ディマンドリスポンス
ディマンドリスポンスとは
現在の電力事情
私たちが電気を安定的に使うために、電力会社は需要と供給の量を一致させなければなりません。従来、電力会社は需要が増加してくると発電量を増やす、需要が減少すると発電量を抑えることでそのバランスを取ってきました。
詳細説明電力会社と需要家にメリット
ディマンドリスポンス(Demand Response,以下DR)とは、需要家側が賢く電力需要削減を行うことです。需要家がDRを行うことで創出された電力需要削減量はネガワットと呼ばれ、この量を発電量と同じ価値としてみなす考え方に基づき、取引きされます。この取引をネガワット取引と呼びます。
需要のピークが発生しそうなタイミングで電力需要削減を行えば、電力会社がピーク需要のために用意していた発電所の建設コストや維持管理コストを削減することができます。その削減コストを、電力需要削減を行った需要家は報酬として受け取ります。ネガワットと報酬の流れはこちら
DRとネガワットのイメージ

ネガワット取引のイメージ

*ネガワット取引を行う新たなプレイヤーが、アグリゲーターです。アグリゲーターの役割は、需要家と電力会社の間に立って、DRに協力する需要家をたばね、電力会社とネガワット取引を行うことです。
高まるネガワット取引のニーズ
ネガワット取引が広がれば、夏や冬に電力の需要が増加したピーク時や、発電所の故障、点検等で停止し発電供給力が不足した時でも、電力会社はネガワット取引を通じ電力需要と供給のバランスを取りやすくなります。今後、太陽光等の自然エネルギーでの発電量が増えていきますが、天候等により発電量が不足することもあり、ネガワット取引のニーズは高まります。
アズビルのディマンドリスポンスサービスとは
多彩なエネルギーリソースを活用した自動制御によるDR
お客様にとっての新たな付加価値として多彩なエネルギーリソース(エネルギーを消費/創出する設備。ファン、空調機、熱源、発電機、蓄熱槽、蓄電池、太陽光発電など)を活用したAutoDR™*を実施します。
*AutoDR : 需要家の建物内に設置されたBEMSと、アズビルのアグリゲーションサーバーをネットワーク接続。アグリゲーションサーバーからBEMSに対してDR制御の指令を出すことで、自動的にDRを実施すること。
ディマンドリスポンスの流れ

BEMSを活用した細やかな制御が可能
BEMSを用いた30年以上の実績を持つ遠隔制御の技術を、DRに活かします。多彩なエネルギーリソースを束ねることで、柔軟にネガワットを創出し、電力会社とネガワット取引を行うことで、お客様に報酬を支払います。ネガワットと報酬の流れはこちら
アズビルのディマンドリスポンス

制御手法(ピークカット、ピークシフト)
一般的なピークシフト手法(自家発・コジェネ、ガス熱源シフト、蓄電池)の他、アズビル独自の手法もご用意しています。
BEMSを用いた需要抑制(ピークカット)
BEMSの管理ポイント(制御対象)は、電力負荷設備の単純な発停(オン/オフ)だけではなく、温度、バルブ開度やインバータ出力などのアナログ値も含まれます。機器の発停以外、例えば、設定温度の緩和などといった機器の細やかな制御が可能です。
蓄熱槽や熱源、発電機等を用いたピークシフト
蓄熱コントローラの導入実績や蓄熱槽の運用ノウハウを豊富に有します。そのためより、蓄熱槽をDR活用することができます。
AutoDR 制御手法
AutoDR 制御手法

需要家のメリット
1需要家では取引の難しいネガワット(少量や、季節により変動するようなネガワット)であっても、アグリゲーターが束ねて、取引できるネガワットに成形します。それをアグリゲーターがネガワット取引し、得た
報酬を需要家に分配します。
ネガワットと報酬の流れ

提供サービス
ネガワット取引(調整力Ⅰ´、KWH)
①送配電事業者からの要請による、電源I´厳気象対応調整力として電力会社のうち、電力の送配電を行う一般送配電事業者は、電力需要のピークに合わせて調整力と呼ばれるピーク対応用の発電量を確保する義務があります。調整力のうち10年に一度の猛暑や極寒のときに使われる、最も要請頻度の低い調整力(厳気象対応調整力Ⅰ´)に、2017年度用から初めてネガワットが認められるようになりました。
この調整力Ⅰ´の確保には入札形態がとられ、アズビルもアグリゲーターとして需要家をたばね、ネガワット入札を行います。
*従来の需給調整契約のうち随時調整契約は、今後調整力Ⅰ´のネガワット入札に移行していきます。

②小売電気事業者からの要請による、インバランス回避用ネガワットとして直接協議スキームを行うことができます。
ネガワット事業者(アグリゲーター)、小売事業者及び需要家が、ネガワット取引に関する諸条件について協議し、事前に合意が図られる場合に、選択可能な取引スキーム。

③実証事業
令和2年度経済産業省「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」のB事業「VPPアグリゲーション事業」に採択され、アグリゲーションコーディネーター、リソースアグリゲーターとして実証事業に参加しています。
・事業名:多彩なエネルギーリソースをAutoDRシステムにより統合制御するVPP構築実証事業
<採択結果リンク>
環境共創イニシアチブ(SII)
https://sii.or.jp/vpp02/adoption_result.html
実績
年度 | 内容 |
---|---|
2012年度 | 電力中央研究所との共同研究 オフィスビルを対象にした自動化ディマンドリスポンスの実証試験 |
2013年度~継続 | 某新電力とのDR実証(Direct Demand Control) |
2014年度 | 東京電力BSPでのアグリゲーター実績 (11件、ネガワット合計 約1,500kW) |
2015年度 | 経済産業省 平成26年度次世代エネルギー技術実証事業費補助金(C-1)にアグリゲーターとして採択(30件、ネガワット合計最大 約3,500kW) |
2016年度 | 経済産業省 平成28年度バーチャルパワープラント構築事業補助金(A-1,A-2,B-1)にアグリゲーターとして採択 (34件、ネガワット合計最大 約4,600kW) |
2017年度 | 某一般送配電事業者の調整力 電源Ⅰ´に共同アグリゲーターとして参加 経済産業省 平成29年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(A事業、B事業)に親アグリゲーター、リソースアグリゲーターとして採択 |
2018年度 | 某一般送配電事業者の調整力 電源Ⅰ´に共同アグリゲーターとして参加 経済産業省 平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(B-1事業)にアグリゲーションコーディネーター、リソースアグリゲーターとして採択 |
2019年度 | 某一般送配電事業者の調整力 電源Ⅰ´に共同アグリゲーターとして参加 経済産業省 平成31年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(B-1事業)にアグリゲーションコーディネーター、リソースアグリゲーターとして採択 |
2020年度 | 某一般送配電事業者の調整力 電源Ⅰ´に共同アグリゲーターとして参加 経済産業省 令和2年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(B事業)にアグリゲーションコーディネーター、リソースアグリゲーターとして採択 |
リンク
経産省ネガワット取引に関連するサイト
エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200601001/20200601001.html
(「ネガワット取引に関するガイドライン」の改定)エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/energy_resource/index.html
(政策について>審議会・研究会等>エネルギー・環境のページ下部にあります。)
バーチャルパワープラント説明動画 (経済産業省 資源エネルギー庁)
ディマンドリスポンス推進協議会
OpenADR Alliance
お問い合わせ
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー ディマンドリスポンス担当
TEL 0466-52-7162(受付時間:平日 9:00~12:00、13:00~17:40)