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クラウドサービスの運用を管理する専門組織を設置

― 顧客が安全・安心に利用できるクラウドサービスの実現に向け、企画段階からセキュリティや運用品質の組込みを実践 ―

近年、Webを中心としたビジネスが進化してきており、売切り型による製品提供から、クラウドサービスを核としたサブスクリプション型のビジネスモデルへのシフトが進んでいます。アズビルでは、azbilグループの各事業領域におけるクラウドサービス全般の運用管理を統括する「クラウド運用センター」を設置。事業を横断するかたちで策定された運用モデルに基づいて、グループ全体のクラウド運用やシナジーの強化、またお客さまへの安全・安心かつ高品質なサービスの提供を実現しています。

運用管理専任組織の設置によりクラウドサービスの価値向上を目指す

近年、製品売切り型のビジネスモデルからAI(人工知能)やIoTを活用したクラウドサービスにより継続的な価値提供を行うビジネスモデルへとシフトしてきています。azbilグループでもビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、そしてライフオートメーション事業の各領域において、クラウドサービスの立上げが積極的に進められており、付加価値の高いサービスをお客さまに提供していくための仕組みが構築されてきています。

このような流れの中、azbilグループにおけるクラウドサービスの安全と確実な提供を目指す専門組織として、2019年4月にアズビル株式会社はクラウド運用センターを新たに設置しました。従来、各事業部門が提供するクラウドサービスは、そのビジネスを所管する部門でそれぞれに運用してきました。クラウド運用センターは、事業の垣根を越えてazbilグループのクラウドサービス全般の運用を統括し、共通基盤を構築、各事業領域の知見の共有によるシナジーを図り、azbilグループのクラウドサービスをご利用いただくお客さまに安全で安心なクラウド環境の提供を行います。さらに、事業部門へはクラウドサービスを維持・管理していく運用業務の重要性について啓発を行いながら、適切な技術支援を展開していこうというのが組織設置の狙いです。

また、クラウドについては日進月歩で技術が発展しており、そうした業界の動きをいち早く捉えることも重要です。社内の基盤・運用を強化していくことと並行して、R&D機能も兼ね備え、azbilグループのクラウド全般の統括を行う位置付けとなっているのがクラウド運用センターです。

サービスの共通基盤化により開発のリスク、工数の低減を実現

同センターでは、クラウドサービスの開発・実行環境の共通基盤化を進めています。AWS(Amazon Web Services)*1上にクラウドサービスを設計・構築していくというアプローチによって、運用設計やアプリケーションの機能実装の標準化が可能になり、設計漏れや機能不備などを引き起こすリスクを低減。システム構築にかかわる工数、コストの削減にもつながります。こうした共通基盤化と並行して、各事業部門でクラウドサービスの企画・開発を行う段階からクラウド運用センターのメンバーが加わり、運用に関する要件を明らかにした上でしかるべきルールによって運用設計を行い、それをサービスに実装していくという取組みも行っています。このような運用設計においては、随時、ITマネジメントのベストプラクティスを体系化したITIL(IT Infrastructure Library)といった国際的なITサービスマネジメントフレームワークなども積極的に活用しています。また日々の運用では、システム監視、アクセスログの確認、問合わせ対応、リリース管理なども行い、正常に、かつ安全に運用されていることを見守っています。各サービスの企画・開発段階から、サービス開始後の運用までを視野に入れ、コスト面、セキュリティ面をはじめとするクラウドサービス全体のライフサイクルを管理していくことが重要と考えています。

さらに、クラウド運用センターが主体となって「azbilグループクラウド連絡会」も発足させました。azbilグループ内でクラウドサービスを展開するグループ会社、事業部門に対して、クラウドの運用に関する状況の共有や啓発、勉強会も実施し、azbilグループ全体のクラウドに対する知識の底上げを図っています。

共通基盤運用イメージ

共通基盤運用イメージ

*コンテナ:コマンドやライブラリ、ランタイムなど、アプリケーションを実行するために必要な環境をまとめてパッケージ化したもの。
**ロードバランサ:外部からの通信(トラフィック)を複数のサーバに分散する負荷分散装置。

安全・安心なサービス利用を支えるセキュリティ領域の取組みを強化

アズビルではクラウド運用センターの管理の下、「ビル向けクラウドサービス」「現場でつくる作業記録サービス」「Dx*2 Valve Cloud Service」といったサービスを展開しています。

「ビル向けクラウドサービス」は、ビルのエネルギー管理や施設管理業務の効率化を支援するもので、ビルオーナーをはじめビル管理者、あるいはオフィスで働く人々はそれぞれの目的に合わせて、時間や場所を選ばずにWebを介してサービスを利用することができます。

「現場でつくる作業記録サービス」は、現場に数多く残る手書き作業を簡単、スマートにデジタル化するというものです。PCやタブレット、スマートフォンを使って手書きドキュメントをクラウド上に保持し、デジタルデータとして柔軟に活用することができます。

「Dx Valve Cloud Service」は、調節弁メンテナンスサポートシステムPLUGIN Valstaffで収集したコントロールバルブの稼働データをクラウド上に自動送信し、蓄積したデータを解析・診断。その結果をWebコンテンツで提供します。これによりお客さまは「必要なときに」「必要なかたちで」「必要なシーンで」診断結果を確認できます。

このようなクラウドサービスを利用する上で、お客さまにとって最大の懸念事項といえるのが、情報セキュリティ上のリスクです。これに対しクラウド運用センターでは、2020年5月29日付で国際規格「ISO27001」に基づくISMS( 情報セキュリティマネジメントシステム)認証、および国際規格「ISO27017」に基づくISMSクラウドセキュリティ認証を取得しました。同センターでは、単に認証を取得するだけではなく、しっかりと運用プロセスに組み込んで継続的な改善を図り、人員の教育にも注力しています。

またアズビルでは、今後販売していくクラウドサービスや製品におけるセキュリティの専門組織として、2019年4月に商品サイバーセキュリティ審査室も設置しました。クラウド運用センターと協働し、azbilグループが今後各ビジネス領域で加速させていくことになるクラウドサービスにおいて、お客さまの安全・安心に加え、性能、可用性などをさらに高度なレベルで実現すべく、施策を強化しています。

現在、クラウド運用センターは国内グループ各社のサポートまでを行っていますが、今後は、azbilグループの海外現地法人の提供するクラウドサービスも含め、グループ全体で統合的なクラウド運用管理の実現を目指して、お客さまに安全で安心、そして快適なクラウドサービスを提供 していきます。

*1:AWS(Amazon Web Services)
Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称。インターネット経由でデータベース、ストレージ、アプリケーションなど様々なITサービスをオンデマンドで利用できるサービス。

*2:Dx
「Dx」とは医療分野で診断を意味する、「Diagnosis(診断)」の略称。バルブの健康状態を把握し、お客さまにバルブを常に安全にお使いいただくことをこの言葉に込めています。

※AWS、Amazon Web Servicesは、米国および/またはその他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

※Valstaffは、アズビル株式会社の商標です。

この記事は2021年10月に掲載されたものです。