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京葉ガス株式会社

小型・軽量化されたガスメーターへの移行により
ガスメーター交換時の作業性の向上と効率化を実現

千葉県北西部への都市ガス供給を通じて地域社会に貢献する京葉ガス。同社では、お客さまとの重要な接点となるガスメーターについて、新たな機器の導入に踏み切りました。小型・軽量化された新機種の採用により、ガスメーターの設置場所であるマンションのパイプスペースにおける空間確保や施工性の改善を実現。また、将来的なガス使用最大流量の変化にも1つの筐体で柔軟に対応できるため、10年後の検定満期交換、在庫数の低減などでトータルなコストダウンが可能になりました。

京葉ガス株式会社

京葉ガス株式会社

工場・プラント分野 電力・ガス コスト削減 稼働改善 ガスメーター

導入製品・サービス

ガスメーター設置スペースの縮小により、小型ガスメーターが求められる

1927年の設立以来、80年以上にわたり、千葉県北西部を中心とした地域への都市ガス供給を通じて、お客さまのより快適な生活と豊かな社会の実現に貢献してきた京葉ガス株式会社。現在では、市川市、松戸市、鎌ヶ谷市、浦安市の全域、および船橋市、柏市、流山市、白井市、習志野市、我孫子市の一部区域における、およそ86万戸のお客さまへガスを供給しています。「ほっと、人、あんしん。」をブランドメッセージに掲げ、地域からの厚い信頼に基づいて、なお一層の安心感をお客さまに約束すべく取組みを進めています。

ガス供給事業者にとって、お客さまのガス使用量を計量するガスメーターは、お客さまとの重要な接点となるものであり、ビジネスの根幹を支えるために不可欠な機器です。さらに、近年普及しているマイクロコンピュータ内蔵型のマイコンメーターでは、ガスの使用状況を24時間監視し、一定時間内に大量のガスが使用された際や、地震発生時などにはガスの供給を遮断する安全機能が搭載されるなど、保安面でも重要な役割を担っています。

「これまで当社では、一般に普及しているNB型マイコンメーターを採用し、家庭などへの設置を進めてきました。しかし近年、新築マンションなどでは、居住空間をより広くするためにガスメーターが設置されるパイプスペース※1の空間が狭くなってきています。そのためガスメーター設置時または交換時の施工性改善という観点から、ガスメーター自体を小さくしてほしいという要望が寄せられていました。このため、メーターの小型化が当社にとって大きなテーマとして浮上していたのです」(清洲氏)

幅広い使用最大流量に単一筐体で柔軟に対応が可能

マンションのパイプスペースに設置された従来タイプのNB型マイコンメーター(左)と、新タイプのJB型マイコンメーター(右)。

マンションのパイプスペースに設置された従来タイプのNB型マイコンメーター(左)と、新タイプのJB型マイコンメーター(右)。

そうした課題が明らかになってきた2007年の初頭、アズビル金門株式会社からNB型マイコンメーターを小型・軽量化したガスメーターの新製品が提案されました。そのころ、アズビル金門以外のガスメーターのメーカーも小型マイコンメーターのリリースに着手しており、京葉ガスにはアズビル金門を含めた計4社から同様の提案が行われている状況でした。

「検討の結果、当社が採用することにしたのは、アズビル金門が開発したZB(現JB)型マイコンメーター※2でした。そのポイントとなったのは、この製品の完成度が高かったこと、それに加え、アズビル金門が製品供給体制の面でも我々の要求に柔軟に応えてくれたことです」(清洲氏)

これまで広く普及してきたNB型の内部構造を継承していた上、高性能化、トータルコストダウン提案が図られていたのはアズビル金門が開発したJB型のみでした。このことは、保守、検定満期※3後の修理の面で、旧来型のノウハウが活かせるという強みにつながっています。また、従来であれば、使用最大流量ごとに数種類の筐体が必要になるため、流量に変更が生じた場合は複数のガスメーターが必要になります。これに対し、JB型マイコンメーターは単一の筐体で1m³/hから6m³/hまでの使用最大流量に対応でき、工場製作時に変更ができます。その時代の最大流量のトレンドに、修理時の設定変更だけで対応できるため、筐体に無駄がない運用が可能となり、10年後の検定満期交換、在庫数の低減などでトータルなコストダウンが実現できることが採用に当たっての大きなポイントになりました。

「昨今では、ガス温水機器などの高効率化が進んでおり、家庭によってはガスメーターの使用最大流量の適正値が、現在標準である6m³/hから4m³/hに下がっているというケースもあります。そうした動向を見据えたとき、10年後の標準値を予測することは困難であり、設定を変えることで1つの筐体のガスメーターが幅広い使用最大流量に対応できるJB型には大きな魅力がありました」(清洲氏)

一方、京葉ガスでは製品の供給体制について、災害などの有事に備えたリスク回避の観点から、ガスメーターの調達先を複数のメーカーに分散したいと考えていました。これに対してアズビル金門では、マイコンメーターの開発および製造販売で知られるメーカー1社に、JB型マイコンメーターの設計情報を開示することで、自社を含めた2社から製品を供給できる体制を整え、京葉ガスからの要望に応えました。

■JB型マイコンメーターとNB型マイコンメーターの比較

トップベンダーならではの先進的な技術開発に期待

京葉ガスでは、製品の採用決定直後から、新築マンションなどを対象にJB型マイコンメーターの導入を開始。2007~2008年の2年間を試験運用期間と位置付け、エリアを限定して計7,000台を導入し、その精度、機能の綿密な検証を実際の現場でも実施しました。そして、検証が完了した2009年からは、本格的な適用を開始。今日までにJB型マイコンメーター18,900台が管内に設置されています。基本的に、新築マンションについてはすべてJB型が導入されており、検定満期を迎えた旧来のNB型が修理不可能であるような場合にもJB型へのリプレースを行っています。

JB型は従来のNB型に比べ、1.3kgも軽量で小型化されています。これは倉庫保管時や輸送時の車載スペースの節約にもつながっているほか、取り回しも非常に楽になったという声が寄せられています。もちろん、設置先である住居のパイプスペースにおける専有容積も縮小され、ガスメーターの交換を行う現場からも好評です」(大塚氏)

京葉ガスでは、今後も新築マンションを中心にJB型マイコンメーターの導入を加速させ、この製品のメリットをさらに享受していこうとしています。そうした中で、アズビル金門に対する期待も大きく膨らんでいます。

「何か問題が発生すれば、すぐに駆け付けて相談に乗ってくれます。そうしたアズビル金門のレスポンスの良さには、いつも大変助けられています。今後も、その持ち前のフットワークの軽さで当社をしっかり支えていただきたいです」(大塚氏)

「政府が進めるスマートメーター※4化の流れの中で、ガス計量の世界でも超音波式ガスメーター※5などの新たな技術が注目を浴びつつあります。そうした将来に向けてアズビル金門には、これからもガスメーターのトップベンダーとして、その先進的な技術開発の成果を、我々やガスをご利用の地域の皆さまに還元していってくれることを大いに期待しています」(清洲氏)

用語解説

※1 パイプスペース

上下水道やガス管などの配管スペース。ガスや水道のメーター類もここに設置される。パイプシャフトともいう。

※2 ZB型マイコンメーター

開発当初は、使用最大流量4m³/hならびに6m³/hに対応した小型膜式マイコンメーターZB型としてリリース。その発展型として使用最大流量1m³/hから6m³/hに対応したガスメーターをJB型という。

※3 検定満期

計量法によりガスメーターの検定有効期限として定められた7年または10年が満了していること。有効期限を過ぎたメーターは、ガス事業者が引き取って必要な保守・修理を施し、再度検定を受けることになる。

※4 スマートメーター

双方向通信機能と高度な情報処理能力を備えたエネルギーメーター。エネルギー事業者による需要の予測やお客さまの効率的なエネルギー利用に貢献する。

※5 超音波式ガスメーター

ガス流量の計量に超音波伝搬時間差式の計測技術を適用したガスメーター。

 

お客さま紹介

京葉ガス株式会社 営業企画部 営業技術グループ 課長 清洲 浩一氏
京葉ガス株式会社
営業企画部
営業技術グループ
課長
清洲 浩一氏
京葉ガス株式会社 営業企画部 営業技術グループ 大塚 泰洋氏
京葉ガス株式会社
営業企画部
営業技術グループ
大塚 泰洋氏

京葉ガス株式会社

京葉ガス株式会社

京葉ガス株式会社

  • 所在地/千葉県市川市市川南2-8-8
  • 設立/1927年1月8日
  • 事業内容/ガス事業、ガス機器の販売、およびガス関連の工事に関する設計、監理、施工など

この記事はazbilグループのPR誌azbil(アズビル)の2012 Vol.7(2012年08月発行)に掲載されたものです。

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