azbil Technical Review 一覧(2022年4月)

2022年4月 特集:モノづくりの原点「正しく測る」ことへの挑戦

  1. 全文 (PDF/8,598KB)
  2. 巻頭言:計測の信頼性確保に不可欠な計量標準
    産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量標準普及センター長 小畠 時彦
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  3. 特集に寄せて
    アズビル株式会社取締役執行役員専務 横田 隆幸
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特集論文

  1. 正しく測るための社内基盤整備
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 新沢 陽介
    企業活動において使用する計測器の校正やそのトレーサビリティは,ISO 9001の要求事項であることからも必須なものであり,当たり前のこととして普及している。ただし,制度上その必要性を認識していても,校正を行う本来の意味や,企業がそのために何をどのようなレベルで実施しているのか,またはすべきなのかに関して深く理解している人は多くないように思える。これらの概要について,いくつかの事例を交えて紹介するとともに説明する。
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  2. 高度に安定した校正環境を実現する新校正施設
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 東海林 成樹
    アズビル株式会社 技術標準部 加藤 誠司
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニーマーケティング本部IBシステム部 太宰 龍太
    正しく測るためには計測器を正しい手順で使用することが重要だが,計測器を使用する場所の温度や湿度などの測定 環境にも注意する必要がある。実際,計測器には測定時の温湿度変化によって測定結果が変わるほどデリケートなもの も多く,その計測器が正しく測れていることを確認(校正)する作業においてはなおさら測定環境を安定させることが重要 になる。本稿では,アズビルが建設中の新校正施設で実現しようとしている機能の紹介を通して,計測器で「正しく測る」 ためには安定した測定環境がいかに重要かについて説明する。
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  3. 液体流量計の開発と品質管理のための標準供給体制構築
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 杉山 信幸
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 山口 徹
    アズビルは電磁流量計や熱式流量計などの液体流量計の製造・販売を行っている。これらの製品の開発や生産に欠か すことができない校正設備の紹介と製品の性能を評価できる設備の特徴や能力について述べる。また,これらの技術を 維持する仕組みとしてJCSS(Japan Calibration Service System)校正事業者登録制度を活用し,トレーサビリティの確 立や校正測定能力を維持していることを説明する。
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  4. 膨張法による高精度真空標準の確立
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 片岡 俊之
    アズビルが製造・販売しているサファイア隔膜真空計 形 SPGの信頼性,トレーサビリティ確保のため,真空標準として 膨張法という方式による真空発生装置を導入した。測定の不確かさとなる要因を調査し,その低減を行った。そして,真 空計を仲介して産業技術総合研究所(以下,産総研)との測定結果の比較を行い,導入した装置が十分な能力を持ってい ることが確かめられた。その上で,真空計という区分でJCSS(Japan Calibration Service System)校正事業者として登 録され,サファイア隔膜真空計 形 SPGのトレーサビリティの確保等につなげることができた。
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  5. 安定した湿度校正を実現する低露点発生装置の開発
    アズビル株式会社 技術標準部計測標準グループ 中垣内 直美 
    アズビルでは計量法校正事業者登録制度(JCSS:Japan Calibration Service System)が確立される以前から,常温 常湿付近の湿度に関する計測設備を構築しトレーサビリティを確保してきた。湿度製品の仕様範囲拡大に伴い,低湿度 (常温での相対湿度が概ね10 %以下)の領域についても設備を導入しトレーサビリティ確保を続けてきた。しかし最初に 導入した低露点発生装置は偏りやばらつきなどが目標の性能に達せず高精度な測定が行えなかったため,より精度良い 校正を効率良く行うことを目的に新たな装置の検討をすすめ,偏りとばらつきの少ない低露点発生装置を開発した。
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  6. 市場要求に応える気体大流量の標準供給体制構築
    アズビル金門株式会社 開発本部校正サービスセンター 古屋 宏樹
    世界的に流量計測はエネルギー管理やエネルギー取引きにおいて重要視されているが,国内において気体流量のトレーサビリティに対する重要性の認識は,他の物理量と比較して遅れているのが現状である。それは,受け皿となるJCSS(Japan Calibration Service System)登録事業者の対応可能な範囲が限られているなども要因の1つであった。azbilグループにおいても大流量への標準供給体制の充実が求められてきた。そのような背景の中,アズビル金門校正サービスセンターは,2003年に気体流量計の区分においてJCSS登録事業者となって以来,校正可能な範囲を拡大してきた。現在では,国家計量標準で供給できない校正範囲のJCSS校正を可能にしている。本稿では,その取組みについて紹介する。
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一般論文

  1. 燃焼安全ソリューションで実現する改正JISに適合した設備対応
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーCP開発部 中田 知也
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーCP開発部 奥村 大輔

    工業用燃焼炉(以下工業炉)の安全規格「JIS B 8415 工業用燃焼炉の安全通則」が2020年に改正され,工業炉の安全機能はプロテクティブシステムと呼ばれる安全計装システムに対応しなければならなくなった。しかし,工業炉を改正JISに対応するのは容易ではなく工業炉メーカーの大きな課題となっている。 そこでアズビルは,バーナコントローラ,火炎センサ,自動遮断弁といった製品からなる燃焼安全ソリューションによる改正JIS対応方法を従来とほぼ同じ設計で提供し,工業炉メーカーの改正JIS対応を支援する。
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  2. 小型で環境に配慮したフィルタ付き減圧弁の開発
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーIAP開発部 小松 雅弘
    現行製品である形 KZ03減圧弁の後継としてフィルタ付減圧弁 形 RA1Bを開発した。 形 KZ03減圧弁は使い勝手の良い減圧弁として長期間にわたって愛用され販売継続してきたが,形 RA1B減圧弁ではより長期動作の高信頼性を追求し,ガイドOリングやサクションチューブといった機構の改善により圧力制御の安定性を向上しつつ,空気消費の削減や従来比約70%となる小型化により環境に配慮した減圧弁となった。
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  3. 位相型回折格子を用いた光学式測距技術の開発
    アズビル株式会社 技術開発本部センシングデバイス技術部 藤原 久利
    アズビル株式会社 技術開発本部センシングデバイス技術部 古谷 雅
    アズビル株式会社 技術開発本部センシングデバイス技術部 藤井 絵理
    光学式非接触距離計測法の1つである三角測量法が持つ課題を解決する測距技術を開発した。本技術は測定対象からの拡散反射光の波面を位相型回折格子により2分岐させ,発生する干渉縞を受光素子で受光し,干渉縞空間周波数から波面の曲率半径,すなわち測定対象までの距離を求める技術である。本技術は三角測量法と比べ,曲面や凹みなど測定対象の形状に強いことが特長である。また,測定対象からの強い正反射光による影響を低減している。評価サンプルとして金属ピンゲージの形状を,三角測量法と今回開発した方法で測定し,実効性を確認した。
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  4. 組込機器にて最新情報技術を活用可能とするプラットフォームの実現
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発1部 小森谷 良明
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニーBAエンジニアリング部 中林 想太
    アズビル株式会社 AIソリューション推進部 山田 功
    ビル空調システムでは近年,さらなる快適性と省エネルギーを実現するために,人工知能等の最新情報技術の活用が求められている。ビル空調システムを構成する組込機器に制御アプリケーションを追加する場合,制御専用言語で制御アプリケーションを製作する必要があったため,最新情報技術の活用が困難であった。そこで,汎用プログラミング言語やライブラリで製作した制御アプリケーションを,組込機器に追加可能とするプラットフォームを実現した。これによりPCをシステムに追加しなくても,既にある組込機器で最新情報技術が活用可能となる。
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  5. 繋ぐ・調べる・動かすを1つに凝縮したスマートHARTモデムの開発
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーIAS開発部 古澤 直樹
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニーSSマーケティング部 工藤 泰  
    HART(Highway Addressable Remote Transducer)通信を用いたプロセスオートメーション(以下, PA)プラントのデジタルトランスフォーメーション(以下, DX)化が進んでいる。その際,通信トラブルに遭遇し,様々な機器を用いた解析と対応を余儀なくされることがある。今回,HART/SFN/DE対応のスマートHARTモデム 形 AZ-1SHMを開発し,様々な解析機器を使用することなく,現場でのHART対応フィールド機器導入時の動作確認やHART通信トラブル解析を可能とした。
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製品紹介

  1. 小規模ビルのエネルギー管理に貢献するビル管理システム SmartScreen2
    大澤 義孝 アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発2部 
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