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再生可能エネルギー

太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスなどの非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものとして政令で定めるもの。

マンガ:湯鳥ひよ/ad-manga.com

持続可能な社会のために地球に優しいエネルギー

日本を含め、多くの国が二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出する化石燃料を減らし、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以降、再エネ)の利用比率を高めようと取り組んでいます。

2015年開催の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の「このままでは2100年には世界の平均気温が最大4.8℃上昇するだろう」という警告を受けて、産業革命以前の気温に比べて上昇分が2℃未満、1.5 ℃程度に抑えるという長期目標を決めました。このCOP21で採択されたパリ協定には約180カ国が批准しています。

日本も批准国として温室効果ガスの排出削減に取り組み、その具体策の一つが再エネの利用拡大です。「再生可能エネルギー」という言葉の定義は国や機関によって多少異なりますが、日本では「太陽光、風力、その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」としています。

中でも太陽光発電と風力発電はよく知られていますが、間伐材や家畜排せつ物、生ごみなどを使うバイオマス発電も豊富な実績があります。水力発電では大規模ダムではなく河川や農業用水などに設置する中小水力発電が増えています。

このように地域特性や自然環境に合ったエネルギー源を活用するのが再エネの特徴です。

再エネ普及率はエネルギー全体の約1割

再エネの普及推進にはもう一つ意味があります。日本は一次エネルギーの大半を輸入に頼っていて、エネルギー自給率はわずかに8.4%*1です(2016年時点)。再エネはすべて国産エネルギーですから、これを増やせば輸入の割合を減らすことができ、エネルギー安全保障としてもメリットがあるのです。

日本が再エネに力を入れ始めたのは1970年代のオイルショックのころでした。1990年代に入ると法整備や仕組みづくりが進み、2012年には再エネ由来の電力を買い取る「固定価格買取(FIT)制度」がスタート。一時期はバブルといえるほどの人気を集めました。

しかし、話題に比して、再エネはさほど増えていません。2016年度の一次エネルギー全体に占める割合は10%、発電に使用したエネルギー源の割合を示す電源構成でも15%にすぎません*2

環境に優しく、安全保障に有益で、国としても後押ししているのに飛躍的に伸びないのはなぜでしょうか。


*1
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「なっとく! 再生可能エネルギー」

*2
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「2030年エネルギーミックス実現へ向けた対応について ~全体整理~」

エネルギーミックスで再エネ比率向上を図る

実は化石燃料と比べて、再エネにはいくつか不便なところがあります。その一つが単位体積当たりのエネルギー量を表すエネルギー密度が低いこと。1Lの石油での火力発電と1Lの水での水力発電を比べると、得られるエネルギー量に格段の差があります。

また、太陽光や風力は天候次第で発電量が変動し安定供給が難しいことも知られています。条件が良い日に発電した電力を使い回せればよいのですが、電気は物理的にためておくことが容易ではありません。蓄電さえできれば雷の電力だけで世界の需要を賄えるといわれながらも実現していないことから、蓄電の難しさが分かります。そのため、現在は再エネ由来の電気を既存の発送電システムである系統電力に入れる際に、再エネからの発電量が足りない場合に、その不足分を補うための出力調整が容易な火力発電所を使って発電量の変動に対応しています。

とはいえ、蓄電池の価格は下がってきましたし、電気自動車を家庭用蓄電池として使うアイデアも出てきました。革新的な蓄電池の開発、あるいは中古蓄電池の市場が広がれば、蓄電池がもっと身近なものになるかもしれません。

2018年7月に政府が発表した「第5次エネルギー基本計画」では、2030年度までに火力発電の割合を減らし、再エネの比率を増やすことで、電源構成再エネ比率を22~24 %に増やすことが提唱されました。CO2排出量は基準年2016年度の11.4憶トンに対して、2030年度は9.3憶トンに削減。また、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション電源比率は16%から44%にまで拡大*3。このときエネルギー自給率は24%にまで増えるようです。

日本は「2050年までに温室効果ガスを80%削減」という意欲的な目標を掲げています。そのためには一人ひとりがエネルギーの使い方について意識しなければならないのかもしれません。


*3
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第5次エネルギー基本計画(案)の構成」


この記事は2019年08月に掲載されたものです。