アズビル、MEMS加工技術でデポ対策を強化したサファイア隔膜真空計を発売開始

2023年1月24日
アズビル株式会社

アズビル株式会社(本社:千代田区丸の内2-7-3 社長:山本清博)は、MEMS*1加工技術でデポ*2対策を強化した、サファイア隔膜真空計 形 V8を1月25日より販売開始します。

半導体プロセスは日々進化しており、それに伴い、前工程の成膜・エッチングにおいても、使用されるガスの種類が増加しています。
プロセスガスの種類によっては、この工程で使用する真空計のセンサダイヤフラム上に膜が形成されてしまう、デポと呼ばれる現象が発生することがあり、ゼロ点がシフトする現象が多く確認されています。そのため真空計の調整頻度が増え、計画通りに生産できないなど、半導体成膜・エッチング装置のユーザーにとって大きな課題となっています。

当社はこれまでも新たなガスの使用に伴い発生し続けるこの課題を解決するための製品を開発・販売してきましたが、今回販売開始する形 V8では、センサ構造・通路などの全面的な見直しを行いました。MEMS技術を用いてセンサ表面を凸凹に加工し膜の付着を極力分断する凸凹センサの開発や、従来製品のフラットセンサに対しても応力*3のバランスの改良を施し、センサダイヤフラムの表面をたわみにくくするなどの対策の結果、デポによるゼロ点シフト量は、当社従来製品であるサファイア隔膜真空計 形 SPGとの比較で1/10と大幅に改善しました。

また、新たに250℃の高温まで使用可能な分離型をラインアップに追加し、成膜工程で使用されるALD*4装置においてプロセスガスの変更に伴う高温環境での使用にも対応できるようになりました。

形 V8

形 V8

分離型 形 V8S

分離型 形 V8S

特長

  • 耐デポ性能向上
    MEMS加工技術を応用し、デポ発生時のシフト量を当社従来製品との比較で1/10まで改善。
  • 250℃の高温対応
    プロセスガスの変化に対応すべく、高温仕様の分離型(形 V8S)をラインアップに追加。
  • 小型化によるフットプリント削減
    内蔵部品のスペース効率を向上させ、当社従来製品の体積との比較で40%の小型化を実現。

商品の詳細はこちら

https://www.azbil.com/jp/product/factory/factory-product/transmitter/pressure/v8/index.html

当社はazbilグループの理念である「人を中心としたオートメーション」の下、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献と持続的な成長を目指し、生産現場の課題やお客さまのニーズに対応した製品・システムを開発、提案してまいります。

*1 MEMS:Micro Electro Mechanical Systemsの略。微小な電気要素と機械要素を一つのチップに組み込んだ、センサをはじめとする各種デバイス/システム。
*2 デポ:デポジションの略語で堆積の意味がある。半導体製造工程では薄膜を生成する成膜工程を指す。
*3 応力:外から力を受けたとき、部材内部に発生する内力。
*4 ALD: Atomic Layer Depositionの略。原子層堆積技術を用いた、真空を利用した成膜技術の一つ。

*掲載されている情報は、発表日現在のものです。

お電話でのお問い合わせ

アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー
マーケティング部コミュニケーション2グループ
TEL:0466-20-2160