アズビル、国際規格対応の新調節弁「6000シリーズ」を販売開始 ― プラントのライフサイクル全体でお客さまの生産性向上に貢献 ―

2025年10月1日
アズビル株式会社

アズビル株式会社(本社:東京都千代田区 社長:山本清博)は、石油精製・化学品製造市場向けの基幹製品として、国際規格IEC60534*1に準拠した調節弁「6000シリーズ」を2025年10月1日より販売開始します。本製品は、CFD解析*2を活用した最適な設計により、制御性能を大幅に向上させるとともに、設備コスト削減、省スペース化、メンテナンス性向上など、プラントのライフサイクル全体での生産性向上に貢献します。

CV6000

調節弁「6000シリーズ」

調節弁は生産プロセスでの流体制御を担う重要な機器です。特に石油・石油化学などのプロセスオートメーション領域で使用される調節弁には高い制御性能と長期安定性が求められます。加えて、グローバル市場における競争力を高めるためには、国際標準への適合も不可欠です。さらに、お客さまの生産現場では働き方改革や労働人口構造の変化に対応するため、調節弁のような生産設備においても、プラントのライフサイクル全体を通じて生産性向上に貢献することが期待されています。こうした市場のニーズに応えるべく、「6000シリーズ」が開発されました。

主な特長

  • CFD解析による精密なシミュレーションを用いて内部構造の設計を行い、バルブ性能を表す代表指標の定格Cv値*3は自社単座弁比129%、自社ケージ弁比125%の向上を実現しました。加えて、グループ会社であるアズビル京都株式会社が保有する、国際規格に準拠した流量試験設備による実測評価を実施。測定結果の正確性と再現性が向上し、製品性能に対する信頼性が大幅に高まりました。これにより、バルブ選定の精度向上によるエネルギーロスの削減に貢献します。

  • 従来製品と比較して最大で高さ約40%の小型化を実現しながら、同等以上の性能を保持。一台で幅広い流量を安定して制御でき、設備コストの削減と省スペース化を同時に実現します。小型でも高い締切性能*4を発揮し、空気消費量の低減や作業性の向上など、現場での運用効率が大きく改善します。

  • 特殊工具が不要な構造や部品の共通化をはじめ、メンテナンス性に配慮した設計により、保守作業の効率化と部品管理の簡素化を実現。お客さまの作業負荷軽減と長期的な運用コスト低減に貢献します。
  • 「6000シリーズ」は、アズビルのプロセスオートメーション向け調節弁の次世代標準プラットフォームとして、永年培ったバルブ設計経験を元に、今後も幅広い業種のニーズに対応することにより市場の拡大を図っていきます。なお、2025年5月に公表した中期経営計画では、アドバンスオートメーション事業の成長戦略として「シン・オートメーションの創造」を掲げています。この戦略の一環として、調節弁、バルブポジショナ、メンテナンスサービス、バルブ診断サービスなどのCV*5関連技術を統合し「CVトータルソリューション」として展開します。これにより、各要素の相乗効果による付加価値を提供し、お客さまのプラント操業の効率化に貢献していきます。今回発売する6000シリーズは、CVトータルソリューションを構成する重要な製品となります。

    当社は、azbilグループの企業理念である「人を中心としたオートメーション」の下、持続可能な社会への「直列」的な貢献と持続的な成長を目指し、社会課題の解決および地球環境への貢献につながる製品・サービスの提供に取り組んでまいります。

    *1:国際標準規格IEC60534:IEC(国際電気標準会議)が公開した国際標準。IEC60534とは、工業プロセス用調節弁の設計、性能、試験、騒音、寸法などに関する一連の標準を定めている。
    *2:CFD解析:Computational Fluid Dynamics、数値流体力学解析のことで、流体(液体や気体)の流れをコンピュータ上で数値的にシミュレーションする技術。
    *3:定格Cv値:バルブがどれだけ流体を通すかを示す性能指標。Cv値が大きいほど流体が流れやすく、圧力損失が少なくなり、エネルギー損失が少ない。
    *4:締切性能:バルブが閉じた状態で、どれだけ流体を遮断できるか示す性能指標。漏れが少ない=バルブの締切性能が優れており、流体の漏洩を防げると判断される。
    *5:CV:Control Valve(調節弁)の略称

    *掲載されている情報は、発表日現在のものです。

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    アズビル株式会社 コミュニケーション部広報グループ
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