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LPWA(Low Power Wide Area)

低消費電力で広域につながる無線通信技術。IoTなど膨大な量のデータを集めて活用するための通信インフラとして期待されている。

マンガ:湯鳥ひよ/ad-manga.com

スマートフォンが普及、無線通信技術も進歩

目には見えませんが、私たちの周辺には様々な周波数の電波が飛び交っています。この電波を利用して、携帯電話やスマートフォン、GPS、無線LANなどのデータ通信が行われています。

電波は波長によって性質が異なり、周波数が低くなるほど伝送できる距離は長くなります。

現在スマートフォンや携帯電話で使われているのは、800MHz帯、900MHz帯、1.7GHz帯、2.1GHz帯などの「極超短波(UHF)」と呼ばれる周波数帯。スマートフォンの普及に伴い、写真や映像を送受信する機会も増えていますが、そのような大容量データでも速く通信できるのがこういった周波数帯です。

近年、1台の携帯端末が利用するデータ量は増え、さらにスマートフォンやタブレットなどの携帯端末や電子機器の台数そのものが急増しています。各携帯電話キャリアは基地局を増やすとともに、より速く大量のデータ通信を可能にするため、無線通信技術を進化させてきました。

ところが最近になって、これまでとは異なる流れが起き、伝送できるデータ量を抑えた無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」への注目が集まっています。LPWAには名前のとおり、消費電力が低く、通信可能な範囲が広いという特徴があります。

あえて少ないデータ量に特化、低消費電力・広域通信を可能に

LPWAは、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)や、電子機器同士がつながるM2M(Machine-to-Machine)での利用が期待されている無線通信技術です。

IoTやM2Mでは、あらゆる場所に設置されたセンサなどの電子機器(デバイス)から、インターネットを介してクラウドやサーバーにデータが送られ、蓄積されたビッグデータが様々な形で利用されます。様々な場所にある大量のデバイスから情報を収集するため、広範囲の通信が求められますが、一般的に一つひとつのデータ量は少なく、高速通信が要求されない場合が多いです。

また、IoTなどに使われる小型デバイスは電池により作動しているものが多いことから、電池交換の手間を省くためにも、できるだけ消費電力を小さくする必要があります。

消費電力を抑えて、広範囲にある多数のデバイスからデータを送信でき、低コストで運用できるLPWAは、まさにIoTやM2Mに適した通信技術といえます。

現在、日本で使える主なLPWAとしては「LoRaWAN」や「Sigfox」などがあります。これらは無線局免許が不要な周波数帯域(アンライセンスバンド)を利用した“アンライセンス系”と呼ばれるLPWAです。また免許を必要とする周波数帯域(ライセンスバンド)を利用した“ライセンス系”LPWA(NB-IoT、LTE-Mなど)の商用展開が計画されています。

アンライセンス系LPWAを導入する場合は、ゲートウェイなどの基地局を設置する必要があり、設備投資が必要ですが、ライセンス系LPWAは無線局免許を持ったキャリアが行うので、設備投資はありません。

検針データをLPWAで送信、家庭のスマート化を加速

LPWAの用途としては、インフラ管理や防災、農業、物流など様々な分野での活用が考えられます。デバイスとして使われるのは、温度や湿度、加速度などを測定する各種センサです。

特に需要があると考えられているのが、水道や電気、ガスなどの検針・保安の分野。現在は検針員と呼ばれる人がメーターの数字を確認するのが一般的ですが、一部の離島では検針のために船をチャーターする必要があるなど、人が立ち入りにくい地域にあるメーターの検針には苦労が伴います。

LPWAを利用すれば、LPWA対応のメーターから低コストで長距離通信ができるため、検針が困難な地域でも自動検針が可能となります。さらに、収集データを分析することで、水道や電気、ガスの収支管理の高度化や機器トラブルの早期発見などにも役立てることができると考えられています。

検針データのように少ないデータ量で収集可能な情報は、生活の中で多く存在しており、様々な用途でのLPWAの活用が検討されています。例えば、自動販売機の在庫状況や駐車場の空き状況、児童の登下校時の位置情報などがあります。

このように、IoTが進歩し、あらゆるモノがインターネットにつながっていく中で、LPWAの用途には多様な可能性があり、今後さらなる発展が期待されています。


※LoRaWANは、Semtech Corporationの商標です。
※Sigfoxは、Sigfox S.A.の商標です。


この記事は2018年04月に掲載されたものです。