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Siam Kraft Industry Co., Ltd.

日本の省エネノウハウを活用した施策展開で
タイにおける省エネルギー・環境保全を牽引

タイの王室財産管理局が出資する財閥グループSCGに属するSiam Kraft Industry Co., Ltd.では、グループポリシーにのっとり、省エネルギー、環境保全にかかわる取組みを長きにわたり実践してきました。その一環として、同社ではWangsala工場において、生産現場に圧縮空気を供給する6台のコンプレッサの連携・台数制御により、エア製造量と消費電力量を最適化するという仕組みを構築。エネルギー効率が改善され、省エネ目標を達成しました。

工場・プラント分野 紙パルプ 省エネルギー 海外 運転監視・制御システム&ソフトウェア

導入製品・サービス

コンプレッサ最適制御 ENEOPTcomp

エネルギー価格が上昇する中、省エネ施策の強化が課題に

日本の約1.4倍に当たる51.3万㎢の国土におよそ6700万人が暮らすタイ。農作物、電気・電子製品などの輸出、観光を中心に堅調な経済成長を続けており、GDPでは東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で、常に上位に入る規模を誇っています。

1913年に国策会社として発足し、創業100年以上の歴史があるSiam Cement Group(SCG:サイアム・セメントグループ)は、王室財産管理局が筆頭株主として3割を出資する財閥グループです。同グループは、セメント・建材/石油化学/紙・パルプという三つの分野で事業を展開。その中で紙・パルプ事業を担うSCG Packaging Public Company Limited(サイアム パッケージング パブリック カンパニー)傘下の事業会社、二十数社の中で中核企業となっているのがSiam Kraft Industry Co., Ltd.(SKIC:サイアム クラフト インダストリー)です。同社ではタイ国内の二つの工場に加え、フィリピンやベトナムにも生産拠点を展開しており、環境に配慮した古紙再生を柱に、年間230万tの生産量を上げています。

「SCGでは、事業遂行上の一貫したポリシーとして、省エネルギー、環境保全を掲げています。タイでは、環境保護関連の法律が制定された1970年代から現在に至るまで、国を挙げての重要施策としてこの領域での取組みが進められています。特に今日ではエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの活用などの施策が強化されています。SCGは国を代表する企業グループとして、常にその牽引役を担ってきました」(Panya Sopasriphan氏)

もちろん、SCGに属するSKICも、古くからそうしたグループポリシーに基づく各種施策を様々な側面から展開してきました。

「特に2008年には石炭の価格が大きく高騰し、以降も電気、天然ガスなどのエネルギー価格が上昇を続ける傾向にありました。生産原価の削減という観点からも、いかにエネルギー効率を高めていくかが、大きな課題となっていました」(Panya Sopasriphan氏)

6台のコンプレッサの連携により、エア製造量を最適化

そうした中、SKICのWangsala(ワンサラ)工場に対して、日本で結果を出している省エネ事例を基に提案したのがアズビル株式会社でした。その提案内容に関心を抱いたSKICでは、具体的に取り組むべき施策を明らかにするため、2013年8月ごろに同工場にて、アズビルによる省エネ診断を実施しました。

「アズビルはタイにも現地法人を置いており、様々な省エネプロジェクトの経験も豊富で多くの実績を持っていました。技術力や提案力の点でも非常に優れており、一緒にプロジェクトを進めていくことで、そのノウハウを伝授してもらえるという期待もありました」(Sombat Tungtiwanon氏)

省エネ診断の結果を受けて、アズビルからいくつかの省エネ施策メニューが提案されました。その中で、SKICが採用することにしたのがコンプレッサ最適制御ENEOPT™compの導入でした。コンプレッサは工場内の各生産設備にエア(圧縮空気)の供給を行っています。

「コンプレッサの消費電力量に関しては、エネルギーコスト全体から見ればそれほど大きな割合を占めてはいませんでした。ただ、6台のコンプレッサが生産現場の需要状況によって個別に起動/停止を行う運用だったため、原単位が高くなっていることは認識していました。それを管理することが大きな課題の一つでした」(Tun Towichakchaikun氏)

これまでは、個々のコンプレッサにおいて、生産側のエア消費量の減少に伴う配管内の圧力上昇を防ぐため、大気へエアを放出する個別最適制御を行っていました。これに対しアズビルは放出されてしまうエネルギーを他系統で有効活用できるように、6台のコンプレッサ全体で圧力調整をすることを提案。経年数、メーカー、効率、消費電力が異なる6台のコンプレッサの連携・台数制御で最適化する仕組みを構築しました。

SKICのWangsala工場全体にエアを供給するコンプレッサ群

SKICのWangsala工場全体にエアを供給するコンプレッサ群。

ENEOPTcompの画面を通して各コンプレッサの稼働状況を把握することができる

ENEOPTcompの画面を通して各コンプレッサの稼働状況を把握することができる。

※ENEOPTは、アズビル株式会社の商標です。

グループ内企業に向けた省エネビジネスも視野に

2017年コンプレッサエネルギー最適化報告書

2016年12月にはENEOPTcompによるコンプレッサ最適制御が稼働を開始。既にその成果は確実に表れてきています。

「原単位の改善という面では、各コンプレッサの機器効率が分かるようになった上に、当初のエネルギー削減目標4.7%に対し、2017年の年間実績は4.83%を削減。目標に対して102%を達成することができています」(Tun Towichakchaikun氏)

「その一方で、ENEOPTcompではコンプレッサの稼働データを蓄積し、可視化しています。それらのデータを、運用改善および機器の不具合発生時などの速やかな捕捉とその対応、さらにメンテナンス計画の立案などにも活用しています」(Sombat Tungtiwanon氏)

今回の成果を踏まえ、SKICではタイのもう一つの生産拠点であるBan Pong(バンポン)工場でもコンプレッサのエネルギー効率改善に取り組んでいく予定です。

「Ban Pong工場では、Wangsala工場のように複数のコンプレッサが1カ所に設置されておらず、広い敷地内で分散稼働しているため、今回の施策をそのまま横展開できるわけではありません。そのため、省エネプロフェッショナルに相談しながら進めたいと考えています」(Nattawut Suragiattichai氏)

SKICでは今後、工場設備のより広範な領域での省エネ施策にも、積極的に着手していく予定です。「さらに将来的な構想としては、エネルギー効率化を軸にしたビジネス展開も見据えています。まずは今回得た省エネ知識を基にSCGに属するグループ企業に展開し、SKICがESCO事業*1としてグループ各社、さらにはSCG外の企業にも省エネ施策の支援をしていくことを目指しています。一方で、石炭など特定のエネルギーに依存することなく、太陽光やバイオマスなども含めた多様なエネルギーを活用していける体制を整え、リスク分散を図っていくことも重要だと考えます。今後もアズビルとは、エネルギーの高効率利用をはじめとする幅広い領域で協業を図っていきたいと考えています」(Panya Sopasriphan氏)

用語解説

※1:ESCO(Energy Service COmpany)事業

工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。

 

お客さま紹介

Siam Kraft Industry Co., Ltd. エネルギー部門 部門長 Panya Sopasriphan 氏
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エネルギー部門
部門長
Panya Sopasriphan 氏
Siam Kraft Industry Co., Ltd. エネルギー部 マネージャー Sombat Tungtiwanon 氏
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エネルギー部
マネージャー
Sombat Tungtiwanon 氏
Siam Kraft Industry Co., Ltd. エネルギー部 プロセスエンジニア Tasana Buayam 氏
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プロセスエンジニア
Tasana Buayam 氏
SCG Paper Energy Co., Ltd. 動力プラント診断センター マネージャー Tun Towichakchaikun 氏
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動力プラント診断センター
マネージャー
Tun Towichakchaikun 氏
SCG Paper Energy Co., Ltd. 診断&最適化エンジニア Nattawut Suragiattichai 氏
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診断&最適化エンジニア
Nattawut Suragiattichai 氏
SCG Paper Energy Co., Ltd. 診断&最適化エンジニア Wutthikorn Ekdamrongkit 氏
SCG Paper Energy Co., Ltd.
診断&最適化エンジニア
Wutthikorn Ekdamrongkit 氏

Siam Kraft Industry Co., Ltd.

Siam Kraft Industry Co., Ltd.

  • 所在地/99 Moo 6, Saeng-Xuto Road, Wang-sala, Thamuang, Kanchanaburi 71130 Thailand
  • 設立/1976年
  • 事業内容/包装用紙の製造

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2018 Vol.5(2018年10月発行)に掲載されたものです。

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