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PT Pertamina (Persero) Refinery Unit lV

石油精製工場内動力プラントに高度制御を導入
ボイラの最適運用で温室効果ガスの大幅削減に成功

インドネシア最大手のガス・石油関連企業であるPT Pertamina (Persero)とアズビルは、日本国政府が主導し、インドネシアがパートナー国となっている二国間クレジット制度(JCM)プロジェクトに参加。動力プラントに高度制御を導入し、ボイラの最適運用をすることで、当初の目標を大幅に上回る二酸化炭素(CO2)排出量削減に成功しました。

工場・プラント分野 石油・石油化学 省エネルギー 海外 運転監視・制御システム&ソフトウェア

導入製品・サービス

低炭素技術を導入し環境経営を推進

PT Pertamina (Persero)(プルタミナ)は、1957年にインドネシア政府が設立した石油関連企業です。2001年11月に民営化され、国内最大規模の石油・ガス関連企業に成長しました。インドネシア各地に石油・天然ガスの採掘基地を持ち、国内6カ所の製油所でガソリンや軽油・重油、液化天然ガス(LNG)、ジェット燃料といった各種燃料から、アスファルトやコークスなどの非燃料系製品、ベンゼンやパラキシレンといった石油化学製品まで幅広く扱っています。

インドネシアは2001年以降、高度成長期が続いており、昨今ではガソリンに代表されるエネルギー需要が急増していることから、製油所の能力増強が国策となっています。プルタミナ社は国有有限責任会社として、製油所能力増強の取組みに加え、産業はもちろん環境問題についてもリードしていく立場から、環境・省エネ対策といった経営課題にも積極的に取り組んでいます。そんな同社が参加したのが、日本が構築、実施している二国間クレジット制度(JCM)実証事業です。

JCMは、途上国への優れた低炭素技術、製品、システム、サービスなどの普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減への日本の貢献を定量的に評価し、日本の削減目標に活用する二国間の制度です。アズビル株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「地球温暖化対策技術普及等推進事業/動力プラント(ボイラ、タービン設備)への運用最適化技術の適用」の実証事業を委託されました。プルタミナ社が所有する製油所のうち、中部ジャワ州チラチャップにある第lV製油所のボイラシステムを対象とし、実証事業が開始されました。

ボイラシステムの運用最適化で3万5000トンのCO2を削減

オフィスのパソコンからSORTiAの画面にアクセスし、各ボイラの稼働状況を確認することができる。

オフィスのパソコンからSORTiAの画面にアクセスし、各ボイラの稼働状況を確認することができる。

製油所は石油精製装置と動力プラントから構成されます。製油所全体で使う燃料の約半分を消費する動力プラントにアズビルの高度制御を導入して効率化を図り、CO2排出量削減を目指すことになりました。

「これまでにアズビルの高度制御を常圧蒸留塔へ導入し、大きな効果を得てきました。この実績を受け、動力プラントへの高度制御導入による省エネ効果にも大いに期待しました」(Muddin氏)

2017年4月、ボイラシステムに対しアズビルの制御高度化ソリューションSORTiA™の導入作業に着手、12月に高度制御の導入が完了、2018年1月から運用を開始しました。

対象となるボイラはオイルとガスを混合して燃焼させる混焼式です。ボイラの特性によってガス燃料の燃焼効率に違いがあるため、どのボイラでガス燃料を利用すると最も効率的かという判断が重要でした。アズビルはオイルとガスの投入比率を計算し、最も効率の良いボイラに多くのガス燃料を振り分ける制御を構築し、今までの運用よりも大幅な省エネルギーを実現しました。

「以前は、ボイラごとにDCS※1から手動操作で燃料の負荷配分を行っていました。高度制御を導入してからは、自動制御で燃料の負荷配分を行うことでシステム効率が上がり、CO2を削減することができました」(Bahagia氏)

「高度制御の導入に先立ち、アズビルが既存のDCSに対してPIDチューニングを実施したおかげで、ボイラの稼働状態が非常に安定しました。そこに高度制御を入れることで確実に効果を上げることができました」(Fitranurkhaliq氏)

「当初、私たちが掲げたCO2削減目標は2万トン/年でしたが、結果的には10カ月で3万5000トンのCO2削減を達成しました。燃料削減効果は約3億円にも上ります」(Parayana氏)

※SORTiAは、アズビル株式会社の登録商標です。

現場密着型の人材育成で継続的な効果を期待

高度制御の導入に当たっては、オペレータをはじめとした現場の人材育成にもアズビルが大きくかかわっています。

「設備のトラブルが起こるなど、作業の遅れが発生する中、アズビルは現場で担当者と密接にコミュニケーションを取りながら納期どおりに進めてくれました。また、オペレータの異動が多い中、新任のオペレータに対しても根気よくトレーニング対応をしてくれました」(Saleh氏)

設備トラブルのため、非定常運転に入ると、ボイラの運転はオペレータが手動で行います。ボイラの状態が安定し、定常運転状態になると、オペレータの判断で高度制御の自動運転に切り替えます。オペレータは、アズビルのトレーニングで高度制御の内容や運転のノウハウを習得し、その効果を熟知した上で適切にハンドリングしています。その結果、高度制御の稼働率を高い状態に保ち、確実な燃料およびCO2の削減につながっています。

「オペレータに対する教育をアズビルが継続的に行ってきた効果が、プルタミナが目指しているサステナビリティ(継続した省エネルギー)にもつながっています」(Saleh氏)

「高度制御と既設制御システム間の通信異常などの不具合が起きた際も、アズビルのレスポンスは非常に早く、現地のアズビル・ベルカ・インドネシア株式会社が対応を行い、さらにはアズビルが日本からリモートアクセスにより課題解決に取り組んでくれました」(Muddin氏)

「現在、ガソリンのオクタン価を上げるプロジェクトや製油所の能力拡大、ディーゼルの欧州規制に対応するプロジェクトなどが進行しており、エネルギー効率の向上は大変重要な意味を持ちます。価値の高い製品を生産するために、高度制御は必要不可欠です」(Yudhistiro氏)

「アズビルは、チャレンジングな燃料/CO2削減目標の達成、そして人材育成という、経営者視点のターゲットをすべてクリアしてくれました。今後もアズビルにはビジネスパートナーとしてのさらなる協力を期待しています」(Dekri氏)

用語解説

※1 DCS(Distributed Control System)

分散制御システム。プラント・工場の製造プロセスや生産設備などを監視・制御するための専用システム。

 

お客さま紹介

PT Pertamina (Persero)
本社
Refining Performance Excellence
バイスプレジデント
Yulian Dekri 氏
PT Pertamina (Persero)
本社
Process & Product Improvement
マネージャー
Herry Saleh 氏
PT Pertamina (Persero)
本社
Refining Process Solution
シニア スペシャリスト
Nanda Dharma Parayana 氏
PT Pertamina (Persero)
第lV製油所
副工場長
Nur Qadim 氏
PT Pertamina (Persero)
第lV製油所
Engineering & Development
マネージャー
Didik Bahagia 氏
PT Pertamina (Persero)
第lV製油所
Process Engineering l
チームリーダー
Hermawan
Yudhistiro 氏
PT Pertamina (Persero)
第lV製油所
Facility & Quality
Nidlom Muddin 氏
PT Pertamina (Persero)
第lV製油所
Process Engineering l
Auromi
Fitranurkhaliq 氏

PT Pertamina (Persero) Refinery Unit lV

PT Pertamina (Persero) Refinery Unit lV

  • 所在地/Jl. Mt. Haryono No. 77, Rawakeong, Lomanis, Cilacap Tengah, Kabupaten Cilacap, Jawa Tengah 53221 Indonesia
  • 操業開始/1974年
  • 事業内容/原油、天然ガスの開発・精製、石油化学製品の流通・販売

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2019 Vol.3(2019年06月発行)に掲載されたものです。

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