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洲本市役所 本庁舎

データに基づく継続的な設備の運用改善により、エネルギー削減率を着実に達成

洲本市役所では2017年2月に新本庁舎が竣工(しゅんこう)し、運用を開始。各種省エネ設備を備えた新本庁舎の運営にあたり、エネルギーの使用状況の可視化・分析、設備の運用検証と改善を支援するサービスを採用しました。結果、4年間にわたり、常に前年度を上回るエネルギー削減率を達成。温室効果ガス排出抑制による脱炭素社会に向けた社会的要請に応えています。

洲本市役所

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建物分野 官公庁建物 省エネルギー メンテナンスサポート 中央監視システム 建物のエネルギーマネジメント BASのトータルシステムメンテナンスサービス

各種省エネ機能を装備した新本庁舎を竣工

瀬戸内海東域に浮かぶ淡路島の中央部に位置し、島内の行政上の中心地となっている洲本市。2006年2月に五色町と合併した同市は、淡路島と本州、四国を結ぶ大動脈である神戸淡路鳴門自動車道が通る交通要衝(ようしょう)の一つとして、大きな役割を果たしています。また、市域内には瀬戸内海国立公園の指定地域である三熊山や五色浜をはじめ、豊かな自然環境を維持。これら地域資源を活かした交流を通して地域の活性化を図りながら、「豊かな自然とやさしさあふれる暮らし共創都市・洲本」の実現を目指しています。

洲本市役所では、庁舎の老朽化や耐震上の課題、市町村合併による市域拡大に伴う執務空間拡充の必要性などの理由から、それまでの本庁舎やほかの庁舎の一部業務を統合し、2017年2月に新本庁舎が竣工しました。運用を開始した新本庁舎は、計画から建設、運用、廃棄に至るまでの建物のライフサイクルを通じて環境負荷の低減に配慮した建築分野における環境保全対策のモデルとなる庁舎として、太陽光発電やLED照明を採用。空調熱源には電気式とガス式のヒートポンプを併用し、電力デマンドのピーク値をコントロールする取組みや、外気を利用した自然換気によって空調負荷を軽減するエコボイド※1の導入など、環境負荷の低減に配慮した設計・設備を積極的に取り入れています。

「新本庁舎では、空調設備の運用効率化などを目的に、旧庁舎にはなかった中央監視装置を導入しています。ただ、空調の制御や中央監視装置を活用した建物の運用に精通する職員がいるわけではないため、どのように適切に運用していくかという課題が竣工前から浮上していました」(光宮氏)

新本庁舎屋上に設置された電気式ヒートポンプ(左)とガス式ヒートポンプ(右)。電気による空調に加え、ガス空調を併用することで電力需要と電気の基本使用料を抑制することができる。

新本庁舎屋上に設置された電気式ヒートポンプ(左)とガス式ヒートポンプ(右)。電気による空調に加え、ガス空調を併用することで電力需要と電気の基本使用料を抑制することができる。

吹抜け空間の温度差を利用したエコボイドで自然エネルギーを活用する。冬季はファンの吸込み温度を計測し、建物上部にたまった暖かい空気をファンで1階に循環させる。中間期は建物上部の窓を開けて自然換気を行い建物内に空気の流れをつくって空調負荷低減を行う。

吹抜け空間の温度差を利用したエコボイドで自然エネルギーを活用する。冬季はファンの吸込み温度を計測し、建物上部にたまった暖かい空気をファンで1階に循環させる。中間期は建物上部の窓を開けて自然換気を行い建物内に空気の流れをつくって空調負荷低減を行う。

データに基づく可視化・分析で省エネルギーの取組みを進化させる

新本庁舎の設備を集中管理しているsavic-netFX2compact。収集したデータをアズビルのデータウェアセンターに送信し、新本庁舎設備の運用状況の確認および運用改善施策の立案に役立てられている。(写真撮影のため一時的にマスクを外しています)

新本庁舎の設備を集中管理しているsavic-netFX2compact。収集したデータをアズビルのデータウェアセンターに送信し、新本庁舎設備の運用状況の確認および運用改善施策の立案に役立てられている。(写真撮影のため一時的にマスクを外しています)

そうした折、新本庁舎の中央監視装置として導入されている建物管理システム savic-netFX2compact™を提供しているアズビル株式会社の担当者から、新本庁舎に導入されている設備や建物全体の運用を支援するサービスが提案されました。これを受けて同市では、リモートでメンテナンスの支援を受けることができるアズビルのトータルシステムメンテナンスサービスBESTMAN™EVとエネルギー管理支援サービスを採用することにしました。これらのサービスを利用することで、市役所職員による運用面、さらにはシステムやデータの活用面での不安が解消されることが期待できました。

リモートメンテナンスは、中央監視装置で収集されている設備の運転データや各種計測データをアズビルのデータウェアセンターに集約し、管理・分析を実施するもので、設備や制御の状態を常に良好に維持するための支援を行います。

エネルギー管理支援業務では、リモートメンテナンスによるデータ収集、管理・分析結果を基にエネルギー使用状況を可視化。対象となる建物に適した省エネ施策を提案することに加えて、設備の運用状況についても検証し、適宜改善に向けたアドバイスを行います。それらを半年ごとにまとめて報告し、市職員担当者とその内容を検討しています。

「洲本市は省エネ法※2の特定事業者の指定を受けており、年平均1%以上のエネルギー消費原単位の削減とその報告の義務を負っていますが、従来の取組みは日常的な細かな対応が中心であり、毎年継続してエネルギー削減の結果を出していくことはかなり難しいと感じていました。アズビルの支援サービスを導入し、データに基づいた運用改善を行えば、省エネルギーの取組みを体系立てたものへと大きく進化させられると考えました」(光宮氏)

前年度を確実に上回るエネルギー削減率を継続して達成

洲本市役所におけるエネルギー管理支援業務は2017年7月に契約し、既に6年目に入ります。その間アズビルは、新本庁舎全体のエネルギー使用量を多角的に分析・報告し、各種設備の運用評価や、改善に向けた運用チューニングのアドバイスも行ってきました。

「エネルギー使用量の詳細なレポートは、年度ごとに国に提出している省エネ法上の定期報告書の基礎資料としても有効活用しています。また省エネ施策においても、各設備の運用評価と改善に向けたアズビルのアドバイスに沿った対処により、効果の向上が実現できています」(光宮氏)

例えば、savic-netFX2compactのスケジュール設定値制御により、空調運用時間帯に応じて設定温度を変更するといった対応も、特に大きな効果を上げている事例の一つです。

「リモートメンテナンスを行うことで、遠隔からアズビルに同じデータを見てもらい、どういう分析が可能かという部分を知ることができてとても参考になっています。我々ができないところを補い、ともに管理してもらえるというところに魅力と安心を感じます」(光宮氏)

洲本市役所新本庁舎では、こうしたエネルギー管理支援業務の活用によって、毎年、前年度を確実に上回る使用エネルギーの削減率を達成しています。支援サービス開始後の2018年度のエネルギー消費量は、2017年度比で31.3%の削減を実現。さらに2019年度も前年度比4.7%、2020年度は前年度比3.7%の削減と、新本庁舎における使用エネルギーの削減率は順調に推移しています。

「どんなに有効な設備やシステムを導入したとしても漫然と運用するだけでは、十分な効果を発揮しません。データという客観的な根拠に基づく適切な運用改善を継続的に行っていくことで初めて、その効果を最大化できるものと考えます」(光宮氏)

洲本市役所では、今回の新本庁舎における一連の取組みをモデルケースに、今後は市が所有・運営するそのほかの施設においても省エネ施策を推進していく意向です。その一環として、同市役所ではアズビルが提供する、省エネ法に対応するための特定事業者向けエネルギー管理支援業務を新たに採用。2021年度から特定事業者として、事業体全体での省エネルギーに向けて管理を強化しています。

「まずは主要な施設から着手し、そこでどういう省エネ対策が可能かということを検証しながら施策を進め、いずれは市の全施設へと裾野を広げていきたいと考えています。それに向け、今後もアズビルには手厚い支援を期待しているところです」(光宮氏)

※savic-net、FX2compact、BESTMANは、アズビル株式会社の商標です。

用語解説

※1 エコボイド

吹抜け空間の温度差を利用した自然換気システム。暖められた空気が上昇する「煙突効果」による換気と、風向に応じた「風の抜け道」による換気を組み合わせることで、積極的に外気を取り入れ自然換気を促進する仕組み。

※2 省エネ法

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」。工場や事業所が使用するエネルギー量(原油換算)によって「第一種エネルギー管理指定工場等」(3,000kl/年以上)、「第二種エネルギー管理指定工場等」(1,500kl/年以上3,000kl/年未満)をそれぞれ指定し、エネルギー使用状況届出書、中長期計画書、定期報告書といった法定書類の提出やエネルギー管理統括者などの選任を求めている。

お客さま紹介

洲本市 総務部総務課 総務行政係 総務担当係長 光宮 智章 氏
洲本市
総務部総務課
総務行政係
総務担当係長
光宮 智章 氏

洲本市役所 本庁舎

  • 所在地/兵庫県洲本市本町3-4-10
  • 市制開始/1940年
  • 概要/淡路島の行政上の中心地として「豊かな自然とやさしさあふれる暮らし共創都市・洲本」の実現を目指している。

この記事は2022年01月に掲載されたものです。

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