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東京ミッドタウン日比谷

日本有数のハイクラスビルで
ニーズに合わせたきめ細かいセキュリティを実現

2018年3月にグランドオープンした「東京ミッドタウン日比谷」は、商業施設やオフィスなどで構成される大規模複合施設です。デベロッパーである三井不動産と管理を担当する三井不動産ビルマネジメントは、旗艦ブランドである同ビルにおけるセキュリティシステムの構築をアズビルに依頼。空調や照明の制御と連動したビル全体の最適な管理の仕組みを実現し、テナントのニーズに合わせたビルマネジメントに役立てています。

建物分野 オフィスビル ショッピングセンター 複合ビル 安全・安心 入退室管理システム

導入製品・サービス

高いセキュリティが求められる都心の一等地に建つハイクラスビル

三井不動産株式会社が手がける「東京ミッドタウン日比谷」は、六本木に次ぐ二つ目の「東京ミッドタウン」ブランドのビルです。日比谷という土地は、明治期以降、外交の拠点として大きな役割を担ってきた歴史と、著名な劇場や映画館が建ち並ぶエンターテインメントの中心地という特徴を持ち、三井家にとっては明治期よりビジネスの拠点を築いたゆかりのある街でもあります。

「日比谷は、銀座、丸の内、新橋というビジネス街や皇居、日比谷公園といった日本を代表するエリアを結ぶ地点であることから、唯一無二の存在意義を持つ場所です」(水野氏)

三井不動産では、そうした立地に対して、一般企業のオフィスと商業施設が入居する複合施設として「東京ミッドタウン日比谷」をハイクラスビルと位置付け、地上35階、地下4階、延床面積約19万m²という大規模ビルの開発を行いました。複合施設ということで不特定多数の人が出入りすることに加え、近年のインバウンドの影響で海外からの来訪者が増えており、さらには2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、それ以上の来訪者が予想されます。これを受け、三井不動産では、大規模複合施設におけるセキュリティを重要視しました。そして同社が保有するオフィスビルに対して多くのセキュリティシステム納入の実績を持つ、アズビル株式会社をパートナーに採用しました。

「アズビルには、数々のビルでセキュリティシステムをはじめ空調設備など建物の中核となる設備の施工・保守を担ってもらっていました。これまでの信頼関係に加え、ビルをトータルでサポートしてもらえる安心感から、今回のプロジェクトに参加してもらうことにしました」(水野氏)

店舗、オフィスが抱える多様なセキュリティニーズに対応

オフィスフロアへの入り口に設置されたセキュリティゲートと来訪者管理システムの無人発券機。

オフィスフロアへの入り口に設置されたセキュリティゲートと来訪者管理システムの無人発券機。

2015年1月からアズビルの建物管理システム savic-net™FX2 セキュリティの導入に向けた本格的な施工が開始されました。ビルのオーナーである三井不動産と、ビルの運用を管理していく三井不動産ビルマネジメント株式会社が、「東京ミッドタウン日比谷」としての方針や入居するテナントのニーズを基に、セキュリティのゾーニング・動線について基本的な組立てを行い、アズビルとの間でそれをどのように実現するのかについて綿密な打合せを実施しました。

「テナントからのニーズとしては、自社の社員カードをそのままセキュリティカードとして使いたい、自社で社員の管理を行うために入退室データを提供してほしいなど、多様な要望が出てきました。難しい要求に対してもアズビルは真摯(しんし)に対応してくれました」(水野氏)

東京ミッドタウン日比谷に設置された非接触ICカードリーダの数は約750台。三井不動産が所有するビルの中で、設置台数は群を抜く多さです。数の多さだけでなく、テナントの種類も様々あり、利用者の属性によって立ち入れるエリアも異なるため、カードリーダの設置箇所や権限設定においては、緻密な設計・構築が必要でした。

「オフィスフロアには決まった人しか入ってきませんが、商業フロアには不特定多数の人の出入りが発生します。セキュリティのためとはいえカードリーダの数を多くすると、厳重な管理ができる一方で、運営スタッフや店舗で働く従業員にとっては使い勝手の悪さにつながってしまうため、そのバランスが難しいところです。どのカードリーダを生かして、どの権限設定で通れるようにするかという部分については、かなり時間をかけて打合せを行いました。運用が始まってから分かることもあり、商業施設がグランドオープンした2018年3月以降も都度、アズビルに協力を得ながら変更対応を行っています」(五十嵐氏)

さらに東京ミッドタウン日比谷では、オフィスエリアへの立入りに対してICカード認証によるセキュリティゲートを導入しています。そして来訪者対応として来訪者管理システムを導入しました。

各テナント入り口に設置された非接触ICカードリーダ。

各テナント入り口に設置された非接触ICカードリーダ。

このシステムではテナント企業側が来訪者情報をシステムに登録。来訪者にメールでお知らせし、QRコードが発行されます。このQRコードをエントランスに設置された無人発券機にかざすと、ビル入館証が発券されます。この入館証をセキュリティゲートにかざすことで、アズビルのセキュリティシステムが管理するゲートが開くという仕組みです。これにより、専用受付がなくても企業側も来訪者もストレスなく入退館ができるようになり利便性と人的な面での省力・省コストが実現しました。

中央監視室でビル全体のセキュリティ状況や、空調などの設備運用状況を一括で監視することができる統合型建物管理システム  セキュリティの操作画面。

中央監視室でビル全体のセキュリティ状況や、空調などの設備運用状況を一括で監視することができる統合型建物管理システム savic-net FX2 セキュリティの操作画面。

空調や照明とセキュリティを制御連動。時代のニーズに合わせた提案を期待

商業テナントの鍵を管理する鍵管理ユニット(キーボックス)。

商業テナントの鍵を管理する鍵管理ユニット(キーボックス)。

今回、導入したセキュリティシステムは、従来の空調・照明などの建物全体の制御・管理も行うことのできる統合型システムです。このため、最終退室者がオフィスフロアから退出した後、フロアの照明や空調を自動でオフにし、エレベータの不停止制御を行うといった連動制御も行うことができます。

「セキュリティと、空調などの設備制御をアズビルが1社で担当していることで、ビル全体の各設備との関連性も考慮したシステム構築を行ってくれています。何かあったときでもアズビルに相談すれば窓口が一つで迅速に対応してもらえるため非常に助かっています」(水野氏)

また、この入退室管理によって、今現在の在館人数も把握することができます。万が一の災害時にこうしたデータは有益で、社員を守るためにこれらを活用したいという要望もテナントから出ているといいます。

「セキュリティに関するニーズは非常に多様化してきています。今後さらにビルの価値を高めていくために、アズビルにはセキュリティにとどまらず、省エネルギーの実現などビル全体の最適管理に向けた前向きな提案を期待しています」(水野氏)

「東京ミッドタウン日比谷は竣工(しゅんこう)から1年がたちましたが、これで完成形とは思っていません。テナントの皆さまに、常に最先端の価値を提供できるビルであり続けるために、新しい技術にも積極的に挑戦していきたいと考えています」(五十嵐氏)

※savic-net、savic-net FXは、アズビル株式会社の登録商標です。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

お客さま紹介

三井不動産株式会社
日比谷街づくり推進部
事業グループ
統括
水野 勉 氏

三井不動産
ビルマネジメント株式会社
オフィス事業推進本部
事業一部
東京ミッドタウン日比谷
オフィス
チームリーダー
五十嵐 純 氏

東京ミッドタウン日比谷

三井不動産株式会社

  • 所在地/東京都中央区日本橋室町2-1-1
  • 設立/1941年7月15日
  • 事業内容/賃貸事業、分譲事業、仲介・販売受託・コンサルティング事業、ホテル・リゾート事業

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2019 Vol.4(2019年08月発行)に掲載されたものです。

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