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ニプロファーマ株式会社

医薬品製造に関する品質マネジメントを電子化
各種規制への対応業務の効率が大幅に向上

医薬品メーカーからの医薬品受託製造を中心としたビジネスを展開するニプロファーマでは、各国規制当局が定める品質基準や規則に対応した文書管理などバリデーションの実施にかかわる電子化に着手。アズビルが提案する、海外で豊富な実績を持つ医薬品・医療機器産業向けQMSパッケージを導入することで、関連業務の大幅な効率化や査察へのスムーズな対応を実現しています。

工場・プラント分野 医療・医薬品 品質管理 運転監視・制御システム&ソフトウェア

医薬品製造の品質マネジメントの領域で加速する関連業務の電子化が急務

「医療機器」「医薬品」「ファーマパッケージング」にかかわる事業を三位一体で展開し、人工臓器から検査・診断薬、注射・輸液、医療用医薬品、さらには医療用包装材料に至る製品・技術の提供により、患者様や医療従事者のニーズに応えるニプログループ。そのうち、ニプロファーマ株式会社は、同グループの医薬品領域の事業を担う企業です。同社は国内外の医薬品メーカーから医薬品の製造を請け負っており、受託製造分野の実績では国内トップクラスを誇っています。現在は、子会社を含めて国内7工場(11拠点)、海外1工場(ベトナム)に製造拠点を設置。幅広い生産スケールで拡大するビジネスに対応できる体制を整えています。

ニプロファーマが製造する医薬品は、グローバル市場で流通しているため、国内の厚生労働省に加え、米国のFDA※1など各国の規制当局が定める製造所基準や品質システム規則に厳密に準拠し、当局の査察にも対応する必要があります。

「特に近年は、規制に関連する文書の管理・運用やバリデーション※2の実施についても、改ざん防止や業務の効率化などを目的として、従来の紙ベースでの運用からシステムを活用した運用への移行が急速に進んでいる状況です。当社においても、そうした流れにしっかりと追随していくことが経営上の重要なテーマとなっています」(富松氏)

「一方、当社は医薬品の受託製造に関するニーズの拡大を受けて、他社の工場を買収する形で生産拠点を増強してきたという経緯があります。そうした状況において、各工場での規制対応を会社として統制の利いた形で実践していくには、関連するプロセスを全社で標準化していく必要がありました。それに向けた有効な手段としても、システム化・電子化は不可欠でした」(中道氏)

製造現場に即した豊富な経験により、規制対応の実践をトータルに支援

本社からクラウド上のMasterControl™にアクセス。情報はクラウド上に集約されているため、国内・海外を問わず、工場などの拠点が増える場合も導入が比較的容易に行える。

本社からクラウド上のMasterControl™にアクセス。情報はクラウド上に集約されているため、国内・海外を問わず、工場などの拠点が増える場合も導入が比較的容易に行える。

ニプロファーマでは2014年秋ごろから、医薬品の品質マネジメントを支援するソリューションの導入に向けた具体的な検討に着手しました。いくつかの製品・サービスを候補に比較検討を行った結果、同社が選定したのがアズビル株式会社の提供する医薬品・医療機器産業向けQMS※3パッケージMasterControl™でした。

MasterControl™については当時、国内での適用事例は少なかったものの、海外では他製品をしのぐ実績を持っていました。文書管理や教育訓練管理、品質イベント管理、監査管理をはじめとする規制対応に必要なモジュール群がワンパッケージで提供されており、この点に特に大きな優位性を感じました」(富松氏)

また、アズビルが完全なクラウドサービスでMasterControl™を提供していたことも選定を後押ししました。クラウドならシステムの運用にかかわる負荷が大幅に削減できることに加え、莫大(ばくだい)な初期投資も不要で、月額料金により無理なく運用できるというコスト面でのメリットもありました。

「さらに重要なポイントとなったのが、提案時のプレゼンテーションを通じて、アズビルは各種規制の内容を熟知し、対応にかかわる高度なスキル、ノウハウを持っていることが伝わってきたことです。単にシステムを提供するだけではなく、そうしたノウハウを駆使して、教育訓練管理から文書管理などを含めたバリデーションの実践をトータルに支援していこうとするアズビルの姿勢には、非常に魅力を感じました」(中道氏)

※MasterControl™は、MasterControl Inc.の商標です。

当局にも信頼の厚い製品の活用で、査察がスムーズに進むという利点も

ニプロファーマがMasterControl™の導入を正式に決めたのは2016年2月。その後、2018年12月にシステムの本格稼働を開始しました。導入を進めるにあたっては、工場ごとにバラバラだった品質システムなど規制対応のあり方を標準化していく取組みが進められました。「できれば既存のプロセスに近い形で電子化を行いたい」という各工場の意向に対する調整に難航することもありましたが、MasterControl™に合わせるという運用方針で推進しました。

「教育訓練管理は、今までは一人ひとりから紙を回収、記録、保管という手順で行っていましたが、MasterControl™では紙を使うことなくすべてシステム上で管理が完結するため、システムの運用を開始した工場からは、紙の作業にはもう戻せないという声がありました。また、MasterControl™では自分が行わなければならない作業がすべて『マイタスク』というところに表示されるため、作業漏れもなく、早く終わらせたいという心理が働くのか、計画書や報告書が今までより早く上がってくるようになり業務の効率化が進んでいるという話も聞きます」(青木氏)

「システム導入の際、コンピュータのバリデーションの知識については専門外のため大変苦労しました。様々な悩みに対してアズビルのエンジニアがいつでも的確に回答してくれたことで順調に導入作業を進めることができました」(中道氏)

現在、ニプロファーマでは、本社および国内8拠点とベトナム工場においてMasterControl™の導入を完了。文書管理や教育訓練管理、品質イベント管理、監査管理の各モジュールを活用し、日々の規制対応関連業務を紙からシステムに移行することで大幅な作業効率化を実現しています。

「システム導入後、既に当局による査察を何度か受けています。FDAなどでも採用されているMasterControl™は当局の信頼も厚く、査察がスムーズに進んだというのが実感です」(中道氏)

今後もニプロファーマでは、これらの成果も踏まえ、現在未適用となっている製造拠点へも電子化を展開していく予定です。

MasterControl™の利用に関しては、アズビルとの間でサポート契約を結んでおり、支援を随時受けられる体制を整えています。アズビルが定期的に開催しているユーザー会では、ユーザー同士の情報交換ができ、交流を深めています。アズビルには、今後も変わることのない手厚い支援を期待しています」(富松氏)

用語解説

※1 FDA(Food and Drug Administration)

米国食品医薬品局。食品や医薬品、化粧品、医療機器、動物薬、たばこ、玩具など、消費者が日常生活を行うにあたって接する機会のある製品に関し、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う米国の政府機関。

※2 バリデーション

医薬品等の製造に関する物事や手順の一つひとつが、想定した品質の医薬品等を製造するのにふさわしいことを科学的に検証し、文書化すること。ITシステムに対しても事前の想定どおりに動作するかの検証が必要になる。

※3 QMS(Quality Management System)

品質マネジメントシステム。製造物や提供されるサービスの品質を管理監督するシステム。

 

お客さま紹介

ニプロファーマ株式会社
常務取締役
信頼性保証本部長
品質保証部長
総括製造販売責任者
富松 秀樹 氏
ニプロファーマ株式会社
信頼性保証本部
QMS推進部
部長
中道 崇 氏
ニプロファーマ株式会社
信頼性保証本部
QMS推進部
主任
青木 康治朗 氏

ニプロファーマ株式会社

ニプロファーマ株式会社

  • 所在地/大阪府大阪市中央区道修町2-2-7
  • 設立/1950年7月25日
  • 事業内容/医療用医薬品の製造および販売、その輸出入

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2019 Vol.4(2019年08月発行)に掲載されたものです。

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