azbilグループCSR調達ガイドライン

6 労働慣行

6.1 労働者の採用と雇用

  • 強制、拘束等、非人道的な労働によって得られた労働力を用いることはできません。
  • 雇用する際は、労働者が理解できる言語で雇用条件等を提示する必要があります。
  • 就業を強制することなく、労働者の離職や雇用を自ら終了する権利を遵守する必要があります。

6.2 労働時間

  • 労働者の働く地域の法規制上定められている限度を超えて労働させないことが求められ、国際的な基準を考慮した上で労働者の労働時間・休日を適切に管理する必要があります。

6.3 賃金および手当

  • 労働者に支払われる報酬(最低賃金、残業代、および法的に義務付けられた手当や賃金控除を含む)に、適用されるすべての法規制を遵守する必要があります。

6.4 児童労働の排除と若年労働者の雇用

  • 最低就業年齢に満たない児童に労働をさせてはなりません。
  • 18歳未満の労働者(若年労働者)に夜勤や残業、健康や安全が損なわれる可能性のある業務に従事させてはなりません。

6.5 差別の禁止

  • 賃金、昇進、報酬、および研修受講の機会や処遇において、人種、民族、国籍、性別、宗教、文化、信条、出生、年齢、障がい、性的指向、性自認等を理由とした差別を行わないことが求められます。

6.6 労働者の基本的権利の尊重

  • 団体交渉の権利等、労働基本権を尊重し、健全で真摯な対話を通じて、労働者との良好な関係を構築する必要があります。

6.7 ダイバーシティおよびインクルージョンの推進

  • 労働者一人ひとりの個性を尊重することにより、能力が最大限に発揮できる機会の提供につながります。

補足説明

6.1 労働者の採用と雇用
脅迫、強制、拉致または詐欺によって、人を移送、隠匿、採用、譲渡、受け入れることを禁止します。あわせて、就労のための手数料を労働者から搾取することも強制労働につながる可能性があります。
また、その手数料を債務として強制労働を行うことも禁止されます。
特に、外国人労働者を含む移民労働者の強制労働が数多く報告されています。外国人労働者の雇用にあたっては、労働者が母国を離れる前に、雇用条件を労働者が理解できる言語で記載した雇用契約書を提供する必要があります。
なお、政府発行の身分証明書、パスポート・ビザ、労働許可書または移民申請書(労働者以外によるこれらの保持を法令で義務付けている場合を除く)などを労働者から隠匿、没収するなどの手段で本人の使用を妨げること、労働者の施設への出入りや施設内の移動に不合理な制約を課すことも、強制労働につながる行為です。

6.2 労働時間
企業は、関連法規則を遵守することのみならず、国際的な人権基準である、国連における「世界人権宣言」や「国際人権規約」、ILO の「中核的労働基準」などを尊重する必要があります。

日本の労働基準法では、労働者に1週間につき40時間を超えて、労働させてはならない。また、1週間の各日について、休憩時間を除き1日につき8時間を超えて、労働させてはならないと定められております。(法定労働時間)
また、法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結、所轄労働基準監督署長への届出が必要です。なお、36協定では、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1か月、1年当たりの時間外労働の上限」などを決めなければなりません。

適切な管理とは、以下を指します。

  • 年間所定労働日数が法定限度を超えないこと
  • 超過勤務時間を含めた1 週間当たりの労働時間(ただし、災害その他の避けることのできない緊急時、非常時を除く)が法定限度を超えないこと
  • 法令に定められた年次有給休暇、産前産後休暇、育児休暇の権利を与えること
  • 法令に定められた休憩時間を与えること
  • 労働者の健康を守るために身体的ならびに精神的な健康診断を行うこと
    • 6.3 賃金および手当
      最低賃金とは、所在国における賃金関連法令で定められた最低の賃金を指し、使用者は最低賃金を上回る賃金を支払う必要があります。時間外労働に関する報酬は、当該地域の法規に従った賃率で労働者に支払う必要があります。報酬の支払いの際には、その支払内容が適正であることを確認できる情報が記載された給与明細書も併せて提供が必要です。また、不当な賃金控除は、賃金の未払いとみなされることがあります。

      6.4 児童労働の排除と若年労働者の雇用
      児童労働は、国際的にILO および各国法令により、いかなる場合も禁止されています。
      児童労働とは、その性質や遂行状況により、若年者の知的、身体的、社会的、道徳的発達に害悪をもたらし、就学を不可能にしたり、学校中退を余儀なくしたり、仕事と勉強の両立を強いたりすることで、児童の教育機会や健全な成長を損なう活動または労務を指します。

      6.5 差別の禁止
      賃金、昇進、報酬、教育、採用や雇用慣行において、人種、肌の色、年齢、性別、性的指向、性自認と性表現、民族または国籍、障がいの有無、妊娠、宗教、所属政党・政治的見解、組合員であるかどうか、軍役経験の有無、保護された遺伝情報、または結婚歴の有無などによる差別につながる可能性のある行為があってはなりません。
      なお、健康診断や妊娠検査が機会均等または処遇における公平を損なう場合には差別的行為となります。

      6.6 労働者の基本的権利の尊重
      労働組合を結成し、また労働組合に加入するすべての労働者の権利を尊重し、同時に、このような活動に参加しないまたは活動を差し控える労働者の権利も尊重する必要があります。
      さらに、労働者、または彼らの代表者は差別、報復、脅迫、あるいはハラスメントを恐れることなく、労働条件および経営慣行に関する意見および懸念について、経営陣と公に意思疎通を図る団体交渉ができるものとします。

      6.7 ダイバーシティおよびインクルージョンの推進
      多様な人材(人種、国籍、性別、性的指向、年齢、障がいの有無、宗教・信条、価値観、キャリアや経験、働き方等)を尊重し、その能力を最大限発揮できる機会を提供し活かすことが企業の成長につながります。例えば、女性幹部の登用、外国人労働者や障がい者の雇用、定年者の再雇用などがあげられます。