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佐倉市立美術館

ESCOサービスの活用によって、美術作品のための環境維持と省エネ推進を両立

日本における近代洋画の先駆者として著名な浅井忠をはじめ、佐倉・房総ゆかりの作家の作品の数々を収蔵・展示する佐倉市立美術館。同館では、開館から20年以上を経て老朽化対策が必要となった空調・熱源設備、中央監視システムの更新をESCO事業を活用して実施しました。その結果、美術作品の状態を良好に維持するための空調環境と省エネルギーの両立を実現しています。

建物分野 その他(市場・産業) 省エネルギー エネルギーマネジメント コスト削減 老朽化対策 中央監視システム 建物のエネルギーマネジメント

ESCO事業を活用し、20年以上を経た設備を更新

千葉県の北部に位置する佐倉市。江戸時代には、文武芸術を奨励した佐倉藩の城下町として栄え、市内には当時をしのぶ武家屋敷をはじめとする数多くの文化財があります。そうした佐倉市の市民文化創造の中核拠点として、1994年11月に開館したのが佐倉市立美術館です。

同館には、日本近代洋画の先駆者である浅井忠をはじめ、佐倉・房総ゆかりの作家の作品が数多く収蔵されており、日本の近現代美術を紹介する展覧会や各種企画展を随時実施。また、市民が作品を発表する場を提供するなど、佐倉市の芸術文化振興の上で重要な役割を果たしています。

「当館が収蔵・展示する作品群の状態を適切に維持するには、24時間365日、空調を稼働させて収蔵庫や展示室を常に一定の温湿度に保つことが必要です。開館から20年以上が経過し、空調・熱源などの設備、中央監視システムの老朽化が進み、それらの更新が重要な課題となっていました」(宍戸氏)

「佐倉市では地球温暖化対策実行計画を策定するなど、環境・エネルギー問題への取組みを市の重要施策と位置付けています。設備の更新についても、この観点にかなうかたちで実施する必要がありました」(菅澤氏)

佐倉市は、市が所有する施設の効率的な運用・維持管理を実現するためのファシリティマネジメントに早くから取り組んできたことでも知られています。2010年にはその専門部隊である資産管理経営室を発足。市の施設における省エネ施策の推進も同室の重要なミッションとなっています。

こうした背景から佐倉市では、同室の主導の下、佐倉市立美術館における空調・熱源設備、中央監視システムの更新を決定。設備の更新や維持管理、成果保証、効果検証といった包括的な管理が可能であるESCO事業※1を活用して取組みを進めることにしました。

佐倉・房総ゆかりの作家作品が展示され、定期的に企画展も開催されている。

佐倉・房総ゆかりの作家作品が展示され、定期的に企画展も開催されている。

省エネルギーを実現しながら、収蔵庫の温湿度環境を保つ

2015年10月、佐倉市では、当施策を請け負うESCO事業者を公募。提案内容について十分な精査を行い、アズビル株式会社をESCO事業者として決定しました。

「厳密な空調管理には多くのエネルギーを必要としますが、アズビルには美術館の空調に関する数多くの実績とノウハウがあり、併せて経済産業省の『中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金』の活用も提案してくれました」(新川氏)

「当初、美術館では工事の実施に際して、収蔵品をいったん外部の施設に移動する必要があると想定していました。これに対してアズビルは、2系統ある空調をうまく切り替えることで、作品の状態維持に必要な環境を保ちながら工事を進める方法を提示してくれました。工事中、美術館自体は4カ月休館しましたが、収蔵品を外部に移動するリスクを回避し、安定した温湿度下に保管できることに大きな安心感がありました」(宍戸氏)

省スペースでの設置が可能な中央監視システムである壁掛け型のsavic-netFX2compactを採用。

省スペースでの設置が可能な中央監視システムである壁掛け型のsavic-netFX2compactを採用。

2016年1月に佐倉市がアズビルの提案を採用し、2016年7月に契約、2017年1月には工事が完了。同年4月から10年間にわたるESCOサービスがスタートしました。具体的な施策としては、空冷ヒートポンプチラーなどの空調用熱源機器を高効率なものに更新するとともに、熱源二次ポンプと空調機ファンのインバータ化を行い、中央監視システムを壁掛け型の建物管理システムsavic-netFX2compact™に置き換えました。

また、中央監視システムはアズビルのデータウェアセンターに接続され、遠隔から各設備の運転状況などのデータを収集・分析し、レポートとして見ることができます。分析結果からエネルギーの無駄を抽出し、改善する取組みが行われています。

既存他社中央監視システムは老朽化が原因で、一部に自動制御が難しい部分がありました。美術作品の保存状態を維持するため、収蔵庫や展示室は温湿度面で厳しい管理が行われており、美術館の職員が自ら空調の制御状態を細かく調整する必要があり、毎日のように、温湿度の管理のために空調機械室まで行かなければならない状況でした。

「設備の更新によって安定した温湿度の自動制御が可能となりました。また、更新された事務室内の中央監視システムから、温湿度の設定変更もできるようになり、調整のたびに空調機械室に足を運ぶ必要がなくなりました。これらのことから、職員の作業負荷が大幅に軽減されました」(宍戸氏)

「今回のESCO契約には、機器の保守や修繕などの維持管理業務も含まれています。メンテナンスについても、今後10年間にわたってアズビルが責任をもって対応してくれることになっており、大きな安心を得ることができました」(菅澤氏)

佐倉市立美術館の屋上に設置された空冷ヒートポンプチラー(左)と温水ヒーター(右)。今回のESCO事業により、高効率機器へと置き換えられた。

佐倉市立美術館の屋上に設置された空冷ヒートポンプチラー(左)と温水ヒーター(右)。今回のESCO事業により、高効率機器へと置き換えられた。

※savic-net、FX2compactは、アズビル株式会社の商標です。

目標値に対して146%という大幅なコスト削減を初年度に達成

ESCOサービスの開始から1年を経て、設備更新に加えた運用改善の積み重ねによって、佐倉市立美術館には既に省エネルギーにおける大きな成果がもたらされています。契約初年度の2017年度には、当初の削減目標値に対して146%のエネルギーコストの削減を達成しました。

「アズビルは設備の導入だけで終わらず、しっかりとした導入の効果検証を行い、検証結果を基にさらなる省エネ実現に向けた対応や提案をしてくれます。実際に数値としても目標を大きく上回る成果が出ていることから、厚い信頼を寄せています」(菅澤氏)

「佐倉市立美術館におけるESCO事業は、10年契約の1年が経過したばかりですが、今後の9年間についても、アズビルにはさらなる運用改善を継続し、より高い省エネ効果を実現してもらえることを大いに期待しています」(宍戸氏)

用語解説

※1 ESCO(Energy Service COmpany)事業

工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。

 

お客さま紹介

佐倉市立美術館 館長 宍戸 信 氏
佐倉市立美術館
館長
宍戸 信 氏
佐倉市役所 資産管理経営室 主幹 菅澤 雄一郎 氏
佐倉市役所
資産管理経営室
主幹
菅澤 雄一郎 氏
佐倉市役所 資産管理経営室 副主幹 新川 ゆか 氏
佐倉市役所
資産管理経営室
副主幹
新川 ゆか 氏

佐倉市立美術館

佐倉市立美術館

  • 所在地/千葉県佐倉市新町210
  • 設立/1994年11月
  • 事業内容/美術・工芸品の収蔵・展示

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2018 Vol.4(2018年08月発行)に掲載されたものです。

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