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高松シンボルタワー

複合施設の入退室管理システム全面リプレースを実施、利便性の向上と保守体制の充実がセキュリティ強化に貢献

高松シンボルタワーでは、更新時期を控え、老朽化が進んでいた入退室管理システムを全面的に刷新。建物内の各部屋の出入り口に取り付けられた電気錠を開閉するための非接触ICカードリーダ約270台を新たな機器へと置き換えるとともに、入退室監視システムをリニューアルしました。その結果、カードリーダの感度向上が入居者の利便性を高めるとともに、保守体制も充実。より堅牢なセキュリティ対策の実現につながっています。

建物分野 オフィスビル ショッピングセンター 複合ビル その他(市場・産業) 安全・安心 快適 老朽化対策 セキュリティ対策 入退室管理システム

入退室管理システムの老朽化が進行。不具合の頻発が切実な課題に

高松シンボルタワーの中央監視防災センターに設置されているsavic-net FX2 セキュリティ。建物内の各部屋の出入り口に設置された非接触ICカードリーダと連動し、在/不在(警戒/非警戒)状況などを入退室管理システムとして一元管理している。

高松シンボルタワーの中央監視防災センターに設置されているsavic-net™FX2 セキュリティ。建物内の各部屋の出入り口に設置された非接触ICカードリーダと連動し、在/不在(警戒/非警戒)状況などを入退室管理システムとして一元管理している。

四国の北東部に位置し、瀬戸内海に面する香川県。その県庁所在地である高松市は、明治時代から四国と本州を結ぶ連絡船が発着する港町として栄え、四国を総括する国の出先機関や、企業の支社・支店が置かれるなど、四国における政治・経済の中核都市として役割を果たしてきました。2001年5月から香川県と高松市では、民間企業の参画を得て、JR高松駅、高松港、駅前広場などを整備し「サンポート高松」計画に基づく取組みを本格化。ビジネス・商業機能の集積、および国際化・情報化に対応した新たな街づくりを進めています。同計画の象徴が、2004年3月30日に開業した高松シンボルタワーです。地下2階、地上30階のタワー棟と、地下2階、地上7階のホール棟で構成され、県の施設であるかがわ国際会議場・展示場や高松市の市民ギャラリー、民間の商業施設やオフィスなどが入居しています。

「オープンから10年以上が経過し、設備や中央監視システムの更新時期を控え、老朽化も進んできていました。特に防犯上の重要な役目を担う入退室管理システムについては、既に2010年ごろから不具合の発生が目立っている状況でした」(橋本氏)

例えば、各部屋の扉に取り付けた電気錠の開閉を行うための非接触ICカードリーダが建物全体で約270台設置されていますが、受電設備の点検時にすべての電源を落とすと、電源投入後の再起動が自動で行えない機器が数十台に上る不具合なども、この数年、常態化していました。カードリーダが故障してしまうと、復旧するまで警備員が対象のフロアに立つなど、業務上の負荷も増大していました。

「そのほかにも、カードリーダからの情報を基に、各部屋の在/不在(警戒/非警戒)といった状況を一元管理している入退室監視システムが、老朽化によりフリーズするといったこともたびたび発生していました。そこで、現行のカードリーダやシステムの保守期限が切れる時期を見据えながら、2014年夏ごろから入退室管理システム全体の刷新に向けた検討を開始し、最終的に新システムへの移行を決定しました」(橋本氏)

設備状況の詳細な事前確認による綿密な工事手順の立案が円滑な工事実現に

各部屋の出入り口に設置されている非接触ICカードリーダ。旧カードリーダとはサイズが異なっていたため、リプレースにあたっては見栄えを整えるための化粧板も作られた。

各部屋の出入り口に設置されている非接触ICカードリーダ。旧カードリーダとはサイズが異なっていたため、リプレースにあたっては見栄えを整えるための化粧板も作られた。

事業者の選定に関しては、高松シンボルタワー自体が、民間に加えて香川県、高松市という自治体が区分所有する公共的な施設であることから競争入札が行われました。その結果、2016年10月、今回のシステム更新プロジェクトを綜合警備保障株式会社(ALSOK)が請け負うことに決定。入退室管理システムの提供から導入、工事、保守までを担うアズビル株式会社とチームを組み、更新工事を行うことになりました。

「アズビルには建物の竣工当初から、空調の自動制御の領域で各種製品の導入や調整・メンテナンスをしてもらっていました。ALSOKについても、開業以来、常駐警備業務を担当してもらっていましたから、その両社がタッグを組んで新しい入退室管理システムを担当してくれることになり、大きな安心感がありました」(橋本氏)

同年12月からカードリーダの置換えをはじめとする新システム導入工事がスタートしました。民間の所有区分には、様々な業種・業態のテナントが入居しているため、建物の管理運営を行っているシンボルタワー開発株式会社がALSOKと共に説明会を開催。出入り口のカードリーダの置換え工事に伴い、順次2~3フロアごとに行われる更新工事のスケジュール調整について各テナントの協力を得ていきました。

「工事はビルを稼働させた状態で実施していきました。その際に最重要事項だったのが、工事対象外のフロアに一切の影響を及ぼさないことでした。工事に際しては、アズビルが配線状況などの事前確認作業をしっかりと行い、綿密な工事手順を組み立ててくれたため、大きなトラブルもなく円滑に工事を進めることができました」(大西氏)

利便性の向上と保守体制の充実でセキュリティ対策の強化を実現

中央監視に設置されているキーボックス。カードを使わず、鍵で出入り口の開閉を行っているテナントから鍵を預かるために設置されている。鍵の貸出時の認証にはカードを用いる。

中央監視に設置されているキーボックス。カードを使わず、鍵で出入り口の開閉を行っているテナントから鍵を預かるために設置されている。鍵の貸出時の認証にはカードを用いる。

2017年3月には、高松シンボルタワー内に設置されたすべてのカードリーダのリプレースを完了。新たに導入されたアズビルのsavic-net™FX2 セキュリティの下で、各部屋の入退室状況が一元的かつ集中的に管理される仕組みが整いました。

「テナントの皆さまからは、カードリーダの感度が高まり、読取り不良でカードをかざし直すといったこともなくなったという声をいただいています。そして以前のシステム不具合の発生はなくなり安定稼働しています」(橋本氏)

「管理面についていえば、監視画面の見やすさや操作性が大幅に高まっていることに加え、ALSOKが請け負っている新規ICカードの発行やカードごとのユーザー情報・入室権限の登録業務においても、スムーズに対応できるようになりました。さらに、今回導入した入退室管理システムの運用において、疑問や気付いた点をアズビルに問い合わせると、担当者がすぐに駆けつけてくれます。万一、機器の故障やシステムの不具合など一刻を争う事態が起こっても、同様にスピーディな対応が期待できることは、我々にとって大きなメリットだと感じています」(大西氏)

「今後、高松シンボルタワーは、懸念される南海トラフを震源域とする大地震の発生などを想定し、電源供給を停止せざるを得なくなった際の入退室管理の運用といった災害対策なども、より詳細に検討していく必要があります。BCP(事業継続計画)の視点に立ったセキュリティ対策なども含め、アズビルには今後もその豊富な知見に基づくアドバイスを大いに期待しています」(橋本氏)

※ savic-net、savic-net FXは、アズビル株式会社の商標です。

お客さま紹介

シンボルタワー開発株式会社
施設管理部
部長
橋本 和博 氏
綜合警備保障株式会社
香川支社
セキュリティサービス部 技術課
課長
大西 英俊 氏

高松シンボルタワー

シンボルタワー開発株式会社

  • 所在地/香川県高松市サンポート2-1
    高松シンボルタワー(タワー棟)6階
  • 設立/2000年7月25日
  • 事業内容/高松シンボルタワーの所有、
    賃貸、維持・管理および運営業務など

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2018 Vol.1(2018年02月発行)に掲載されたものです。

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