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建物の運営管理を支援するビル向けクラウドサービス

― クラウドサービスの活用で労働力人口減少による人手不足の課題を解消。省エネルギーやテナントの利便性にも貢献し、オフィスの価値向上を支援 ―

社会的課題となっている労働力人口の減少による人手不足や環境課題、加えてアフターコロナのオフィスの価値向上に向けてアズビルでは建物の運営管理におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)*1推進のサポートとして、ビル向けクラウドサービスを提供。ビルのエネルギー管理や設備管理業務の効率化、管理コストの削減、テナント入居者の利便性向上などを実現することにより、建物にかかわるすべての人々の快適と建物の価値向上を目指しています。

ビル運営管理の現場で切実化する労働力人口減少に伴う様々な課題

近年、建物運営に対するニーズは複雑かつ高度になってきています。社会からは脱炭素社会の実現に向けた省エネルギーやデジタル化への対応が求められる一方で、ウェルネスやABW(Activity BasedWorking)*2への意識が高まっており、テナントにとっては快適性や健康、安全性、利便性についても入居する建物を決める上で重要な指標となっています。

そうしたニーズを背景に、ビルの運営管理において切実な課題となっているのが、労働力人口の減少です。建物の設備管理に対応できる専門知識を持った人材の確保が困難な状況になってきていることに加え、設備の複雑化により設備管理員一人ひとりの業務負荷が増大しています。さらに、熟練者が後任者に高度な技術やノウハウを継承できずに定年退職してしまうという危機に直面している中で、少ない人員で高い管理能力を維持した上で、テナントの快適性や利便性を向上させ、ビルの価値を高めていくことが求められています。

人手不足に起因するこうした課題に対し、クラウドの活用によりソリューションを提供しているのがアズビル株式会社のビル向けクラウドサービスです。

ビルの設備管理では、従来、日報などの日々の作業記録や報告書の作成・機器管理台帳などは、紙への記録や中央監視システムに併設された設備管理専用のビルマネジメントシステムによって、ビル単位で実施されてきました。ビル向けクラウドサービスを利用することにより、設備管理員は手元にあるPCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスからインターネットを介していつでも、どこからでも記録・確認することが可能となり、日々の業務負荷を軽減できます。例えば一人の設備管理員が複数のビルを管理している場合、それぞれの現場に赴くことなく遠隔からその日の管理作業スケジュールや進しん捗ちょく状況の 確認が可能です。また、中央監視システムが運転管理している各設備や機器の状態、運転時間の積算などのデータをクラウドサービスと連携しているため、設備管理員はビルの現場にいなくても部品や設備の交換時期や異常予兆が把握できます。さらに、設備管理業務の詳細内容やノウハウといった各種情報をクラウド上に蓄積・共有することで、担当者変更や人材不足による技術継承の課題解決も支援します。万が一トラブルが発生した際にも、キーワードから過去の類似事例の履歴を検索し、機器のトラブルやその対処法に関する記録を参照すれば、速やかに対処が可能で、業務の効率化や管理能力の向上に貢献することができます。

クラウドならではの特長

クラウドならではの特長

建物の価値を高め、テナント入居率を向上

一方、ビルオーナーは、建物のサービス品質を維持・向上し、建物価値を高めていくことが求められますが、限られた人員でそれらを実現し、なおかつ脱炭素社会に向けた対策もしなければなりません。そのためには、ビルのエネルギー使用状況の管理や設備保全管理を確実に行うことが必須となります。これに対し、ビル向けクラウドサービスでは、建物のエネルギー使用量を時系列で分かりやすくグラフ化し、前年同月との比較をするなど任意の切り口で分析ができることに加え、分析結果を省エネ施策の検討に役立てたり、実施した省エネルギーの取組みを評価・検証したりすることが可能です。また、テナントからの要望に応じたエネルギー使用量の開示や、ビル全体のエネルギー使用状況を、テナントおよびビルの関係者に公開することで、省エネ意識を高めていくことにも利用できます。

そして、テナント入居率を向上させるためには、テナント入居者に対するサービス品質を引き上げ、利便性を高めることが不可欠です。通常、テナント入居者は、空調のON/OFF、温度設定の変更、空調運転時間のスケジュール変更などに関しては、ビルの設備管理員に連絡してシステムの設定を変更してもらう必要がありました。クラウドサービスを導入することにより、入居者自らが手元のPCやタブレット端末から設定変更の操作をすることが可能になり、テナント入居者の利便性が向上することに加え、設備管理員にとっても業務の負担が軽減されるというメリットがもたらされます。

ビル向けクラウドサービスの機能

ビル向けクラウドサービスの機能

ビル管理の蓄積されたノウハウを基に、ビルにかかわるすべての人の利便性を向上

こうした様々なメリットを提供するアズビルのビル向けクラウドサービスの強みは、長きにわたりビルの設備管理員や建物のオーナー、テナント入居者のニーズに向き合ってきたという経験です。オフィスビルをはじめとする大型建物向けの空調制御機器・中央監視システムの施工・導入、保守、エネルギー管理など、ビル運用にかかわる豊富なノウハウに基づいた各種機能やサービス、計測と制御の技術をエネルギー管理に活かせる点が大きな特長です。

また、同サービスの導入により設備管理員の人手不足による業務負荷増大や技術継承の課題を解消し、専門知識を持たない新任者でも管理品質を維持することができます。適切なビルの設備管理によりテナントの快適性を安定して提供できれば、テナント入居者の満足度向上にもつながります。さらにエネルギー使用状況の可視化によりビルにかかわる人たちの意識を高め、省エネルギーを促進することで、建物自体の価値向上にも貢献できると考えます。

今後もアズビルでは、ビルにかかわるすべての人の利便性向上に貢献し、労働力人口の減少に伴う人手不足や技術継承、環境課題といったお客さまの抱える課題の解消に向け、建物領域におけるDXを加速させていきます。

*1:DX(Digital Transformation)
進化したデジタル技術を浸透させることにより、人々の生活をより良いものへと変革すること。

*2:ABW(Activity Based Working)
働く人が仕事をするために最適な環境(場所・時間など)を選ぶことができるワークスタイル。

この記事は2023年04月に掲載されたものです。