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中之島フェスティバルタワー・ウエスト

クラウドサービスで各テナントの空調操作が可能となり、テナントの満足度と建物の付加価値が向上

超高層タワーである中之島フェスティバルタワー・ウエストでは、環境・省エネルギーへの配慮やテナントの利便性向上を重視。ビル向けクラウドサービスによって、テナントユーザー自身による空調の起動・停止や温度設定変更を可能にし、テナントの満足度向上に貢献しています。さらに、収集・蓄積した運用データの活用により、設備異常の発見やきめ細かなビル運用・省エネルギーの実現に役立てています。

建物分野 オフィスビル ホテル ショッピングセンター 複合ビル 快適 省エネルギー 稼働改善 クラウド・IoT・AI 中央監視システム ビル向けクラウドサービス

導入製品・サービス

建物管理システム savic-net FX2

建物管理システム savic-net FX2

クラウドサービスでデータの安全な管理が可能に

大阪駅から徒歩圏に位置し、堂島川と土佐堀川に囲まれた中之島は、大阪の行政・経済・文化を担う施設が集中するエリアとして知られています。その一角を占める大阪朝日ビル、新朝日ビル、朝日新聞ビルを、東西2棟の超高層ビルに建て替える「大阪・中之島プロジェクト」の構想が2007年にスタートしました。2012年11月に東側の中之島フェスティバルタワー、2017年3月に西側の中之島フェスティバルタワー・ウエスト(以下、ウエスト)が竣工。このツインタワーを中心としたフェスティバルシティと呼ばれる街が誕生しました。

ウエストは地上41階、地下4階の建物で、4階までの低層階には商業施設、重要文化財などの所蔵品を有する中之島香雪(こうせつ)美術館、多目的ホールとして利用できる中之島会館があり、6階から31階はオフィス、33階から40階は海外でも有名なラグジュアリーホテルが入居しています。

ウエストの運用・設備管理に当たっては、先に竣工していた中之島フェスティバルタワーでの課題や経験を踏まえ、中央監視装置およびエネルギー・設備管理を実現するシステムを提供するベンダーを選定することになりました。

「環境・省エネルギーへの配慮やテナントの利便性重視など、基本的な設計思想はフェスティバルシティ全体で統一して考えられていました。独自の工夫を加えながら、その思想を実現してくれるパートナーを求めていました」(田能村氏)

これを受けてアズビル株式会社は、中央監視装置としての建物管理システム savic-net™FX2、ビル向けクラウドサービス、保守・メンテナンス体制によるビル全体の最適管理を提案しました。

ビル向けクラウドサービスは、インターネット経由で、建物内外の様々な場所からエネルギーデータや設備管理情報の確認、空調の発停・温度設定変更などを行えるサービスで、採用の大きなポイントになりました。このサービスを利用することで、サーバーの保守管理の煩わしさから解放されます。また、最新のセキュリティに対応するために、サーバー側でこまめにバージョンアップをしてくれるので、信頼性が非常に高いものだと評価しました」(田能村氏)

「さらに、アズビルはフェスティバルシティ建替え前のビルでも実績があり、体制面でも部品の提供能力、システム・設備の保守能力の高さには大変満足しており、安心感がありました」(鈴木氏)

空調運転スケジュールや温度設定をテナント自らが自在に行える

株式会社朝日ビルディング、朝日建物管理株式会社、アズビルを交えた定例会議を毎月開催し、実運用に関する課題やテナントニーズ、改善施策の検討を行う。また、半年に1回、室内環境改善や省エネルギー、法対応に関するサービスの成果や課題を共有する報告検討会を実施している

株式会社朝日ビルディング、朝日建物管理株式会社、アズビルを交えた定例会議を毎月開催し、実運用に関する課題やテナントニーズ、改善施策の検討を行う。また、半年に1回、室内環境改善や省エネルギー、法対応に関するサービスの成果や課題を共有する報告検討会を実施している。

2015年3月、ウエストはベンダーとしてアズビルの採用を決定しました。

同ビルでは、オフィステナントの空調運転スケジュールについて、オフィスの一般的な勤務時間帯をコアタイムとして設定するのではなく、月当たり11時間×平日日数という時間数で管理し、これを共益費に含め、超過分のみ時間外空調料金として徴収するという独自の課金方法を採用しています。各テナントが、月内で決まった空調時間数をニーズに合わせてフレキシブルに利用することができます。

アズビルのビル向けクラウドサービスの機能の一つであるテナントサービスを活用することで、オフィスフロアに入居する各テナントが、空調の起動・停止や温度設定変更を、自身のパソコンやタブレットを使って自在に行うことができます。こうした仕組みが同ビルならではのテナントごとのニーズに合わせた円滑な運用にも寄与しています。

「オフィスの空調に関しては入居者自身が操作するため、テナントからの申請に対するビル管理側の操作はなく、オペレータの作業負荷が軽減されています」(新留氏)

「運用開始当初は、請求書を見て、空調の運転時間が超過していることを初めて知るといった状態でした。テナントからのニーズで、月の途中でもテナント側で残り時間を確認できる仕組みをアズビルが追加してくれました。このことがテナントの満足度向上につながっています」(鈴木氏)

さらに省エネルギーを推進し、快適性の追求も目指す

ビル向けクラウドサービスでは、テナントサービスに加え、エネルギー管理を行うこともできます。

「テナントユーザーは、自らのエネルギー消費動向をレポートとしてパソコンなどで閲覧・出力ができます。データ化された情報は、省エネ法上、国に対する報告義務を持つテナントに大きな利便性をもたらしています」(鈴木氏)

また、ビルの設備の不具合に対しても、アズビルのノウハウをもって運用データを解析することで、通常の自動制御の点検だけでは解決できない事象に対しても、原因の把握と対策が可能です。

「テナントから湿度が高いという問い合わせがあった際、まず空調の自動制御異常を疑いました。必要以上に冷却されていることを運用データからアズビルが見つけ、ダクトの異常に着目し、点検の結果、ダクトに穴が開いていることを発見することができました。このように、蓄積したデータから制御状態を解析することでハードウェアの不具合まで解決してくれたケースが複数あります。保守面でもアズビルは親身に相談に乗ってくれる上、対応も迅速で安心感があります」(田能村氏)

また、ビル管理は、フェスティバルシティの二つのビルに対して、30人程度の組織でローテーションにより実施されています。

「東側の中之島フェスティバルタワーには他社製の中央監視装置が入っています。アズビルは、私たちが東側の他社システムも操作することを踏まえた上で、ウエスト側にはさらに視認性が高い操作画面を作り込んでくれたので、非常に操作が容易です。中央監視装置のメーカーが東西で異なっていても、円滑な管理が実現できています」(鎌田氏)

今後もウエストでは、さらなるビルの最適運用を目指していきます。

「働き方改革の観点からも職場環境の向上に向けて、ビルにおける快適性が重要視されています。アズビルには、蓄積してきたデータを活かした省エネ施策の提案とともに、省エネルギーを実現しながら快適性を追求するというニーズへの対応も期待しています」(田能村氏)

オフィスエントランスに設置されたデジタルサイネージ。クラウド上のエネルギーデータを活用して、ビル全体の電力利用概況や省エネ効果などを入居者に分かりやすいグラフで表示し、省エネ意識を喚起している。

オフィスエントランスに設置されたデジタルサイネージ。クラウド上のエネルギーデータを活用して、ビル全体の電力利用概況や省エネ効果などを入居者に分かりやすいグラフで表示し、省エネ意識を喚起している。

防災センターに設置されているsavic-net FX2。系統立てて構成された画面は、視認性も高く、必要な情報に直感的な操作でたどり着ける。

防災センターに設置されているsavic-net FX2。系統立てて構成された画面は、視認性も高く、必要な情報に直感的な操作でたどり着ける。

※savic-net、savic-net FXは、アズビル株式会社の商標です。

お客さま紹介

株式会社朝日ビルディング 中之島支社 技術セクション 特命マネジャー 田能村 明 氏
株式会社朝日ビルディング
中之島支社
技術セクション
特命マネジャー
田能村 明 氏
株式会社朝日ビルディング 中之島支社 技術セクション 特命マネジャー 鈴木 恭太 氏
株式会社朝日ビルディング
中之島支社
技術セクション
特命マネジャー
鈴木 恭太 氏
朝日建物管理株式会社 中之島事業部 中之島設備センター センター長代理 鎌田 耕平 氏
朝日建物管理株式会社
中之島事業部
中之島設備センター
センター長代理
鎌田 耕平 氏
朝日建物管理株式会社 中之島事業部 中之島設備センター リーダー 新留 典明 氏
朝日建物管理株式会社
中之島事業部
中之島設備センター
リーダー
新留 典明 氏

中之島フェスティバルタワー・ウエスト

株式会社朝日ビルディング

  • 所在地/大阪府大阪市北区中之島3-2-4
    中之島フェスティバルタワー・ウエスト7階
  • 設立/1929年8月3日
  • 事業内容/不動産の賃貸および管理、劇場の経営、不動産の売買・仲介、生命保険・損害保険の代理業務など

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2019 Vol.1(2019年02月発行)に掲載されたものです。

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