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公立大学法人 静岡文化芸術大学

最新の統合化セキュリティシステムの導入で
大学の安全性確保、利便性向上、施設管理の効率化を実現

静岡文化芸術大学では、2000年の開学以来運用を続けてきた入退室管理システムが老朽化し、機密度の高い教員研究室への入退室管理、および教員の在室状況表示などにおいて課題が浮上していました。新たなシステムへの更新を実施し、入退室情報に連動して教員の在室状況を把握する仕組みに加え、FeliCa規格の非接触ICカード導入によりセキュリティ面だけではない多目的な利便性が向上。さらに、設備を含めた建物全体を一括で管理する体制の充実を図りました。

建物分野 学校 安全・安心 快適 老朽化対策 メンテナンスサポート 入退室管理システム 総合ビル管理サービス

入退室管理・在室表示において、老朽化と運用をめぐる課題が浮上

2000年に公設民営方式の私立大学として、静岡県浜松市に開学した公立大学法人 静岡文化芸術大学。現在では、文化政策学部、デザイン学部および大学院を擁する公立大学法人として教育・研究活動を展開。地域、国際、世代など様々な観点で「開かれた大学」を目指し、地域と文化に貢献する人材輩出に向けた取組みに注力しています。

「当大学の理念は、時代の要請に応える『実務型の人材育成』です。純粋なアーティストを育てるというよりは、アーティストのマネジメントに携わる人材や、企業のデザイナーとして商業デザインの分野を担う人材の育成を念頭に置いた教育を行っています」(鈴木氏)

一般に大学内にある教員の研究室などでは、研究資料といった機密性の高い情報が管理されているため、入退室に関する十分なセキュリティ対策を施すことが求められます。静岡文化芸術大学では、2000年の校舎竣工時から、北棟の高層階に並ぶ教員研究室の出入り口に電気錠を設置し、教員が磁気カードを使って施錠/解錠を行っていました。

「しかし、12~13年にわたって運用する中で老朽化が目立ち始めてきました。磁気カードをカードリーダに通す操作の繰り返しでカードが摩耗するため、読み取りエラーが頻発しており、加えて、身分証となる教職員証も入退室カードと兼用していたため、摩耗で表面が見えなくなり多くのカードの再発行を行っていました」(村木氏)

一方で、校舎の学生ホール、西エントランスなどには各教員の在室状況を示す出退表示LEDランプがあり、現在の教員の在室状況を学生などが確認できる設備も整えていました。

「出退表示LEDランプ上での在室状況表示については、教員が入室/退室のたびに、内線電話を操作して表示を切り替えていました。しかし、操作を忘れるなど、正しい状況が反映されていないこともあり、課題となっていたのです」(鈴木氏)

学生ホールに設置された教員の在室状況を表示する液晶ディスプレイ。各教職員の「在室」「学内(講義中)」「外出」「不在(帰宅)」を表示している。また、画面のレイアウトや色使いなどは、ユニバーサルデザインに基づいて設計されており、色覚障がい者にも容易に視認できるよう工夫されている。

学生ホールに設置された教員の在室状況を表示する液晶ディスプレイ。各教職員の「在室」「学内(講義中)」「外出」「不在(帰宅)」を表示している。また、画面のレイアウトや色使いなどは、ユニバーサルデザインに基づいて設計されており、色覚障がい者にも容易に視認できるよう工夫されている。

教員の在室情報は、学内ネットワークに接続されたパソコンからも参照可能。教員間で相互の所在確認を行う手段として広く活用されている。

教員の在室情報は、学内ネットワークに接続されたパソコンからも参照可能。教員間で相互の所在確認を行う手段として広く活用されている。

24時間365日の遠隔監視と建物を知り尽くした保守体制に信頼

中央監視室に設置されたsavic-net FX2 セキュリティの監視画面。アズビルのBOSSセンターに接続され、遠隔監視も併せて行われている。

中央監視室に設置されたsavic-net FX2 セキュリティの監視画面。アズビルのBOSSセンターに接続され、遠隔監視も併せて行われている。

こうした課題を解消するために、入退室管理の仕組みをリニューアルすべく2012年から検討を開始。既存の入退室管理システムでは、最終退室時の施錠に連動して執務室の照明と空調がオフされる仕組みや、火災発生時には施錠されている扉が自動で解錠するパニックオープンの制御などを空調・照明・防災の各システムと連携して行っていました。新システムにおいても、これらの機能が継承できることを基本要件として検討を重ねた結果、静岡文化芸術大学の建物全体について空調をはじめとした設備全般の管理を行う中央監視システムを導入しているアズビル株式会社に新たな入退室管理システムの構築を依頼することを決定しました。

「開学以来、アズビルの総合ビル管理サービス BOSS-24™を導入しており、遠隔にあるアズビルのBOSSセンターから当大学設備の監視を24時間365日行っています。緊急時にはアズビルの社員がすぐに駆けつけてくれ、その対応には大変満足しており、大きな信頼を寄せています。設備全般にわたってアズビルの保守体制が機能していることに加え、当大学の建物全体を知り尽くしたアズビルに今回の取組みを任せることは自然な流れであり、安心感がありました」(村木氏)

設備としては、電気錠の入退室カードを従来の磁気カードに代えて、今後、汎用的な活用が見込めるFeliCa規格の非接触ICカードを採用。学内100カ所以上のカードリーダを入れ替え、新たに導入したsavic-net™FX2 セキュリティシステムで管理。空調・照明・防災各システムと連動するという仕組みを構築しました。また教員の在室表示は、従来のプラスチック製ネームプレート式の出退表示LEDランプを撤去して、60インチの大型液晶ディスプレイを導入。savic-net FX2セキュリティから得た教員の入退出情報に基づいて、在室状況を表示するという仕組みへと移行しました。

実際の工事を進めるにあたっては、セキュリティという性質上、旧システムと新システムを並行して稼働させながら実施。2014年4月に、新たな仕組みへ全面切替えを完了しました。

在室状況表示の精度が向上、PCからの在室状況確認も可能に

教員は研究室入り口でICカードをリーダにかざして施錠/解錠を行う。また、カードリーダの液晶パネルで「学内(講義中)」「外出」などを選択することで、エントランスに設置された出退表示液晶ディスプレイの情報が自動で切り替わる。

教員は研究室入り口でICカードをリーダにかざして施錠/解錠を行う。また、カードリーダの液晶パネルで「学内(講義中)」「外出」などを選択することで、エントランスに設置された出退表示液晶ディスプレイの情報が自動で切り替わる。

こうした静岡文化芸術大学における取組みの成果は、様々な場面に表れています。まず、入退室時の施錠/解錠操作が大型液晶ディスプレイの在室表示に直接反映されることになり、教員の在室状況の表示精度が格段に向上しました。さらにFeliCa規格の非接触ICカードを採用したタイミングで、教職員証および学生証を兼用で使える同カードに変更しました。これにより、教職員証および学生証がカードキーを兼ねるだけでなく、コピー機の認証や出欠集計など多目的な用途に応用が利きやすくなりました。

「非接触ICカードの採用で、カード自体の摩耗がないことによる読取りエラーの減少や、財布やカードケースから取り出すことなく操作できることなど、信頼性と操作性が向上しました。また、学内のネットワークにつながっているパソコンから、教職員が各教員の在室状況を確認することができるようになったため、今までのように所在確認のために出退表示LEDランプまで出向いて確認することもなくなり大変便利になりました」(村木氏)

「今回のシステム更新でアズビルは、旧システムの配線など、使えるものは有効活用して工事期間を短縮し、コストを抑えた対応をしてくれました。校舎自体も建設されて15年以上が経過し、様々な設備に老朽化が見られますが、今後もアズビルには、高度な知見とノウハウに基づいて、設備の更新や延命措置にかかわる効果的な提案を継続的に行っていってくれることを大いに期待しています」(鈴木氏)

※ savic-net、savic-net FX、BOSS-24は、アズビル株式会社の商標です。
※ FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。 FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。

お客さま紹介

公立大学法人 静岡文化芸術大学 財務室 室長 鈴木 一志 氏
公立大学法人
静岡文化芸術大学
財務室
室長
鈴木 一志 氏
公立大学法人 静岡文化芸術大学 財務室 室長代理 村木 剛 氏
公立大学法人
静岡文化芸術大学
財務室
室長代理
村木 剛 氏

公立大学法人 静岡文化芸術大学

公立大学法人 静岡文化芸術大学

  • 所在地/静岡県浜松市中区中央2-1-1
  • 開学/2000年4月
  • 設置学部・研究科/文化政策学部/デザイン学部(大学)、文化政策研究科/デザイン研究科(大学院)

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2017 Vol.3(2017年06月発行)に掲載されたものです。

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