環境アセスメント(LCA)評価 - 環境配慮型の自動制御盤「ECO盤」
アズビル株式会社では、ビルディングオートメーション(BA)事業で使用される自動制御盤(コントローラなどの制御機器をキャビネットに収納したもの)において、環境に配慮して開発したキャビネットを「ECO盤」として販売を開始しました。
「ECO盤」は、有機溶剤を用いたこれまでの焼付け塗装を廃止し、優れた耐食性を持つ「溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(JIS G 3321)(通称:ガルバリウム鋼板※)」を使用した結果、従来の塗装盤と比較して、VOC(揮発性有機化合物)の発生を削減できました。
※ガルバリウム鋼板は新日本製鐵株式会社の登録商標です。
本製品は、「平成22年版 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」(以下、標準仕様書)に適合しています。この最新の標準仕様書では、自動制御盤について、防錆処理を施した鋼板(「溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(JIS G 3321)」を含む)の使用が記載され、環境に配慮した表現になりました。この改定に代表される世の中の流れに、すばやく対応した製品となっています。
また、組み立て方法を溶接からリベット締結を主とした方法に変更することで、経験が浅い作業者でも効率よく接合でき、かつ、塗装工程を大幅に削減したことにより、生産リードタイムの短縮による省エネも実現しました。
なお、リベット締結構造により、キャビネットの廃棄時に締結したリベットをとりはずすことで、処理容易性が向上しました。
LCAを用いた取組み
2003年度(2004年3月期)より、アズビル株式会社の自動制御盤に関する環境負荷低減のLCAを用いた取組みを開始しました。その結果、塗装処理における有機溶剤の使用が環境負荷に大きく影響していることが分かりました。
LCAの分析結果を検討し、次の取組みにつながりました。
- 有機溶剤による焼付け塗装から、VOCがほとんど発生しない焼付け粉体塗装に変更しました。
- 焼付け塗装で使用するエネルギーの低減を目的に、材料の見直しと溶接に代わる締結方法を検討しました。その結果、リベット締結構造を開発し、かつ、キャビネット材料を先の標準仕様書に合わせ「溶融55%アルミニウム-亜鉛めっき鋼板(JIS G 3321)」としました。
LCA分析結果の比較
- 環境取組みの全体像
- 本業を通じた地球環境への貢献
- 自らの事業活動における環境負荷低減