電気にならなかったエネルギーはどこへ行くのかというと、その多くは熱エネルギーとして消失しているのです。

コージェネは、消失してしまうはずの熱エネルギーを有効活用する仕組みです。エネルギーを消費する場所で発電と熱を供給できるという特長があり、建物の設備として導入されています。コージェネの利用に適している建物は一日を通じて空調や給湯などの熱需要があり、日常的に電気と熱の両方を有効的に活用できる施設です。例えば、24時間利用されている病院やホテルなどが挙げられます。電気と熱の発生原動機には、ディーゼルエンジンやガスタービン、ガスエンジンが用いられ、一次エネルギーに対するエネルギー効率を約75~80%にまで高めることが可能です。

コージェネの歴史は古く、19世紀後半にドイツのボストシュラッセ発電所から市庁舎へ蒸気を供給したのが始まりとされています。その後、特に欧米で様々な関連技術の開発が進んだことを背景に広く普及しました。日本では、第二次オイルショックなどを契機として、1979年から工場などの産業分野で導入され始め、1981年には国立競技場で都市ガスによるコージェネを採用、民生分野でも活用がスタートしました。

現在も、コージェネのさらなる発展に向けた取組みは続いています。コージェネの機器自体の機能・性能を向上させて、さらに発電効率を良くするための開発が進められているほか、コージェネがつくり出す電気や熱のエネルギーを無駄なく利用するための制御や運用方法の研究も日進月歩で進んでいます。

近年、コージェネはエネルギーを安定的に供給する方法としても注目されています。2011年の東日本大震災の発生に起因した電力需要逼迫をきっかけに省エネルギーと電気の安定供給のニーズが高まっています。こうした中で、日ごろから電気と熱を併用できるというコージェネ本来の機能に加え、防災やBCP※1対策に用いて万が一の際に電源を確保する手段としても、コージェネを導入する例が増えているのです。

さらに、夏場などの電力需要のピーク時にコージェネを稼働させることで、電力会社から需要家に供給する電力系統の電力負荷の平準化にも役立つと考えられています。国も補助金制度を設けるなど、コージェネシステムの普及を推進しています。


※1: BCP(Business Continuity Planning)
企業が災害などの緊急事態に遭遇した場合、中核となる事業の継続・早期復旧を図るため、平常時に行うべき活動や緊急時の手段などを取り決めておく計画。

排ガスから得られる二酸化炭素を植物工場などで有効利用

コージェネは電気と熱の二つのエネルギーを有効活用する仕組みですが、さらに発電の際に生じる排ガスから得られる二酸化炭素(CO2)をも有効活用する技術がトリジェネレーション(Tri-generation、トリジェネ)です。 接頭辞である“Tri”は「三つの」を意味し、電気、熱、CO2の三つを表しています。

現在、CO2の使い道には農業用と工業用があります。農業用ではCO2が植物の光合成を促す働きがあることから、温室栽培や植物工場で利用されており、工業用では建築材料の製造やメタノールの製造などCO2が利用される生産プロセスのほか、工業廃水の中和に用いられています。CO2を有効利用することができれば、CO2排出量削減の一助にもなるため、これからも様々な活用方法が模索されていくことでしょう。

私たちの社会にとって最も切実なテーマである地球環境の保全、省エネルギーの推進を支える技術として、コージェネ/トリジェネに大きな期待が寄せられています。

この記事は2017年06月に掲載されたものです。