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メーターと検針事業のさらなる高付加価値化で、ガス/水道インフラの変革に貢献する

azbilグループが展開するライフオートメーション事業の一翼を担うアズビル金門では、電力/ガス自由化などの市場の変化に伴い、ガス/水道メーターの「スマート化」を基軸とした詳細な使用量のデータ提供など、省エネルギー施策を見据えたソリューションの提案を推進しています。ガス/水道事業者やその先の一般家庭および工場・ビルなどの需要家に対して、これまでにない高付加価値を提供し、コストの低減や省エネルギーへの対応などを通じ、社会へ貢献していきます。

アズビル金門株式会社
代表取締役社長
上西 正泰

100年以上にわたって、ガス/水道といった生活を支える事業に貢献

azbilグループが、建物分野のビルディングオートメーション事業、工業分野のアドバンスオートメーション事業と並ぶ、第3の事業の柱と位置づけるライフオートメーション事業。「人々のいきいきとした暮らし」に貢献することを目的とする同事業の一翼を担っているのがアズビル金門株式会社です。1904年の創業以来、一貫してガスメーター、水道メーターなどの計量器専門メーカーとして事業を展開。2005年12月にazbilグループの一員となり、アズビル株式会社と協働しながら国内のガス/水道といったインフラ分野を牽引(けんいん)してきました。

アズビル金門ではこれまで、ガス/水道のメーター事業とソリューション事業の大きく二つをビジネスの基盤とし、お客さまへよりよいサービスの提供に取り組んできました。ガス/水道のメーター事業では、製品の提供、製品のリペア、保守・点検などを行っています。そしてもう一つのソリューション事業は、検針時に数値を取得しやすくするための出力機能の改良、都市ガスを家庭や工場などに供給する際にガスの圧力を安全な圧力に変換するガバナ(整圧器)の提供などを行ってきました。ガバナについては一定規模の地震が発生した際、ガスを自動遮断してガス漏れを防ぐ重要な役割も果たしています。自動遮断されたガバナについては監視センターから安全が確認された箇所を遠隔操作で開栓をするという仕組みの開発をガス事業者と協働して行い、既に実運用に入っています。

このように、アズビル金門では各事業を通じて提供する製品、サービスにおいて継続的に高付加価値化の取組みを進めています。

自動検針システムをベースにメーターのデータサービスを展開

近年、人々の生活を支える領域は、一連の規制緩和政策に伴い、大きな転換点を迎えています。2016年4月には電力の小売り全面自由化がスタート。2017年4月には、都市ガスについても小売り自由化の解禁が予定されており、消費者がガス事業者を自由に選べる時代が到来します。今後、ガス事業者は、利用者がさらに使いやすくなるようなサービスを提供することになるでしょう。

一足先に自由化された電力の分野では、通信機能を持つスマートメーター(電力量計)の導入が急速に進んでいます。今までは料金請求のための1カ月に一度の検針であったものが、スマートメーターを導入することで、データ収集周期を短くし、きめ細かい使用量データを入手することができます。需要家は、電力事業者からこれらのデータ提供を受けることで、省エネルギー対策が可能となります。同様に、このような動きがガスの分野においても現れてくると考えられ、これまでにないサービスの可能性が大きく広がるものと期待されています。

アズビル金門ではこれまでも、ガスメーターのロードサーベイシステム*1を提供してきました。これは、需要家側に設置された取引メーターからガス使用量を1時間ごとに収集し、携帯電話回線を利用してガス事業者の社内に設置したパソコンにデータを送信・蓄積するシステムです。これらのデータをガス事業者が集計し需要家ごとに月報を作成・提供するサービスなどにつながっています。アズビル金門ではメーターの保守・点検やロードサーベイシステムなどの経験から得たノウハウを基に、ガス業界の今後の動向を見据え、工場や大規模な建物に設置される産業用大容量メーターの領域において、新サービスの提供を開始しました。

今回提供を開始したのは、アズビル金門が取引メーターの設置・保守・点検から、使用量のデータ収集、そのデータをガス事業者へ提供するところまでの作業をすべて請け負うサービスです。これにより、ガス事業者では従来のようにメーターや周辺機器を購入することなく、また個々のメーターの検定満期*2や保守・点検を気にすることなく、需要家のガス使用量を把握することが可能となります。各ガス事業者は需要家側に設置しているメーターだけでなく、点検時のスペアとなる予備メーターを所有する必要もないため、コストを大幅に低減することができます。一方、アズビル金門では、検定満期を迎えたメーターを回収し、リペアを経てほぼ新品の状態にまで回復させ、検定満期を迎えるメーターのスペアとして利用します。これは、シェアードサービス*3と呼ばれる考え方に通じ、ガス業界全体で保有メーター数を効率化することができるので、ガス事業者から大きく注目されています。さらに、高付加価値のサービスの提供により、お客さまとの緊密な連携が可能となり、お客さまの事業の安定化とさらなる発展につながると考えています。

メーターのデータサービス

メーターのデータサービス

メーターのボーダーレス化を見据え、高付加価値製品・サービスをグローバル展開

ガスの計量領域では温圧補正機能内蔵のルーツメーターの展開をまずは中国でスタートさせます。このルーツメーターは小型にもかかわらず、本体に温度と圧力の補正機能を備えていることが特長です。中国では、沿岸部と内陸部で標高差が大きく、気温差もあります。このため、設置場所によって気温・大気圧・ゲージ圧が異なり、ガスの計量にはメーター個別に温度と圧力の補正が必要になります。これまで中国国内で使われていたルーツメーターは、本体とは別に温圧補正器を一緒に設置する必要があり、大きな設置スペースが必要でした。本体と温圧補正器が一体型になり、さらに小型化されることでスペースの有効活用が見込めます。このルーツメーターは世界各国で使える共通の筐体で開発されており、中国だけではなく日本を含むグローバルでの展開を視野に入れています。メーターのボーダーレス化を見据え、高機能化だけではなく、遠隔検針の仕組みやスマートメーターの導入によるシステム化の拡充にも取り組んでいきます。

アズビル金門では、今後、スマートメーターを中核とするソリューションの提供を基軸に、ガス/水道という社会インフラの領域において、これまでにない高付加価値を提供すべく、さらなる取組みの強化を進めていきます。

ルーツメーター「AKBRA-G40」

ルーツメーター「AKBRA-G40」

*1:ロードサーベイシステム
ガス事業者や電力事業者が需要家側に設置されたメーター類を有線/無線により、遠隔からモニタリングするシステム。

*2:検定満期
計量法により定められた検定有効期限、ガスメーターは7年または10年、水道メーターは8年が満了していること。有効期限を過ぎたメーターは、ガス事業者/水道事業体が引き取って必要な保守・修理を施し、再度検定を受ける。

*3:シェアードサービス
複数の部門に共通する業務を一つに集約し、効率化を図る経営手法。主に企業内の間接部門におけるコスト削減などを目的に行われる。

この記事は2017年02月に掲載されたものです。