ダイナミックセルフチェックバーナコントローラ AUR450C
中外炉工業株式会社
世界に通じる工業炉の安全を支える燃焼安全制御技術
中外炉工業株式会社は、1945年の設立以来60年を超える歴史を持つ工業炉のリーディングカンパニーです。サーモテック(熱技術)の分野で数多くの独創的な技術を生み出してきた同社は、鉄鋼、自動車、非鉄金属、電機など多くの産業の製造・加工工程に、画期的な工業炉や燃焼機器、それらの制御設備を提供してきました。
さらにその開発力や設計力をベースに新たな事業分野にも進出しており、現在では工業炉などのエネルギー分野に加え、液晶・プラズマディスプレイ製造装置などの情報・通信分野、廃棄物処理設備や大気浄化設備などの環境保全分野が同社の事業の三本柱になっています。

フロータ型アルミストリップ連続焼鈍ライン(AL-CAL)
工場・プラント分野 自動車 安全・安心 燃焼安全装置
導入製品・サービス
産業を支える工業炉業界のリーディングカンパニー
中外炉工業株式会社は、1945年の設立以来60年を超える歴史を持つ工業炉のリーディングカンパニーです。サーモテック(熱技術)の分野で数多くの独創的な技術を生み出してきた同社は、鉄鋼、自動車、非鉄金属、電機など多くの産業の製造・加工工程に、画期的な工業炉や燃焼機器、それらの制御設備を提供してきました。
さらにその開発力や設計力をベースに新たな事業分野にも進出しており、現在では工業炉などのエネルギー分野に加え、液晶・プラズマディスプレイ製造装置などの情報・通信分野、廃棄物処理設備や大気浄化設備などの環境保全分野が同社の事業の三本柱になっています。
万一の安全性をも確保した国際規格への対応を推進

バッチ式ガス浸炭炉 ハイ・シフター(フレームレス型)
工業炉などの燃焼装置には、その安全を維持・確保し、事故の発生を防ぐための安全対策が施されています。炉の起動時に燃料に正常に着火しなかったり、正常に燃焼していた火炎が何らかの理由で消えてしまったりした場合、そのまま燃料を送り続けることは非常に危険です。そのため燃焼の状態を常にチェックして、異常があれば直ちに燃料の供給をカットし、燃焼装置を自動停止させる仕組みが備えられています。
「日本の企業は、燃焼を安全に制御し、爆発や火災のリスクを最低限に抑えることを目指して開発に取り組み、その技術は高い水準にあります。一方、欧米では、万が一の事故や故障が起こってしまった場合にも、必ず安全な側に動作するフェールセーフ※1が重視されます。そうした欧米的な発想に基づく安全対策の面で、日本企業が遅れをとってきたことは否めません」(今田氏)
工業炉の市場もグローバル化が進んでおり、中外炉工業の製品も世界のさまざまな国で稼動しています。世界市場に進出するためには、製品がISO/IEC※2をはじめとする欧州や米国の国際規格に適合していることが求められますが、近年では、これらの安全規格と日本のそれとの間の不整合が顕在化してきていました。
「日本の安全規格としては、1982年に制定されたJIS B 8415(工業用燃焼炉の安全通則 以下JIS)などがあります。しかしこれらの通則は、工業炉の安全対策に関する一般的事項の技術的指針を述べたにすぎません。ISO化されたリスクアセスメントによる安全手法や、最新技術に対応しておらず、時代遅れなものになっていました」(今田氏)

ステンレスストリップ連続光輝焼鈍ライン(SUS-BAL)
JISを最新の国際規格との整合を図り、安全性への要求の高まりに応えたものにするため、2008年11月、同規格の改正が行われました。
改正JISでは、制御・操作回路にリスクアセスメントに基づく本質安全設計が求められ、安全性が保証されない汎用PLC※3使用が禁止されたほか、燃料の安全遮断弁の二重化やパイロット・メインバーナ火炎の個別監視などによるフェールセーフが要求されています。中外炉工業では、企業コンプライアンスの一環として社内通達を出してJISの遵守を徹底することを宣言しています。
「エネルギー分野、情報・通信分野、環境保全分野を担当するすべての事業部で安全の見直しに取り組んでいます」(嶋田氏)
その実現に向けて全社が動き始めています。
豊富な実績と信頼感を糧に世界レベルの技術開発へ

ダイナミックセルフチェックバーナコントローラ AUR450C
「山武とは、改正JISに対応した燃焼制御の計装・回路に関し、日々打合せを実施しています。実案件では、国際規格の認証を取れたダイナミックセルフチェックバーナコントローラAUR450Cの採用にあたり回路提案をいただくなど、共同で取り組みを進めています。ただ、現在市場で流通している燃焼安全機器では、私たちのニーズに合わない場合もあります。海外メーカーの機器に依存するとコスト高になってしまいますし、機器そのものの操作性にもコミュニケーション面にも、また後々のメンテナンスなどの面にも不安が残ります。なんとか日本人の手で、それらの課題を100%クリアし、必要な機能を絞り込んだ使い勝手のよい機器が欲しい、ということで、山武と仕様をまとめ、新しい製品開発を進めているところです」(城野氏)
中外炉工業と山武では、長年にわたってともに炉の制御に対する技術開発に取り組み、山武は工業炉の制御機器などを供給してきた豊富な実績があります
「山武には、20年以上前から燃焼安全制御の必要性を説かれていた、安全に対する先進的な考え方を持つ計装メーカーであるという信頼感があります。機能・性能、安全性、操作性のすべてに満足できる技術、機器を開発し、今後さらにグローバルに展開できる製品を提供していただきたいですね」(造田氏)
大手企業を中心に、多少のコストはかかっても安全性重視の新安全規格に準拠した製品を納入してほしいというニーズが高まっていることも、追い風になっています。多くの基幹産業を支える工業炉の世界で、今後も燃焼安全制御の技術・機器に対する期待はますます高まっていくはずです。
※2012年3月以前の情報は、旧名称が使われているケースがあります。ご了承ください。
Products Review
※1 フェールセーフ
信頼性の対象となるシステムや機器、部品などに故障が生じても、安全性が確保されていること。燃焼安全制御では、燃焼装置の起動時や連続運転時に火炎の状態をチェックし、異常があれば直ちに燃料の供給を遮断することによって実現されている。
※2 ISO/IEC
燃焼安全性制御器に関する国際規格は、IEC(International Electrotechnical Commission/国際電気標準会議)やISO(International Organization for Standardization/国際標準化機構)で規定されている。
※3 PLC
プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller)は、リレー回路の代替装置として開発された制御装置。工場の機械の制御などに使われるほか、エレベータや自動ドアなどの身近な機械にも使われている。
お客さま紹介

開発センター
センター長
今田守彦氏

開発センター
担当課長
嶋田利生氏

プラント事業部
電計部長
城野 洋氏

プラント事業部
電計部
担当課長
造田章夫氏
中外炉工業株式会社

堺事業所 エンジニアリングセンター
中外炉工業株式会社
- 本社/大阪府大阪市中央区平野町3-6-1
- 堺事業所/大阪府堺市西区築港新町2-4
- 設立/1945年
- 主な事業内容/各種工業炉、産業機械、環境設備、燃焼装置・機器、FPD製造装置の設計・製作・施工
この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2009年04月号に掲載されたものです。