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ビッグデータ時代に対応し、進化する機器管理システム

キーワード:HART,FOUNDATION Fieldbus,機器管理,仮想化,診断,ビッグデータ,IoT

ビッグデータ時代を迎え、フィールド機器の運用管理面でもより多くのデータからの変調や異常予兆の検知、状態基準保全の拡充などが期待されている。当社は機器管理システムの開発において、FieldComm Groupで規格化されたHART-IPなどの標準通信プロトコル対応を強化し、より多くの市販接続機器への対応を実現した。加えて接続されたすべてのフィールド機器を対象とした複数機器のリアルタイムトレンドデータの同時表示やヒストリカルデータの活用機能を搭載し、ユーザーの利便性、有用性を向上した。これによりフィールド機器からの情報を活用したデータに基づく安全・安心を担保する機器管理システムを実現した。

1.はじめに

モノのインターネット(Internet of Things:IoT)が普及し,様々なデータがサイバー空間に集まるビッグデータ時代を迎えた今,産業界でもセンサやアクチュエータが,従来のアナログや接点による単方向信号伝送からデジタル双方向通信へと急速に進化している。特に,従来の4-20mAアナログ信号と互換性があり,双方向デジタル通信が可能な国際標準規格Highway Addressable Remote Transducer (HART)の普及は,この流れを加速し,フルデジタル規格であるFOUNDATION Fieldbusの普及と相まって,計測・制御機器のインテリジェント化とネットワーク化を促進している。その結果,これらの機器から収集したデータを活用した新しい製造管理や設備管理,サービスなどが産業界に新たな価値を産み出し始めている。インテリジェント化された機器から集まるデータは,従来の制御・監視点1点に対し,少なくとも数点から数十点あり,従来の制御・操作に関連したデータの他に,機器自身や測定対象の診断データなどを収集できる。したがって,これらのデータを効率よく集め,整理し,有用な情報として提供するシステムが重要となる。それが機器管理システムである。

機器管理システムの主な役割は,次の3つである。

① 機器側のデータをできるだけオンラインかつリアルタイムで収集し,気付きを必要とする
人に提供すること。

② 機器の調整・設定をネットワーク通信経由で行い,その履歴を残し管理すること。

③ 収集したデータを分析し,必要とする人やシステムに有用な情報として提供すること。

これらにより,従来の人手による作業や手書きの報告を自動化,電子化することが容易となる。またフィールド機器への作業が通信で実現できることで,遠隔にあり,かつ足場が悪いことが多い現場作業は,本当に必要な時だけで済む。その結果,作業時間が飛躍的に短縮する。さらに機器の状態や自己診断データをタイムリーに確認することができるので,機器起因のトラブルの影響を最小化する可能性が広がり,プラントの安全性,生産性,保全性の向上に大きく寄与する。

当社は,2010年に機器管理システムInnovativeField Organizer™(以下IFO)を開発以降,継続した機能拡張により,製造現場における機器管理上の価値向上を追求してきた。そして今回,IFO R40シリーズとして通信経路の仮想化技術を採用し,HART-IP※1をはじめ,標準通信プロトコルへの対応を強化すると同時に,データ利用時の利便性,有用性を向上した。本稿は,これらのIFO R40シリーズで開発した新機能を紹介する。従来からのIFOについて記述する文献(1)とあわせて目を通していただきたい。

※1 HARTがインターネットプロトコル(IP)ネットワークを活用する能力。

2. 様々な形態で様々な機器が繋がる

従来,IFOは,当社独自のHART通信機器BU100H (図1左)またはHART Network Unit(図1右/以下HNU)を利用してHART機器と接続する。これにより一般的なHARTマルチプレクサを利用した際の弱点である機器管理システムとHART機器間の低速な通信周期を克服する特長ある機能(2)を実現している。しかし,既に市販のHART接続手段を導入している場合は,その機器の再利用が求められる。また,機器管理システムの利用形態として,据置型PC方式だけでなく,従来のハンドヘルド型専用機器調節器のように,可搬型のものも望まれる。この場合,ノートPCやタブレットなどで利用しやすいように,HARTモデムに対応する必要がある。さらにHART通信規格でもIoTを意識した規格として,HARTプロトコルをTCP/IPネットワークで利用するHART-IP規格がリリースされている。このHART-IP規格をサポートすることで,従来の有線HART機器に加え,WirelessHART機器も各社から市販されているゲートウェイ機器を使用することで接続可能となる。

IFO R40シリーズは,フィールドバスの中でもプロセス産業において近年導入が急速に進んでいるHARTに関して, HART標準に従った市販されている接続機器を短期間で対応できる手法を開発した。これにより様々な形態で様々な機器をつなげることを実現した。

図 1  BU100H(左)と HART Network Unit(右)

2.1 仮想化技術による通信接続手法の拡張

仮想HNUは,当社がIFO R40シリーズで新たに開発した仮想化ソフトウェアインターフェースモジュールであり,従来のHART Network Unit(HNU)が持つ機能をPC上のソフトウェアとして実現している。これにより,市販のHARTモデム,HARTマルチプレクサ,HART-IP対応機器をそれらの機能仕様範囲内(主にスピード)で利用できるようにした(図2)。

図 2 仮想 HNU の仮想化イメージ

IFOは,フィールドバスプロトコル規格ごとに統一的に処理できるようにプロトコルに対応した中間処理層を設けている。IFO R40シリーズでは,HART Linker※2を仮想HNUと接続することで当社独自,業界標準,通信メディアなどの接続形態に寄らず,統一的に利用を可能にした。同手法によれば,今後様々なプロトコルに対応することが可能である。また,HART Linkerと仮想HNUの接続はTCP/IPソケット通信を使用しているので,負荷や設置場所の分散も容易である。

仮想HNUの構造は,接続機器の接続経路,通信メディア,同時通信可否などの機能に応じてソフトウェア部品方式とし柔軟に拡張可能なものとした。また,必要な部品は機能単位に選択し,定義ファイルとして記述することができる。機能単位ごとに拡張可能な構成とすることで,今後のHART規格で新たな仕様が追加された場合にも柔軟に対応可能である。例えば,追加された仕様に対応するソフトウェア部品のみを開発し,定義ファイルに記述することで,タイムリーに新たなタイプの機器や規格の進化に対応できるようにしている(図3)。

※2 HARTに対応した処理層

図 3 仮想 HNU のソフトウェア構造

2.2 仮想HNUの導入効果

仮想HNUを導入することによって,IFOの利用形態が広がり,従来の据置型PCの利用に加えて,可搬型として調整・設定目的の利用が可能となった。また,すでに設置してあるHART接続機器を有効に活用し,ソフトウェアのみの入れ替えでIFOを導入することも可能にした。さらに, HART規格に準拠した機器と接続することが可能となったため,図4のように様々な接続機器を経由したHART機器からのデータを統一的に取り扱うシステムが容易に構築できるようにした。

図 4 IFO R40 シリーズシステム構成

以下にHART接続機器ごとの主な導入効果を示す。

(1)HARTモデムを利用した可搬型IFOの利用
設置工事を伴うことなく,いつでも可搬型IFOによる機器管理システムを利用することができる(図5)。これにより,可搬型IFOで導入効果の検証後に,本格的な据置型に切り換えるなど導入時の敷居を低下させた。また,システム利用のための習熟機材としての活用も期待できる。

図 5 可搬型 IFO の利用

(2)HARTマルチプレクサの利用
マルチプレクサ方式のHART接続装置が導入済の場合,それを再利用してIFOを導入できることが求められる。これにより,IFOをPCの入れ替えもしくはソフトウェアのインストールのみで導入することが可能となる。したがって,従来利用していたマルチプレクサ用のPCを残し,接続を切り替えることで簡単に元に戻すことも可能である。このようにすることで利用システム切り替え時に発生しやすい混乱を回避し段階的に移行するように計画することも容易となる。

(3)HART-IPへの対応
HART通信の普及に伴い,コントローラ,Programmable Logic Controller(PLC)そのものがHART-IPに対応するケースが増えている。また,無線システムであるWirelessHARTの接続装置の多くがHART-IPに対応している。IFOがHART-IPに対応したことで,これらの機器もIFOにて管理することができる。

表 1 HART 変数として取得可能な数値例※3

フィールド機器HART 通信で伝送する変数
バルブポジショナバルブ開度指示値,実開度,ポジショナからバルブ操作器への出力空気圧など
圧力 / 差圧発信器 圧力 / 差圧,温度,圧力標準偏差,圧力周波数診断指標値など
コリオリ式質量流量計質量流量,温度,密度など
pH 計 変換器pH 値,ORP 値,ガラス膜抵抗,pH 計電極の残り寿命など

※3 伝送できる変数は各社のフィールド機器に依存する。

3. より使いやすく

近年,フィールド機器はインテリジェント化が進み,主変量の精度を高めたり,健全性を担保したりするために様々なデータを内部で持つようになった。HART通信規格であれば,主変量の他に第2変数,第3変数,第4変数など最大で第8変数まで伝送できるようになっている(表1)。この仕組みを活用して,機器やプロセスのデータを機器管理システム等に伝送できる機器が増えている。これらの情報をリアルタイムにトレンドデータチャートとして見ることができれば,機器の状態やプロセスの状態を従来以上に観測しやすくなる。なお,選択した1台のフィールド機器のデータのみを表示するのが一般的であり,複数のフィールド機器のトレンドデータチャートを同時かつリアルタイムに表示するシステムは殆ど存在しないのが現状である。

図 6 複数フィールド機器の HART 変数リアルタイムトレンド

3.1 HART変数リアルタイムトレンド

IFO R40シリーズでは,複数のフィールド機器のHART変数をリアルタイムにトレンドデータチャートとして表示することが可能である。これにより制御ループの調子が良くないと感じた場合,従来はDistributed Control System(DCS)のトレンド機能でProportioal-Integral-Derivative Controller(PID)制御ループの入力と出力の関係を確認する程度であったが,図6のようにより広範囲での確認が可能となる。フィールド機器の元データ(PID入力)と,コントローラから出力された制御出力値,ポジショナからバルブ操作器に出力された空気圧がどの値で,その結果,バルブの実開度がどうなっているかということまでを全てリアルタイムで確認することができる。このように従来は見ることができなかった機器のデータをリアルタイムで見ることができることで,例えば,バルブの動作遅れによる制御乱れなど,様々な不調,変調の原因究明や原因の切り分けをより迅速に行えるようになる。結果としてトラブルの拡大を防ぐことにも寄与する。また,このリアルタイムトレンドで表示したチャートは,データや画像として再利用しやすいように,クリップボードにコピーできるので,各種帳票の作成時等に効率良く活用できる。

3.2 HART変数リアルタイムトレンド機能の特長

本トレンドの特長は,監視/表示するHART変数を自由にかつ簡単に設定できる点である。フィールド機器が伝送できるHART変数は,各社の機器で様々である。その中からどのHART変数を監視すべきか,その機器の用途や監視の目的によっても異なる。IFOでは,フィールド機器1つひとつに対して,監視/表示するHART変数を自由に選択できる環境を提供している。フィールド機器ごとに設定された定義内容に従い,最短1秒周期※4でのデータ収集およびトレンドへの描画を行っており,非常に自由度の高いカスタマイズ性と使いやすさを両立している。フィールド機器から取得したデータの表示においては,次の4点の工夫を施すことでユーザーにとって分かりやすさを追求した。

※4 トレンド表示機能は接続機器の性能によって制限される。

(1)8軸表示の実現
トレンドは,X軸(横軸)に時間,Y軸(縦軸)に数値をとる。 HART変数を最大8個まで同時に収集することを可能としているが,そのデータの意味は様々であり,値の単位やその取りうる範囲はそれぞれ異なってくる。これらを同時に1枚のトレンド上に分かりやすく表示するためには,データごとにレンジ(上下限値)を設定できるようにする必要があった。この課題の解決のために,Y軸を最大8本まで同時に表示できるトレンド機能を開発した。左右に4軸ずつ計8本の軸を同時に表示し,独立してレンジ設定を行うことが可能となっている。これによりデータごとに適切なレンジで表示できる。また,問題切り分け時に注目したいデータだけを表示するなど,データ(軸)単位での表示/非表示切り替え機能も備えている。

(2)自動レンジ調整
トレンドのレンジ設定は,一般的に指定したHART変数がどの程度の範囲(上下限値)で推移するのかを考慮して,表示する際のレンジを適切に設定する必要がある。しかしながら利用者がその変数自体のレンジを把握していない場合が多く,設定に時間を要する。例えば,値がレンジ範囲外のところで推移している場合,それが現在の上下限設定のどちらに外れているか,当たりをつけて探していくことになる。このような作業を軽減するために,表示レンジを自動で調整/設定する機能を提供している。収集した値の最大値/最小値を基に,すべてのデータが表示領域内に収まるように,かつ切の良い数値メモリとなるように,適切なレンジをワンクリックで設定する。無論,手入力による調整も可能である。

(3)表示パターン保存機能(テンプレート化)
各HART変数に設定したレンジ情報は,トレンド画面の終了時に保存するかどうかを選択できる。保存しておくことで次回起動以降,レンジ設定作業は不要となる。尚,保存時にレンジ設定を同一機種に対するテンプレートとすることも可能である。これにより,同一機器の表示は,テンプレート情報によって以降はすべて好みのスタイルで表示される。例えばA社バルブが500台あっても,最初の1台で開度設定と実開度を選びテンプレートで保存しておくことで,他の499台も同じように表示される。

(4)HART変数の単位
値の単位(文字列)は,実際にフィールド機器自体に設定されている単位情報を読み取り,その情報を基に表示している。これにより,フィールド機器側の設定で計測単位を変更した場合(例えば,kPaからmPaに変更した場合)でも,自動的に対応した単位表示に変更し表示する。
これら機能の提供により,どのようなフィールド機器に対しても,1つのトレンド上に最大8個のHART変数を同時に分かりやすく表示することを実現している。レンジの異なる変数を複数重ね合わせて見ることができるため,1つの値に変化があった時に,他の値はどのように推移しているのか,影響があるのか,その相関を容易に把握することができる。また複数の計器をリアルタイムで同時に見ることができるので,プロセスの状態を従来とは異なる視点で観測することが可能となる。

4. フィールド機器のデータの長期保存と活用

IFOは,市販のヒストリアンからのデータ収集もできるように従来からOLE for Process Control(OPC)サーバ機能を搭載している。しかし,これまでヒストリアンと接続しての利用が進んでいなかった。そこでIFO R40シリーズでは,全機器をリアルタイムトレンドとして表示するだけではなく,ヒストリーデータとして長期にストレージに保存し,過去データも活用できるヒストリアンをオプション機能としてIFO内部で提供する。このヒストリアン機能を利用すれば,調節弁のグラントの摩擦力や圧力・差圧発信器の導圧管の詰まり,pH計の電極寿命などを長期にわたり記録することができる。これらの値の変化は,非常にゆっくりと変化する場合も多く,長期の相関を可視化することが必要である。例えば,調節弁のグラントの摩擦力変化では摺動距離との相関,pH計の電極寿命はpH値や温度との相関などである。また,近年の圧力・差圧発信器では圧力の振動傾向を機器自体が測定し指標として取得可能なものがある。そのような機器の場合に,この指標の変化傾向を長期で見ることでプロセスの上流側にあるブロワやコンプレッサーの状態変化を捉えられる可能性があると考える。

このIFO内蔵ヒストリアンでは,長期間の傾向を可視化するためのヒストリートレンド機能やExcelに直接ヒストリーデータを読み出すためのアドイン機能を提供する。

なお,ヒストリアンで保存すべきデータは従来のプロセスデータの1分周期に比べ,機器の診断データとして利用するので,より多く,より早くとなる。例えばバルブの状態を動作挙動から診断する場合は最低でも1秒間隔で開度設定と実開度,それが例えば500台とすると,単純に計算しても500×2×86400×4バイト=360MB/Dayで,年単位での評価が必要となるので131GBのデータが必要となる。

4.1 ヒストリートレンド

ヒストリートレンド機能は,フィールド機器から収集したデータを生値で表示するだけではなく,必要に応じて平均値,補間値,最大値,最小値などでトレンドグラフを表示することができる。特長は,フィールド機器を横断して1つのチャート上に複数の機器からのデータをグラフ表示できることである。例えば,同一プラントにある複数の調節弁の摺動距離を1つのチャート上に重ね合わせて表示した場合,同じ仕様,利用方法の調節弁であるにもかかわらず,ある調節弁だけ摺動距離が極端に伸びているということを可視化して容易に発見することができる。特異な動きを精細に検証すれば,調節弁のサイジングが正しくない,PIDパラメータのチューニングが適切でないなどの不具合を起こす潜在原因に容易にアプローチすることができる(図7)。

図 7 バルブの摺動積算一覧トレンド

4.2 収集アドイン

収集アドイン機能は,IFO内蔵ヒストリアンに蓄積されている長期のデータを指定ファイル上に直接取り出すためのインターフェースを提供する。指定ファイルには,フィールド機器からの収集データを生値だけではなく,必要に応じて平均値,補間値,最大値,最小値などを指定し読み出すことが可能である。利用者側で情報の見方(診方)が決まっているフィールド機器がある場合には,そのデータの取り出し方を例えばExcel形式など特定のファイル形式に設定することができる。よって,そのファイルを開くだけでその機器の状態を長期のデータとして見ることが可能となり,傾向診断などを簡単に行うことができる。

例えば,圧力計では,圧力の日ごとの平均値,最大値,最小値に加え,圧力の標準偏差(HART変数)の平均値,最大値,最小値を月次で見ることで,DCSに入力されているデータだけでは現れないプロセスの緩やかな変化を捉えられる可能性がある。また,電極の残り寿命を日数で診断している最近のpH計の場合には,設置している全てのpH計の寿命日数情報を1枚のシートに集約することで,現場巡回点検の頻度低減と記録の再利用が可能となる。さらに時系列的な比較により,寿命予測や傾向分析などに利用可能となる。

図 8 pH 計電極の寿命診断一括監視

5. おわりに

通信技術,データ活用技術の進歩は急速で,今後も様々なプロトコルやフィールド機器,あるいはデータ活用技術に適宜対応する必要性を痛感している。同様にOSプラットフォームの変化,利用機器(パソコン,タブレット等)の変化へのキャッチアップは必須と考えている。一方プロセス装置産業では設備寿命が50年,フィールド機器のライフサイクルも10年以上と民生機器に比べて長い期間を期待されている。したがって機器管理システムも当然ながら長期にわたりデータ資産を維持しながら進化しなければならい。いつの時代,どの世代でも「アズビルの機器管理システムは直感的に使えるので使い勝手がよく仕事が楽になる。古い機器から新しい機器までカバーされ,かつ日々進化しているので長く安心して利用できる」と言ってもらえるよう,ユーザー目線での機能開発を心掛けていく所存である。

最初のリリースから約5年を経過しているが,まだまだ進化の余地は多いと感じている。今後は今まで以上に利用者の声を聴きながら使いやすさの向上を図り,結果として安全安心を担保するキーシステムとなるように進化させていきたい。

<参考文献>

(1) 渡邉桂,尾形竜太,尾形知美:計装保全の効率化,生産ロスの低減を実現するプラントライフサイクルを通した価値を提供する機器管理システムの開発,azbil Technical Review,2012年1月号,2012,pp.48-55

(2) 鈴木伸:HART通信対応プロセスコントローラ用I/Oモジュールの開発, azbil Technical Review,2012年1月号,2012,pp.56-61

<商標>
H A RT, H A RT- I P, Wi reles s H A RT, FOUNDATION Fieldbusは FieldComm Groupの商標です。
Ethernetは,富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の日本または他の国における商標です。
Excelは,米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標です。
InnovativeField Organizer,Valstaffはアズビル株式会社の商標です。

<著者所属>
津金 宏行 アズビル株式会社 アドバンスドオートメーションカンパニーマーケティング部
亀井 宏和 アズビル株式会社 アドバンスドオートメーションカンパニーマーケティング部 
工藤 泰 アズビル株式会社 アドバンスドオートメーションカンパニーマーケティング部
籠浦 守 アズビル株式会社 アドバンスドオートメーションカンパニー開発1部
山田 功 アズビル株式会社 技術開発本部商品開発部

この記事は、技術報告書「azbil Technical Review」の2016年04月に掲載されたものです。