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修善寺温泉事業協同組合

採湯・配湯プロセスの効率化・可視化と電力消費の大幅削減を併せて実現

配湯にかかわる配管の圧力を計測するセンサにはアズビルの圧力センサ Bravolight™(ブラボライト)が用いられている。

配湯にかかわる配管の圧力を計測するセンサにはアズビルの圧力センサ Bravolight™(ブラボライト)が用いられている。

六つある源泉からの採湯(さいとう)、およびキャッチボール方式での配湯(はいとう)を行うための湯の循環状況を監視画面上で可視化させました。さらに第一配湯所の貯湯槽内の水位を一定範囲(75~85%)に保つために、源泉からの汲み上げに使うポンプの起動・停止を行う仕組みのほか、配湯の循環経路における旅館などへの温泉の供給を常に一定の圧力で効率的に行えるよう、第一、第二の両配湯所に設置された配湯ポンプをインバータ化して制御する仕組みなどを導入しました。

「採湯から配湯に至るプロセスがすべて見える化できたことの意義は大きく、仮にどこかで問題が発生した際にも速やかな対処が可能になるなど、温泉供給の安定性をさらに高めることができました。以前はそのときの需要量などによって、標高の高い場所にある旅館から『お湯の出方が悪い』といった報告が寄せられることもありましたが、配湯管内に流れる湯量と圧力の適切な制御で、そうした問題も解消されました」(遠藤氏)

配湯にかかわる圧力の制御では、一気に高い圧力でお湯を送り出すと、配管の破断が生じることがあるため、徐々に圧力を上げて配管に影響が出ない工夫などがされています。このように配管の保護も念頭に置いており、温泉供給資材の耐用年数を延ばすことにも寄与しています。

一方、配湯用ポンプをインバータ化し、そのときの状況に応じて回転数を制御することで、使用電力が大幅に削減されました。第二配湯所を例に取ると、ポンプの稼働にかかわる電力消費が従来の3分の1程度にまで減っています。

「継続的な集中管理体制が整ったことで、現在では源泉の水位も海抜82m程度にまで回復しました。温度や泉質の問題も解消されています。大きな地殻変動などがない限り自噴が途絶えた温泉が再度自噴を始めた例は世界でもありません。継続的な努力によって以前のように修禅寺の前で自噴の湯気が再び上がることを期待しています。温泉は自然が生み出してくれるかけがえのない資源であり、温泉を守るための集中管理の重要性を次の世代に伝えていくことは我々の重要な使命だと思っています。そうした観点からも、今回のシステム整備の持つ意義はとりわけ大きいものと捉えています。今後もアズビルには、なお一層の貢献を果たしていってくれることを大いに期待しているところです」(野田氏)

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2014 Vol.6(2014年12月発行)に掲載されたものです。