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azbilグループSDGs目標

4つの基本目標と関連するターゲットで構成される「azbilグループSDGs目標」について、新たな指標を策定しました。
社員一人ひとりが目標を理解し、ステークホルダーとのコミュニケーションをより充実させながら行動していくことで、お客様、お取引先様、地域の皆様との社会課題の解決に向けた協創を加速し、社会全体の持続的な成長に貢献していきます。

基本目標Ⅰ 環境・エネルギー

協創による地球環境とエネルギー課題の解決への貢献

地球環境問題は持続可能な社会の前提となる重要命題であり、SDGsにおいても主要な課題の一つとなっています。azbilグループは、気候変動への対応を優先すべき取組み課題と認識し、脱炭素社会に向けたエネルギー課題の解決と環境統合型経営の実現をSDGs達成に向けた取組みターゲットとして掲げています。

SDGs 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンにSDGs 目標11:住み続けられるまちづくりをSDGs 目標13:気候変動に具体的な対策を

エネルギー課題の解決(脱炭素社会に向けて)

お客様の現場におけるCO2削減効果の拡大

azbilグループは、製品・サービス・ソリューションの提供を通じて、お客様の現場におけるCO2削減に取り組んでいます。
プロセスの最適化・安定化につながるオートメーション機器やシステム、エネルギーマネジメントなど省エネ・省CO2を実現するソリューションを提供するほか、納品後のメンテナンス・サービスにおいても環境負荷の少ない手法を追究し、お客様の製品・設備のライフサイクル全体を通して、環境負荷低減に貢献しています。
2020年度(2021年3月期)のお客様の現場におけるCO2削減効果は年間294万トンCO2※1※2となりました。これは、日本のCO2排出量(約12億トン)の約400分1に相当します。

前年度の301万トンと比べ7万トン弱減少していますが、新型コロナウイルス感染拡大による事業環境変化、及び世の中の再エネ導入拡大に伴う電力CO2排出係数の減少が主な要因と考えています。2030年度にこれを340万トンまで拡大することを目標としています。なお、事業のグローバル展開に合わせ、2014年度から推計範囲を海外事業にも拡大しています。

2030年度 目標
お客様の現場におけるCO2削減効果
340万トン CO2/年

お客様の現場におけるCO2削減効果の詳細については、こちらをご覧ください。

※1 環境負荷低減への貢献を定量的に評価するにあたり、(1)オートメーションにおける効果、(2)エネルギーマネジメントにおける効果、(3)メンテナンス・サービスにおける効果の3項目に分類し、お客様の現場でazbilグループの製品・サービス・ソリューションが採用されなかったと仮定した場合との差を、削減効果として推計しました。なお、グローバルでの削減効果については、一部独自の考え方に基づいています。

※2 推計手法につきましては、第三者レビューを実施しています。

事業活動に伴うGHG排出削減目標をSBTイニシアチブによる1.5℃目標として再認定

2050年に自らの事業活動に伴うGHGの排出量(スコープ※11+2)を実質ゼロにする「2050年温室効果ガス排出削減長期ビジョン」を策定し、カーボンニュートラルの実現を掲げています。
近年の急速な社会全体での脱炭素化の動きを受け、SBTイニシアチブ※2による「2℃目標」として2019年に認定取得済の30%削減(2013年基準※3)から、55%削減(2017年基準)に改定しました。本目標は、SBTイニシアチブによる「1.5℃目標」として2021年8月に再認定されました。

2030年度 目標※4
事業活動に伴うGHG 排出量(スコープ1+2)
55%削減
(2017年基準)[2021年8月再認定※5
サプライチェーン全体のGHG 排出量(スコープ 3)
20%削減
(2017年基準)[2019年5月認定]

※1 スコープ 1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
スコープ 2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
スコープ 3:事業者の活動に関連する他社の排出(スコープ 1、スコープ 2 以外の間接排出)

※2 CDP、国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)が共同で設立。企業の CO2排出量削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ。1.5℃目標は、気候変動による世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて 1.5℃未満に抑えるという目標

※3 SBTイニシアチブにて正式に認定された目標は、基準年、目標年ともに年度表記であり、本目標での年表記は年度を示しています。

※4 SBTiにて認定されている目標内容:"Azbil Corporation commits to reduce absolute Scope 1 and 2 GHG emissions 55% by FY2030 from a FY2017 base year. Azbil Corporation also commits to reduce absolute Scope 3 GHG emissions 20% within the same timeframe."

※5 2021年5月14日プレスリリースでの「2013年基準60%削減」にてSBTイニシアチブによる1.5℃目標として認定申請した結果、申請内容と同レベルのGHG排出削減量に相当し、かつスコープ3の基準年とも揃えた「2017年基準55%削減」にて正式に再認定されました。

環境課題への貢献(環境統合型経営※1の実現)

地球環境に配慮した商品・サービスの創出・提供

環境課題と事業活動を統合する「環境統合型経営」実現により社会の環境課題解決へ貢献するために、脱炭素化、資源循環、生物多様性保全の3つの環境重点分野の視点での課題解決を実現するサステナブルな製品の創出・提供に向け、2022年5月、新たな目標として「全ての新製品をazbilグループ独自のサステナブルな設計とする」を定めました。

2030年度 目標
全ての新製品をazbilグループ独自のサステナブルな設計※2とする

天然資源※3の有効活用と廃棄物発生量の削減

環境対応商品・サービスをより多く創出・提供するとともに、新製品開発時の環境配慮設計を通じた3R(Reduce、Reuse、Recycle)の取組みを推進しています。
2020年度は、新たな目標として「全ての新製品を100%リサイクル可能な設計とする」を定めました。利用可能な最良の技術(BAT※4)の範囲において、お客様が廃棄する際に、適切に分解・分別され、リサイクルができるような設計に取り組みます。

2030年度 目標
全ての新製品を100%リサイクル可能な設計とする

※1 脱炭素化・資源循環・生物多様性保全などの幅広い環境活動が統合的に事業に取り込まれた経営

※2 地球規模の環境課題(脱炭素化、資源循環、生物多様性保全)解決に貢献する製品の 創出・提供を目指した設計
以下の項目に基づき総合的に評価しています

  • 製品ライフサイクルCO2
  • 資源消費削減及び資源循環に関わる指標
  • 脱炭素化、資源循環、環境汚染防止、及び情報開示に関わる評価

※3 天然に存在して、人間の生活や生産活動に利用しうる物質・エネルギーの総称

※4 Best Available Technology:経済的及び技術的に実行可能な最も効果的な技術

基本目標Ⅱ 新オートメーション

新たなオートメーションによる持続可能な生産現場・職場環境、安心・快適な社会の実現

事業環境の変化が激しい現代では、データに基づく経営、操業、環境対策などが求められています。新オートメーションは、従来のオートメーションだけでは解決できない持続可能性を阻害する要因(機器の故障など)およびカーボンニュートラルや就労人口減少などの社会課題への素早く、質の高い対応力により、お客さまの生産現場、職場環境の持続可能性を高めることを実現します。具体的な対象製品・サービスは、MEMS技術を活用した高度な計測機器の提供からクラウドを活用したオフィスやプラントでのサービスの提供、AI・データを活用した自律化システムなどになります。さらに、様々な分野で活躍する企業や各種研究機関とのパートナーシップの拡大により、当社の技術や知見をより広く社会に実装することで事業を伸長し、SDGsの実現に貢献します。

新オートメーション

お客様の持続可能な生産現場・職場環境、さらなる安心・快適・達成感の実現に向け、生産空間・居住空間(ビル建物)・生活空間における「計測の高度化」「データ化」「自律化」などにより、社会が求める時々の課題を解決、付加価値を創出

<貢献領域>

  1. 事業環境変化に強いオートメーションの実現
    • 内的環境変化(設備不調、原材料品質など)による影響の予測・診断と自律的意思決定・制御
    • 外的環境変化(自然災害、社会情勢など)による影響の予測・診断と自律的意思決定・制御
  2. ストレスフリーな職場環境の実現
    • データに基づく作業支援による作業ミス・計画外作業の低減等
    • 労働生産性向上となる「快適かつ省エネ」環境の構築
  3. 多様な働き方につながる環境の実現
    • 時間や場所に合わせた最適な就労環境の構築
    • 年齢や性別、スキルなどによらない就労環境の構築
2030年度 目標

2030年に延べ

8,000事業所で事業環境変化に強い状態を実現※1
600万人にストレスフリー、多様な働き方につながる環境を提供※2

※1 2022年4月時点で530事業所で稼働。2030年には15倍の8,000事業所を目指す

※2 2022年4月時点で60万人に提供。2030年には10倍の600万人への提供を目指す

SDGs 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろうSDGs 目標11:住み続けられるまちづくりを

※オートメーションは、可視化→自動化→最適化→自律化の4段階を経て実現します。自律化はこの最上位の段階にあたり、自律化されたシステムでは、人の介在を最小化し、人為的なトラブルを抑制することができます。また、近年は現場の人手不足解消や心的負担の軽減、働き方改革の促進、経済的ロスの最小化、エネルギーの最大効率化、産業廃棄量の低減や災害の未然防止など、様々な社会課題解決に資する技術として注目されています。

お客様の安心・快適につながる生産性・価値向上の実現

生産空間における自律化システム

azbilグループが構築する自律化システムは、与えられた生産目標(生産量)に対して、主体的に最も合理的・効率的な実行プランを立案し、既存のオートメーション機器や制御を担うソフトウェアと連動し、最適なタスクを実行します。また、その過程において、障害(品質不良、設備故障など)を予測し、必要に応じて生産条件の変更やメンテナンス指示などの回避策を講じるほか、生産コスト、廃棄量、CO2排出量の最小化を図っていきます。このようなサイクルを自律化システムが能動的に繰り返すことで、人の介在を減らし従来とは次元の異なる生産性で目標を達成することができます。

開発事例1 開発事例2

オンライン異常予兆検知システム
BiGEYES™

工場やプラントの生産機械の稼働によって得られるビッグデータをAIが学習し、品質、設備、ユーティリティ、環境負荷などを常時監視し、微細な変化を様々な予兆として検知します。現在、製造業、発電事業者など50以上の事業所で採用され、5,000を超えるAIモデルが稼働しています。これらシステムは、コロナ禍でのリモート業務の促進や生産現場での熟練技能の伝承、省人化などにも貢献しています。



AIが環境変数の極めて小さな変化から
異常を予兆検知

生産計画立案・変更システム
VirtualPlanner™

生産・在庫・配送能力などの制約を満たし、コストやリードタイムなどを最小化し、高速で自動計画を立案することができます。化学工場では、指図立案時間を約95%削減した実績があります。生産中の様々な現象(品質問題、設備故障、飛込みオーダー等)にも都度対応して精度の高い生産計画を実現し、時間の制約による生産現場の心理的負担も軽減します。



状況に適した生産計画を自動で作成

基本目標Ⅲ サプライチェーン、社会的責任

サプライチェーンにおける社会的責任の遂行と地域・社会への貢献

azbilグループは、「ステークホルダーとの長期にわたるパートナーシップの構築」を企業行動指針の一つに掲げています。この指針とグループ理念に基づき、サプライチェーンにおいては、法令を理解・遵守し、人権・環境に配慮した公正な活動をグローバルに展開しています。取組みにあたっては、お取引先様にazbilグループの考えや取組みを説明、ご理解いただいた上でサプライチェーン全体でCSR(企業の社会的責任)活動を実践していくよう努めています。
事業活動を行う地域・社会への貢献についても、従業員自ら参加する草の根的活動の支援から、企業としての災害被災地への寄付等まで、幅広く活動しています。

SDGs 目標8:働きがいも 経済成長もSDGs 目標12:つくる責任 つかう責任

お客様、お取引先様とともに社会的責任を果たす

サプライチェーンでCSRの価値を共有

azbilグループは、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすために、2021年、「azbilグループSDGs目標」の見直し・改定と併せて、FTSEなど外部機関のESG評価を採り入れた、10項目にわたる対象領域(下表)における評価指標を設定しました。
これら指標をお取引先様と共有し、また環境、品質、コンプライアンス、健幸経営などazbilグループが長年蓄積してきた知見を活用してazbilらしいCSR活動を推進していく計画です。
また、評価にあたっては、方針・体制・取組み・有効性の4段階での主体的な達成度評価に加え、お取引様アンケートの結果をフィードバックすることにより、一連の成果を検証していきます。この4段階評価プラス1(検証)を含めたスキームにより、お取引先様との継続的な協業と改善活動を推進し、環境・社会の課題解決をはじめとしたサプライチェーンにおけるCSRの価値共有を実現していきます。

サプライチェーンにおける評価指標の対象領域

大分類 中分類
環境サプライチェーン 気候変動、汚染・資源、水の安全保障・水リスク、生物多様性、環境マネジメント
社会サプライチェーン 労働慣行、健康と安全、人権、コミュニティ(地域社会)、品質・顧客

地域活性への貢献

地域に根差した社会貢献活動をすべての事業所で実施

azbilグループは、SDGs目標の改定と併せて、「地域に根差した社会貢献活動をすべての事業所において実施し、社員一人ひとりが参加」を取組み項目として加え、「目指すもの」「重点テーマ」を策定しました。また、継続的・計画的な活動を実践していくために、2021年4月に社会貢献推進室を設置。地球環境保全や次世代育成など、社員一人ひとりの社会課題解決に向けた取組みを国内外で強化し、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献を目指していきます。

目指すもの
社員一人ひとりが社会課題解決に向け考え行動し、成長し続ける「企業風土の醸成」と、社員一人ひとりが様々なステークホルダーと連携して活動に参加することにより、azbilグループとしての連帯感と達成感の実現を目指します。
重点テーマ
・地球環境に係わる分野
・(次世代育成を中心とした)人に係わる分野

azbilグループの社会貢献の詳細については、こちらをご覧ください。

基本目標Ⅳ 健幸経営、学習する企業体

健幸経営と永続的な学習による社会課題解決の基盤強化

azbilグループは、SDGs基本目標の一つとして「健幸経営と永続的な学習による社会課題解決の基盤強化」を掲げています。多様なバックグラウンドをもつ社員が働きがいを感じ、自ら主体的に成長しながら持続可能な社会へ「直列」に繋がる事業活動を推進していけるよう、社員満足度調査を活用して様々な施策を展開するほか、各種の人材育成プログラムを実施しています。

SDGs 目標4:質の高い教育をみんなにSDGs 目標5:ジェンダー平等を実現しようSDGs 目標8:働きがいも 経済成長も

健幸経営(働きがい、健康、ダイバーシティ&インクルージョン)の実現

働き方改革とダイバーシティ&インクルージョンの両輪で健幸経営を実現

azbilグループは、2019年に働き方改革とダイバーシティ推進を両輪とする「健幸宣言」を発表しました。「健幸で活き活きとした働きの場と人を創る」ことを目標に、社員の働きがい向上や、ダイバーシティ推進の観点で女性の活躍及び多様な人材が活躍できる施策に注力しています。
毎年実施している社員満足度調査から、働きがいは、「自分の仕事の価値」や「上司からの信頼と評価」と高い相関関係があることが実証されています。そこでazbilグループでは、マネージャー層向けに、部下に対する動機づけや行動承認、組織活力向上を目的としたコーチング&リーダーシップ研修を実施しています。従来の「マイナスをゼロにする施策(安全と健康、ワークライフバランスに関する施策)」から「ゼロをプラスにする施策(自己効力感、組織活力に関する施策)」へと取組みを変え、一層の働きがい向上につなげています。

2024年度 目標
女性活躍ポイント
2017年比でポイントを2倍※1
2030年度 目標
azbilグループで働くことに満足している社員の比率
65%以上※2

※1 女性の役員、役職者、管理職など役割に応じたウエイトをつけて独自に集計したポイント

※2 毎年、社員満足度調査を実施

健幸経営の全体像

健幸経営の推進の詳細については、こちらをご覧ください。

学習する企業体の発展・強化

「学習する企業体」としての人材の育成

「学習する企業体」とは、事業環境の変化に柔軟に対応し、「仕事の創造」と「働きの創造」で業務改革を推し進め、そこで働く人々がグローバルに活躍する人材へと自律的に成長していく組織です。
このような人材を継続的に育成していくために、従来の研修に加えて、販売店・協力会社、お客様との技術研修や地域の方々への施設見学会実施など、ステークホルダーとともに学ぶ機会を増やしていきます。また、研鑽を通して成長を実感できる社員育成を進めていきます。
azbilグループは、仕事を通じた多様な経験によるキャリア形成を促し、社員の成長実感へとつなげていく指標として、研鑽機会のポイント化と一年間で成長を実感する社員の比率を目標として掲げ、学習する企業体の活動を進めていきます。

2024年度 目標
研鑽機会ポイント
2012年比でポイントを2倍※3
2030年度 目標
一年間で仕事を通じて成長を実感する社員の比率
65%以上※4

※3 社内研修、インターンシップ、お客様向け研修や説明会等、社内外のステークホルダーとともに学ぶ機会(回数および参加人員数)を独自に集計したポイント

※4 毎年、社員満足度調査を実施

アズビル・アカデミーによる人材育成の詳細については、こちらをご覧ください。