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ゲートシティ大崎

3カ年に及ぶ大規模プロジェクトを経て、執務環境の快適性と省エネルギーの両立へ

1999年2月に開業したゲートシティ大崎では、長年の運用により老朽化した空調の中央監視システムの更新を機に、空調にかかわる課題のトータルな解消を目指して3カ年に及ぶ大規模なリプレースを実施しました。執務環境の快適性・利便性を向上させ、省エネ施策を支えるエネルギーの消費動向をいつでも確認できる環境を実現しました。

建物分野 オフィスビル 複合ビル 快適 省エネルギー エネルギーマネジメント コスト削減 老朽化対策 クラウド・IoT・AI 中央監視システム ビル向けクラウドサービス 建物のエネルギーマネジメント

中央監視システムの更新とエネルギーへの対応などが課題に

東京副都心の一つである大崎駅周辺地区で、1999年2月に再開発施設として開業したゲートシティ大崎。快適な都市環境づくりを目指した施設は、業務商業棟と住宅棟を中心に、多彩な都市機能を集積しています。また“大崎の森”を目指した敷地内の緑化推進をはじめ、壁面太陽光パネルや雨水・再生水の利用など環境負荷低減や省エネルギーにも積極的に取り組み、CASBEE®(建築物総合環境性能評価システム)※1最高位のSランクを取得しています。

同施設では竣工(しゅんこう)時に導入したアズビル株式会社の中央監視システムで空調設備の運用を行ってきましたが、システムの早期更新や、省エネルギーへの対応、テナント様の快適性向上などが課題となっていました。

「長年の運用により、機器が故障した際に復旧できなくなるのではという懸念が常にありました」(秋山氏)

クラウドサービスの導入で、テナント様とビル管理両面の利便性がアップ

中央監視システム更新の検討に着手したゲートシティ大崎では、空調運用、エネルギー管理にかかわる様々な課題の解消を目指すことを決め、入札を実施しました。アズビルでは、中央監視システムを最新の建物管理システム savic-net™G5に更新することをベースに、各テナント様のパソコンやスマートフォンなどから空調の状態を確認することができるビル向けクラウドサービス TS(テナントサービス)およびビルで使用されているエネルギーの見える化を行うEM(エネルギー管理)を提案。2020年7月、アズビルが3カ年にわたる同プロジェクトを請け負うことになりました。savic-net G5では設備の管理点数が大幅に増えることに加え、空調ゾーンの細分化で、よりきめ細かな空調制御やエネルギー管理が行えるようになり、快適な執務環境が実現できるようになりました。

また同時に、建物の約半分のテナント様に既に導入されていた他ベンダーの空調時間の延長申請用クラウドサービスを、ビル全体でアズビルのクラウドTSに一本化。これにより各テナント様からの空調時間の延長申請がビル全体で統一してWebから行えるようになりました。

「これまでクラウドサービスが導入されていなかったテナント様では、コアタイム以外の空調時間の延長申請は紙の申請書を防災センターに提出していました。Web上で申請ができるようになり、私たちの窓口対応業務も確実に削減することができました」(植園氏)

クラウドTSでは、各テナント様から居室内の温度や空調機の運転状態を確認し、温度設定の変更も可能です。

「人によって温度の感じ方が違うので、きめ細かな制御ができるようになり、テナント様からも室温については自分たちの要望に合わせやすくなったという声を聞いています」(坂谷氏)

ゲートシティ大崎は多くのテナント様が既に入居している建物ということから、更新工事の作業にあたっては、テナント様の稼働に影響を及ぼさないことを最優先に進めました。そして更新工事にかかわるテナント様への説明資料の作成や、クラウドサービスの導入・運用に関するテナント様への説明などは、ビルの管理側とアズビルが一体となって実施していきました。

「アズビルとは新築時からのお付き合いであるため、担当者も当施設の設備に精通していて、こちらからの要望を伝える際もコミュニケーションが非常に取りやすかったです」(松田氏)

中央監視室に設置されたsavic-net G5の監視端末。設備の稼働状況に加え、居室内の温度や湿度などをグラフィックで確認できる。

中央監視室に設置されたsavic-net G5の監視端末。設備の稼働状況に加え、居室内の温度や湿度などをグラフィックで確認できる。

アズビルのビル向けクラウドサービス TSを利用し、オフィス内の空調ゾーンごとに温度設定の変更ができることに加え、空調機の運転状態やスケジュールの確認、コア時間外の空調時間の延長申請も行うことができる。

アズビルのビル向けクラウドサービス TSを利用し、オフィス内の空調ゾーンごとに温度設定の変更ができることに加え、空調機の運転状態やスケジュールの確認、コア時間外の空調時間の延長申請も行うことができる。

エネルギー消費動向を可視化し、省エネ推進と執務環境の快適性を両立

ゲートシティ大崎では、執務環境の快適性実現とともに、さらなる省エネルギーの推進を目指しています。クラウドEMの導入により、エネルギー消費動向の見える化を実施したことも、今回のプロジェクトにおける重要なポイントです。

「ビル全体のより詳細なエネルギー使用状況が把握できるようになりました。東京都の環境確保条例では2025年度からCO2削減義務の第4計画期間が始まります。まずはその達成に向けて運用改善を行っていく予定です。アズビルに解析してもらったデータを基に毎月、アズビルの省エネ担当と会議を行っており、膨大な運用データは十分に活用できると考えています」(植園氏)

希望したテナント様においては、Web上で自らのフロアのエネルギー消費動向を随時確認することも可能です。今回の工事で、テナント様およびビルの管理側の利便性が向上し、省エネ施策の推進を実行する環境も整いました。

「必要なインフラをしっかりと整備できたことが、何よりも大きな成果だと捉えています。今後も当施設では、東京都の環境確保条例などのコンプライアンス上の要件を確実に満たしながら、さらなる省エネルギーを推進するとともに、テナント様の執務環境の快適性を引き続き確保し、オフィスビルとしての価値をますます向上させていきます」(坂谷氏)

アズビルのビル向けクラウドサービス EMの画面。外気温度に対しての現在の電力使用量をグラフで確認することができる。

アズビルのビル向けクラウドサービス EMの画面。外気温度に対しての現在の電力使用量をグラフで確認することができる。

※savic-netは、アズビル株式会社の商標です。
※CASBEE®は、(一財)住宅・建築SDGs推進センターの登録商標です。

用語解説

※1 CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)

建築物の環境性能を評価し格付けする手法。省エネルギーや環境負荷の少ない資材・機材の使用といった環境配慮に加え、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価し、SランクからCランクまでの5段階で格付けする。

 

お客さま紹介

三井不動産 ビルマネジメント株式会社 大崎マネジメントオフィス 副所長 坂谷 将人 氏
三井不動産
ビルマネジメント株式会社
大崎マネジメントオフィス
副所長
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ゲートシティ大崎 サービスセンター長 植園 裕次 氏
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サービスセンター長
植園 裕次 氏
ゲートシティ大崎 サービスセンター 秋山 慶太 氏
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サービスセンター
秋山 慶太 氏
ゲートシティ大崎 サービスセンター 松田 桂一 氏
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サービスセンター
松田 桂一 氏

ゲートシティ大崎

  • 所在地/東京都品川区大崎1-11-1
  • 竣工/1999年1月
  • 施設概要/地上24階、地下4階、塔屋1階、建築面積18,209.39m²、延床面積291,883.62m²

この記事は2024年07月に掲載されたものです。

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