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PT. Aspex Kumbong

日本の技術を用いた省エネ診断の実施をきっかけに、製紙工場における消費電力を大幅削減

インドネシアで製紙事業を展開するPT. Aspex Kumbong。同社Bogor工場では、インドネシア国内における電力料金の急騰を見据え、以前から省エネルギーの取組みを推進してきました。省エネルギー診断を受けたことを契機に、日本の省エネ技術を採用。コンプレッサの運転制御とその配管設備を見直し、想定以上の成果を上げることに成功しました。

工場・プラント分野 紙パルプ 省エネルギー 海外 運転監視・制御システム&ソフトウェア

導入製品・サービス

Harmonas-DEO

Harmonas-DEO(英文サイトへリンク)

コンプレッサ最適制御 ENEOPTcomp

電力料金急騰に向けた対策が緊急の経営課題として浮上

1983年に設立された韓国KORINDOグループのPT. Aspex Kumbongは、インドネシアの西ジャワ州ジャカルタ郊外のCileungsiにある製紙会社です。同社Bogor工場では、新聞紙をはじめ、本やノート、電話帳用の紙やプリンタ用紙などの生産を行い、年間42万トンの生産能力を持っています。古紙を原料とする脱墨パルプ(DIP)の生産ラインも備えています。

インドネシアでは、これまで国が予算を拠出し、産業用や家庭用の電気料金を安い価格に抑える政策を取ってきました。しかし近年では燃料費高騰などにより政府が方針を転換。特にPT. Aspex Kumbongのような上場企業の大口需要家に対しては、2014年春以降、電気料金の引上げを段階的に実施し、最大約65%の値上げが行われています。

「当社にとっても、省エネルギーは経営上の切実なテーマとなっています。既に2~3年前から生産設備の省エネ対策に取り組んできました」(Choi氏)

Bogor工場では、抄紙機(しょうしき)※1を稼働するために必要な各種回転機(送水ポンプなど)にインバータを追加するなど、独自の取組みを行ってきました。

「自社内で省エネルギーの取組みを進めてきましたが、電気料金が上昇する中、さらなる省エネ対策の必要性を感じていました」(Choi氏)

そんなとき、アズビル株式会社のインドネシア現地法人 アズビル・ベルカ・インドネシア株式会社から、省エネ診断の提案がありました。

綿密な現地調査を経て、アズビルの省エネ技術を導入

2013年9月末の1週間をかけてBogor工場で現地調査と省エネ診断を実施。アズビルが同社に対してヒアリングを行い、現地調査に入って実際の機器の運転状況・制御の状態、エネルギー消費量などを確認しました。

現地調査で収集した運転データや情報を解析した結果、コンプレッサ稼働を制御し、最適化を図ることによって、電力消費量の6.4%という大幅な削減が見込める試算になりました。同社では、アズビルが提案するコンプレッサ最適制御 ENEOPT™compの導入を決断。2014年4月に着手した工事は、同年7月までに完了しました。

コンプレッサでつくられた圧縮空気は一時的にエアーサージタンクにためられる。圧力センサ Bravolight™(ブラボーライト)でタンク内の圧力を計測し、製造ライン側の需要量に応じてコンプレッサの台数制御を行う。

コンプレッサでつくられた圧縮空気は一時的にエアーサージタンクにためられる。圧力センサ Bravolight™(ブラボーライト)でタンク内の圧力を計測し、製造ライン側の需要量に応じてコンプレッサの台数制御を行う。

14台稼働している中のレシプロ式コンプレッサ。

14台稼働している中のレシプロ式コンプレッサ。

※ENEOPT、Harmonas-DEO、Bravolightは、アズビル株式会社の商標です。

診断時の想定値を大幅に上回る消費電力削減を実現

中央監視室に設置されているHarmonas-DEO。

中央監視室に設置されているHarmonas-DEO。

同工場では、3台の抄紙機に対して14台のコンプレッサが2台1セットでバックアップを行いながら稼働していました。今回の施策では、製造ラインごとに分断されていたエアー配管を見直しつなげることで、抄紙機ごとではなく製紙製造ライン全体としてコンプレッサの統合制御を可能にしました。具体的には、エアーサージタンクの圧力計測により需要状況を判断し、稼働・停止を行う台数制御の仕組みを採用。コンプレッサは常時7台稼働していましたが、4~5台で各製造ラインに必要な圧縮空気の要求を満たせるようにしました。特にBogor工場では、ターボ式、レシプロ式、スクリュー式という三つのタイプのコンプレッサを採用しており、制御を行うには各方式の特性を詳細に見極めた対応が不可欠です。

「アズビルが長年にわたり蓄積してきた高度なノウハウにより、そうした課題をクリアしてくれました。施策を実施した結果、診断時に見積もられた6.4%という省エネ率を上回る、8.5%もの電力削減を実現できました」(Choi氏)

さらに、同工場ではそれまで、各コンプレッサの設置場所1カ所当たり3~4人の作業員が張り付き、24時間体制で監視を行っていました。今回の施策では、コンプレッサ機器を効果的に監視するため、アズビルの監視・制御システムHarmonas-DEO™を導入。各コンプレッサの稼働状況や設備の運転状況を中央監視室から一元監視することが可能になりました。これにより各現場に人員を張り付かせる必要がなくなり、人的負荷が大幅に削減され、生産効率も向上しました。

今後もBogor工場では、さらなる投資を行いながら、コンプレッサにかかわる領域以外にも、省エネルギーに向けた施策を拡大していく考えです。

「一連の取組みを通じて、日本の高度な省エネ技術、そしてアズビルの行き届いた対応には非常に満足しています。今後も豊富なノウハウに基づく省エネ提案を大いに期待しています」(Choi氏)

※ENEOPT、Harmonas-DEO、Bravolightは、アズビル株式会社の商標です。

用語解説

※1 抄紙機(しょうしき)

紙を製造する機械。フォーマパート(抄造)、プレスパート(脱水)、ドライパート(乾燥)、リールパート(巻取り)から成り立っている。

 

お客さま紹介

PT. Aspex Kumbong
電気動力プラント部
ゼネラルマネジャー
Bongki Choi 氏

PT. Aspex Kumbong

PT. Aspex Kumbong Bogor 工場

  • 所在地/Jl. Raya Narogong KM. 26, Cileungsi, Bogor 16820, Jawa Barat, Indonesia
  • 設立/1983年
  • 事業内容/新聞、本、ノート、電話帳などの用紙製造

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2016 Vol.1(2016年02月発行)に掲載されたものです。

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