クラウド

利用者がハードウェアやソフトウェアを意識することなく利用することができるコンピュータの利用形態のこと。クラウド・コンピューティングともいう。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータが提供するアプリケーション(アプリ)を、利用者がネットワーク経由で使用する。

インターネットの発達でコンピュータの使い方が変わる

会議の資料づくり、商談相手とのスケジュール調整、家族旅行でのホテルの予約やネットショッピングなど、私たちは仕事や生活のいろいろな場面でコンピュータを活用しています。現在使われているコンピュータが発明されたのは、今から70年ほど前です。当時は、学校の教室のような大きな部屋でないと収まりきらないほど巨大なものでしたが、今ではとても小さくなりました。薄くて軽い、高性能なノートパソコンがたくさんあります。

また、20世紀の終わりごろから、インターネットが一般に普及して通信環境も良くなり、コンピュータの使い方も変わってきました。今や、コンピュータは単独ではなく、インターネットなどに接続して使うことが当たり前になっています。さらに、スマートフォンやタブレット端末の登場に伴い、いつでも、どこでも、誰でも手軽に操作できるようになりました。

知らず知らずのうちに使っているクラウド

コンピュータで何かを作るときには、文章を書くにはワープロソフト、絵を描くにはお絵描きソフトというふうに、目的に合うアプリケーション(アプリ)が必要となります。複数のアプリを自分のコンピュータにインストールして、作成したデータも同じ自分のコンピュータに保存しています。

しかし最近では、アプリを自分のコンピュータにインストールせずに使えるサービスが登場してきました。自分のコンピュータからインターネット上にあるアプリにアクセスして利用し、作成したデータもインターネット上に保存します。これがクラウド・コンピューティングと呼ばれる仕組みの一例です。最近、よく耳にする「クラウド」という言葉は、このクラウド・コンピューティングを省略したものです。

実は、私たちは知らず知らずのうちにクラウドを使っています。例えば、インターネットの検索サービス。自分のコンピュータからインターネット上の検索ソフトに直接アクセスして、情報を調べることができます。無料のWebメール※1サービス、文書共有サービスなどもクラウドです。


※1:Webメール
メールソフトは使わず、ブラウザでメールサービスのWebサイトを通じて利用する。メールやアドレス帳はクラウド上に保管される。注釈文章

手軽さと利便性の高さによって、広がっているクラウドサービス

インターネットにはたくさんのコンピュータが網の目のようにつながっています。こうしたネットワークを介して、クラウドの様々なサービスを利用することができます。ところで、クラウドとは英語で雲という意味ですが、なぜそう呼ばれているのかご存じでしょうか。

コンピュータネットワークのイメージ図において、インターネットを雲として表すことに由来しています。

クラウドは、アプリもデータもインターネット上にあります。スマートフォンなどでインターネットに接続すれば、電車の中やカフェなどから、いつでも必要な作業ができます。クラウドを利用しなくても同じことはできますが、例えば社内にコンピュータを設置し、システムを構築する場合、手間や費用がかかります。また、アプリはソフトウェアの修正を反映するアップデートなどのメンテナンスが定期的に必要になりますが、クラウドの場合は、アプリの管理者がクラウド上で一度行えば、利用者が個別にメンテナンスの手間をかける必要はなく、費用も安く抑えられるのです。

このようにメリットが多いクラウドのサービスは、現在どんどん広がっています。例えば、ビル管理の分野では、ビルの運用に関するデータをインターネットで共有できるクラウドサービスが登場しています。電力やガスの使用量などのデータは、これまでビルの中央監視室にある端末でしか見ることができませんでした。しかし、クラウドサービスを使えば、スマートフォンやタブレット端末で、現地に行かなくてもリアルタイムの情報を確認できます。

さらにクラウド上に集められた、ほかの複数のビルの情報を一括で管理して、比較することでより効率的なエネルギーマネジメントを行えるなど、日々生み出される情報をこれまで以上に活用することができます。またビル管理者の日報などをクラウド化することで、情報の共有もより簡単になります。

必要な情報を関係者全員ですぐに見ることができるようになると、ビル全体での省エネ意識が広がることも期待されます。クラウド技術がさらに発展すれば、専門的なサービスを手軽に利用できるようになり、ますます便利になっていくことでしょう。


この記事は2016年10月に掲載されたものです。